光途 蘭希 (1)
まだ自分が小学生の頃初めてそれを見た。漫画、アニメ、映画の中ではよく見られる光景。
俺は憧れていた格好いい死、仲間を守るために死ぬそんな人達に、憧れていたんだ。
だけどそれを初めて現実で目にしたときそんな憧れはなくなった、格好いい死なんてない、そう理解した。
「タスケテ」
自分ではたすけられない。彼女を救えない。
それが自分光途蘭希がだした答えだ。
そして死は怖くて恐ろしい彼女を犠牲にしてその事をしった。
「アサダヨアサダヨ」
「オキテオキテ」
目を覚ます。
またこの夢だ、いや現実だったものだ。まぁそんなことはどうでもいい、今の自分には関係のない過去の出来事だ。目覚まし時計を止める、キャラクターが喋って起こしてくれる時計。
母が小学生になったら一人で起きないといけないからと入学祝いにかってくれたものだ。
なぜ小学生になったら一人で起きないといけないのかは知らないが…。
かばんと制服を持って下に降りる、テレビをつけると、近所で児童の誘拐事件があったと報じられていた。
このへんも物騒になったもんだ、感じたことはそれだけ。
そして次は他県での交通事故、次は他県での殺人事件、次は海外でのテロ行為、次は、次は、次は
あぁ、また人が死んだんだな。
自分が思う事はそれだけ、だって自分には関係のないことだ光途蘭希はこうして生きている。ならばそれでいい、自分がいつ死ぬかわからないのに、他人の事でいちいち心配したり悲しんだりしてる暇なんてない死は全員平等にやってくるのだから。
彼女の死を見てからこうなった。
自分もいつああなるかわからない、なら自分のために生きよう。他人の事なんて気にせず自分のためだけに生きようとそう決めた。
だからといって???を諦めた訳ではない、あれは子供の頃からの夢だそうそう諦めれるものではない。
次々に流れてくる情報を記憶しながら服を着替え朝食を作り食べていい時間になったら学校に行く。
こうしてまたいつもどおりの1日がながれていく。
いや、いつもどおりではない。今日はテストだった2学期の中間テスト完全に忘れていた。まあ赤点だけは取らないように頑張ろう。
そう心に誓い家をでた。