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クラシキ ユウヤ (弐)

「おはよう」

後ろから声をかけられる、このヤル気のない声は顔を見づとも誰だかわかる。

光途 蘭希だ。

自分とは幼馴染みである、そして数少ない友達でもある?

「ああ、勉強はしたのか蘭希?」

俺は奴に問いかける。

まぁ、問いかけるのはいいが答えはわかっているいる、答えは「まぁ、ちょっとねそんな事より」そう答えはお茶を濁すだ。

光途 蘭希はいつもそうだ自分の都合の悪い話しになればすぐに話題を変える。

勉強した?

「まあまあかな、それよりさー」

今日遊ばない?

「ごめん、用事があってさ」

なんの?

「まぁいいじゃん」

じゃあ、明日遊ぼ。

「明日も無理こんどねこんど」

と、いった具合だ。

だがもとからこんな適当な性格なのかと言われれば、答えに少し困る。

小学生の頃な素直で嘘もつけなかったし。

中学生の頃も真面目だった。

なら高校になってから性格が歪んだのか?と言われるとこれまた困る。

光途 蘭希は高校一年生の時も真面目だったと思う。

なら今年になにかあったのか?いや特になにもないはずだ。

ならいつからこんな適当な奴になったのだ?

小学校の時は奴のほうが頭がよく運動もできた、俺はそんな奴を尊敬していた。

中学校になって俺は塾に行き始めた。そして中学最初のテストで俺は奴を越えた。それからの暗式 雄夜は凄かった、テストの学年順位はつねにトップ三に入り、生徒会長になった。まぁそのせいかしらないが友達は減った。話しを光途 蘭希にもどそう。一言で言えばやつは落ちぶれた成績は中の下、運動はそこそこ、部活には入らない。まぁ授業は真面目にうけるので先生達の評判はよかったが。

高校俺は奴に興味を失った、だから詳しくは知らない。

さぁ光途 蘭希が歪んだのはどこだろうか。

まぁそんな事はどうでもいい、もう学校も見えてきたこんな奴が近くにいては俺も馬鹿だと思われてしまう。

「じゃあ、先に行くよ生徒会の用事があるんだ」

奴の返答は聞かなかった。いやなにか言っていたかもしれないが聞こえなかった。そもそも聞くひつようがない。

この俺が友達と認めてあげているのだからそれだけで感謝するべきだ。

本当ならこんな落ちこぼれの横にすら来たくない。

くそっ、時間を無駄に使ってしまった早く教室で勉強をしなくては、落ちこぼれは失うものはないかもしれないが、俺みたいな優等生は失うものしかないんだ。


ゆえに彼は友を失った。

ゆえに彼は愛を失った。

ゆえに彼は心を失った。


光途 蘭希は性格が歪んだ落ちこぼれ。

暗式 雄夜は光途 蘭希をそう判断した。

だが、彼は自分の性格が歪んでしまったことに気がついていない。


光途 蘭希が正常で暗式 雄夜が異常。


周りから見ればすぐわかるだろうが。

本人はその事にいつまでも気づけない。


ゆえに彼は友を失った。

ゆえに彼は愛を失った。

ゆえに彼は心を失った。



彼は王になるために人をやめたのだ。




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