眷属
どうもこんにちわ聖名明です。
今日も元気に王都で料理人をしてます。
こちらが俺の現在のステータス。
『akira seina(聖名 明)
種族:人間
性別:男
Lv:4
称号:神鳥のご飯係
status
skill
加護:神様が気まぐれで生温かく見守っています・美食の女神からの微笑み・神鳥の飼い主』
…。
生温かい目、加護だったんだ…。
しかも合体してよくわからん加護になってるし…。
『加護:神様が気まぐれで生温かく見守っています』
『効果:神様に気に入られた迷い人に与えられる能力。全力で応援しています、でもにやにやが止まらない』
にやにやすんなあああああああ!!!!
なんなのこの神様ボケが命なの?
一々説明文見て突っ込むのマジ辛いわ!
『加護:美食の女神からの微笑み』
『効果:料理に隠し特典が付いてるよ♪ プラス効果しかありません!』
…ちょ。
何妙なものつけてんの!? まかない食べると元気になるなーとか言ってた料理人ズの身体マジ大丈夫!?
プラス効果しかないなら特に気にせんでいいんかな…極めるとまずい事になりそうだし育たない事を祈ろう…。
ってか効果あったのか、単純に覗かれてるのかと思ってたよ。
『効果:によによはしているかもしれない♪』
「この世界の神様はこんなんばっかりか!!!!!!!!」
ばしーん、とうすっぺらい雑誌を床にたたきつける。
うん。
突っ込みが激しくなってきたので、ハリセンがないから本を手に持つ事にしたんだ。
叫ぶだけだと収まらないんだよ…。
で、最後は神鳥の加護ねぇ…。
あの鳥が何を考えてるのかもよくわからんけど…。
『称号:神鳥のご飯係』
『餌♪ 餌♪』
…。
む、無邪気ですね…。
いやまあ、神鳥普通に人間が食べるもの食べるんだよ…。
果物より調理したものが好きって動物的にどうなの? よくわかんないんだけど。
あと動物ってあたるものなかったっけ?
大丈夫なんかね。
『女神の効果により害ある成分は相殺されています』
ぽぽーん、と説明が飛んできた。
ってかそこの加護の説明開いてねぇよ!
いやまあ教えてくれるのは助かるけど!
『加護:神鳥の飼い主』
『効果:神鳥のステータスが閲覧できます・眷属のためスキル使用を命令できます・忠誠心ばっちこい! 忠誠:餌ある限りついていく』
…。
おい忠誠の欄高いのか低いのかわかんねぇよ!
っていうか餌付け効果パネェ!?
あ、でもそうか。
神鳥のステータススキル見れるんだったら、結構面白いかも。
今日の休日は神鳥さんをいじろうそうしよう。
☆
「と、いうことで神鳥さんのステータスおーぺーん!」
ぱららーん。
『No Name(眷属の名前をつけて下さい)
種族:神鳥
性別:両性
Lv:1
称号:聖名明の眷属
status
skill
加護:神様の慈愛・眷属からの信仰』
…OH.
眷属にして2週間ほどたってますが、そう言えば名前もつけていなかった!
ちなみに眷属にする方法は眷属になるー? って聞いたらくるるー、と同意されて終わった。
眷属になるの早!? そしてノータイムすぎ!?
しかし名前ねぇ。
自慢じゃないけど俺名付けとか超無理なんですけど。
しかもこいつ性別両性なんだ。面白いなー。
…。
男でも女でも通じる名前にせよと…。
ハードルたけぇよ…。
うーーん
うーーーーん。
「鳥…チキン…チキン…」
「…南蛮…唐揚げ…ソテー……」
ちょっと神鳥。
びくびくすんなよ! 食わないよ!
ってかお前普通に共食いしてたじゃん今更やん!
「く、くるーーー!?」
…おい、何ショック受けてんだ。
鳥料理とか結構食ってるぞお前。
…あ? 泣くなって。
ぽーん。
『称号:聖名明の眷属』
『実家に帰らせていただきます!!!』
…。
「実家ってどこ。お前迷子じゃなかったっけ」
「くる!!!」
ががががーん、とショックを背負う神鳥。
あー…うん、忘れてたんだね…。
眷属くっついてきてたけど、お前迷い込んで来てたんだよねそう言えばー…。
がく、と眷属がやっていたように羽を伏せてorzの形でたれる神鳥。
ま、まー…あれだな。
「大丈夫だ。お前が食っている鳥は食用。つまり弱肉強食の法則によって食われたもの。お前は神鳥で食用じゃないんで共食いにはならない!」
「! くる!!」
お、立ち直った。
うん、よしよし素直でかわいいな。
ぽぽーん。
『称号:聖名明の眷属』
『好物は鳥の唐揚げです!』
ぶ!
はっちゃけすぎだろ!
結局説明文が良くわからんままで終わるのか。
『称号:聖名明の眷属』
『心声での意思疎通が可能』
あー…ハイハイ。
了解了解。
人の思考勝手に読んでた気がするんだけどまぁええわ、大した事考えてないし。
じゃ、あれだー。
鳥の名前だからあれだー。
えー。
…考えつかない。
「白いからスノーホワイトで」
「くるー?」
「白雪姫。まあ、男で通じる名前にしなくてもいいかなって」
「くる!」
姫呼ばわりは気に入った模様。
要するにあんま気にしないわけね、おけおけ。
まあお前が大雑把なのはよくわかってた。
加護の神様の慈愛はあれだろ。
どうせ神様の突っ込みようだろ。
『加護:神様の慈愛』
『効果:先に言うなんてひどい! あ、神様に愛されてる証拠です』
…はい次ー。
スキル何持ってんだろ、こいつ。
お?
『神鳥の特殊スキル:詳細』
『神鳥の攻撃:精神にダメージを受けるよ』
『神鳥の支援:風の加護がもらえるよ。身体かるーい』
『神鳥の特殊支援:定期的に主の生命力が回復するよ』
『神鳥の回復:どんな怪我もあっという間に治っちゃうよ』
『神鳥の身体:傷がついてもすぐ直るよ』
…つまるところ?
「もしや、支援特化?」
「くる♪」
え、ええええええ。
じゃあコイツ殺すとなんで王都滅んじゃうの?
意味わかんないんだけど。
…あ、なんか不穏なパッシブスキル発見。
『眷属の咆哮:神鳥が傷ついた際に眷属がランダム召喚される。怪我の度合いによって変動し、傷つけたものをせん滅する。最大威力:都市水没』
『眷属の祈り:神鳥を崇める信者たちの祈り。神鳥を害する者すべてを許さない 発動条件:神鳥の死亡 威力:都市全壊』
…OH…。
あの黒い熊もどきーず、実はめっちゃ強いんじゃね…。
恐ろしや…。
祈りとか言いつつ王都滅ぶ威力なんですよねこれ…? 水没とか全壊とかどんだけ威力が違うのかよくわからんけど危険すぎるのはめっちゃよくわかったわ!
さ、触らぬ神にたたりなし…。
「とりあえずお前、怪我には気をつけてな…。空飛んでる時も撃ち落とされないように風まとっておくように…」
「くるくる♪」
知っといてよかった…。
王都で鳥を撃ち殺すような危険な奴はいないと思うが、打った瞬間に王都が水没する可能性あるとかどんだけ恐ろしい眷属持ってんのよこいつ。
こっわぁ。
後はなんか言語理解スキルとか色々持ってたけど特筆するものはなかった。
あれ、そういえば傷ついてもすぐ直るのに怪我度合いによって水没まで行くっていう咆哮スキルってよくわからんな?
ま、いいか。
発動すると面倒だと思うだけだし。
「よし、飯にするか」
「くるるる♪」
暇つぶし終了。
俺は部屋のドアをくぐり、階下へ行こう…と思ってドアを閉める。
あ?
しまった。
振り向いた瞬間に、閉まるドアにぶつかる鳥の音。
どこん!(←ぶつかる音)
どどどど!(←なんか現れた音)
だぱー!!(←水が流れる音)
…。
「俺は何も聞かなかった……」
ドアを開けることなく俺は、階下へ逃げた。
後で水漏れがどうのと怒られたのは、秘密である。
水没って…眷属の涙のせいかよ…。
号泣だから『咆哮』。
弔い合戦だから『祈り』
みたいな感じデス。