お約束
短いです。
ぽーけっとーのなかーにはー。
けんぞくさんがー…いっぱい。
現実逃避もそろそろ終わりにすべきだと思った聖名明です。
森に来て眷属を一々出すのに疲れました。
最後の一人まで送りだしたら休日の日が暮れてました。
俺の貴重な休日…。
というより、この真っ暗な中でどう帰ればいいのだろうか。
☆
さすがに森に入るのに、護衛の騎士は撒いてきたので誰もおらず。
撒いてきた理由はスノーの眷属に攻撃されても嫌だし、森で離れられていて勝手に襲われてお陀仏とかも嫌だったからだ。
それはそうとして、現在真っ暗。
どうやって帰ろうか。
「ここはあれだろうか。誰もが憧れるあの魔法の出番だろうか!」
ちょっとテンションあがりました俺!
そういえば旅とか全くしてないから、移動もなにも考えてなかったんだよな。
異世界探検の醍醐味をぶっちゃけ無視してたんじゃね俺!?
ぽぽーん。
『クエスト:異世界漫遊
報酬:称号【異世界の旅人】、とかどうかなちょっと格好よくない!?』
うん、クエストと称号は格好イイと思うけど神様の一言で色々台なしだと思うよ。
そのうち気が向いたらやってもいいかもしんない。
でも今はとりあえず無視。
「という事でウィンドウオープン。支援魔法かなあ~」
生活は一通り見たけど、あれは基礎的な魔法らしいので恐らく違う。
森や変な処に何度か連れて行かれたけど、全部徒歩だったし帰りも徒歩で帰ったもんね。
だから普及されてるような魔法ではない、筈だ。
という事で探す。
どーこーかーなー。
「お。あった!」
『転移魔法:ちょっと! 無視しないでよ!』
「説明を変えるなよ使えねえだろ!!」
思わず叫んでしまった。
森で周りに人がいないからって酷い話である。
独り言多くなりすぎるからいい加減にして欲しい。
再度説明を表示。
ふむふむ?
『転移魔法:任意の場所に移動する。移動人数はLVと魔力に左右される』
『Lv:MAX』
ふむ。
まともな魔法に見えるな。
これは唱えれば使える魔法なんだろうか。
「えーと…」
…やばい、詠唱とかやったことない!
ポケットを作る時はえい、とか言って袋に手を振っただけだし自分に対してはどうすればいいんだ!?
うっかり自分に手を振って攻撃魔法とか食らったらどうしよう!?
「えええと…『転移』! でどうだろ」
ぽん、と音がして別ウィンドウが開いた。
あれ。
なんでウィンドウが開くの??
『転移ポイントを選んでください
・はじまりの森
・????
・????
・
・
・etc』
……………………?????
「え? はじまりの森以外が全部?なんだけど!?!?」
王都どこ行った。
つーか、洞窟すら何も表示されてないんだけど??
とりあえずキャンセルを押し、再度転移魔法の項目をチェック。
『転移魔法:任意の場所に移動する。移動人数はLVと魔力に左右される。任意ポイントは自分で意識してメモしないと転移可能ポイントとして機能しないよー!!!』
『Lv:MAX』
………。
なん、だって…?
「つまりあれだけ暮らしていたというのに、王都には転移できないと…!?」
orzの体勢でがっくり垂れる俺に、スノーがくるー、と一言鳴いた。
お前のせいなのに…。
お前の優しさが身に染みる…!!
それでも頑張って森を抜けたら遅刻確定でした。
そして料理長にしばかれた聖名はその後鬼のように移動ポイントを作ったと言う事です。
次回はきっとほかの国にでも行くでしょう。




