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200字小説

痴漢(200字小説)

作者: 紅月赤哉

「この人、痴漢です! 私のお尻ずっと触っていました!」


 地下鉄内から俺の手を引いた女性は駅員に訴えていた。


 駅員の鋭い視線を躱して訴える。


「この人に痴漢なんてしていません! この人が証人です!」


 俺は女性に引きずられた時に、無実を証明する人の手を掴んでいた。言わば俺の女神だ。


「言ってください。この人に痴漢してないって!」


 女神は、涙目になりながら駅員に言った。


「この人、痴漢です! 私のお尻をずっと触ってました」 

誤解って解くの困りますよね。

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