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第13話 私のアイサ

 ――


「起きなさい。私のアイサ」

「はっ!? テレサ様!?」


 目が醒める。なんだ夢か……ここはどこ? 木々が生い茂っている。

 周囲を見渡すと、森の中だ。地下のはずだったんじゃないの? 頭上は巨大なドーム状になっており、太陽光と見紛うほどの強烈なライトが周囲を明るく照らしている。


「誰もいない……ここまで私をどうやって運んだのよ?」


 しばらく歩くと、水の流れる音や鳥の鳴き声が聞こえてきた。虫もあちこちを這っている。人工の環境なのだろうけど、天然の森と見分けがつかないレベルだわ。


「!?」


 ガサリと茂みが揺れた。慌てて目を向けると、現れたのは父と喧嘩していたあの金髪の男の子だった。


「た、戦うの!?」

「怯えなくていい。争うつもりはない」


 彼は静かに両手を上げ、敵意がないことを示す。


「奴の言っていることが真実かもわからない。何より、私は女性に手をあげる趣味はない」


 うわ、育ちがいい。警戒を解いて改めて見ると、本当に綺麗なお顔立ちをしている。彫刻や絵画を探しても、ここまで美しい見た目の男の子には滅多に出会えないわ。


「あの……父に喧嘩を売ってた人よね?」

「そうだ。君も死ぬべきだと思わないか? あんな親」

「あんな親って……まるで、自分の身内みたいな言い方ね」

「当然だ。アレは私の父なのだから」

「……はあ!? あの男、どんだけ不倫してんのよ!?」


 私が叫ぶと、彼はまるで鳩が豆鉄砲を食ったように目を丸くし、やがて憐れみの表情を浮かべた。


「君は、本当に何も知らされていないんだな。王のことも、自分の家族のことも」

「ええまあ。つい先日、自分が王家の血を引いてるって知らされたばかりだから」

「奴は……トラヒムは、金貨百枚という対価で大陸中の女性に、自分の子供を産ませたんだ」


 んん?? 頭の中が真っ白になった。ちなみに金貨百枚といえば、庶民の親子が一生暮らせるほどの莫大な額だ。それを、大陸中の女性に……マジで?

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