大魔導師の仕事Part 2
『あなたも実践!たくさんの人に嫌われる魔法の言葉』
『悪魔と天使の召喚法』
『古代破壊魔法』
うーむ、どれも読んでみたい。特に最初の本のタイトルは禁術の書にしては珍しい書き方だ。
見たところ精神の錯乱を誘発させる魔法だろうか?
しかし、僕も禁術の書となると書の力が強すぎるので月一でしか読めない。さてとどれにするか。本のタイトルを見ながら考えていると。
「ん?」
見たことない書が並んでいた。
背表紙と表紙にはタイトルが書かれていなかった。
「何だろう……これを読んでみるか……」
気になってその本を読んで見た。
しかし……
「何も書いてない」
ペラペラとページをめくってみるがどのページを見ても何一つ書いてない本の形はしてあるのに禁術の書じゃないのだろうか?
「他のを読むか……」
少しがっかりし他の禁術の書を読もうとしたが、
「痛~~~!!イタイイタイ!!」
他の禁術の書を読んだ瞬間、頭に雷が直撃したような痛みに襲われ、鼻がツーンとする、しばらくするとポタポタと鼻血が机に垂れる。
慌てて書を閉じる。
まだ頭がズキズキする。
今の痛みは禁術の書の力に耐えきれない時に起きる痛みだ。
となると……
「さっき読んだ書は禁術の書だった?」
そういいながら、さっきの無題の書を手に取る。
やはり、背表紙と表紙には何も書いてない。
書を開けばまた頭痛がするからまた読むことは出来ない。
「一体何なんだ?これは?」
疑問を持っていると
ぽん
その書の表紙から魔法陣が飛び出して来た!
「‼︎」
驚きのあまり声がでなかった。
本当に何なんだこの書は!
書かれている魔法陣はいくつもの線が複雑に絡み合っていて超高難易度の魔法陣の形をとっている!
いやまじで何だコレ!?
ボフ!
あまりの事に混乱してる間に魔法陣は音を出して消えた。
大量の煙を出して……
「ゴホゴホ!」
この煙がメッチャ喉にくる!
「……」
口の周りを手で覆い、もう片方の手で魔法陣を空中に描く、どのような効果をどのような範囲でどのような強さで放つのかを先ほどの魔法陣よりは少ない線で描き、幾何学模様をつくり最後に円で囲む。
「発射」
そう呟くと魔法陣から様々な方向に風を起こし煙を部屋のすみに追いやった。
あとで換気口を回さないと。
何なんだったんだあの書は?
また疑問を持ち、考えていると
「うーーん」
どこからか女の声が聞こえる。
侵入者か!?
僕は慌ててそこに向かう。
そこには金髪金眼で世間で言うところの美女がいた。
美女は辺りを見回して僕を見つけた。
君は誰だと声をかけようとしたら、
「あなたは誰?」
彼女が先に言って来た。
いや、その言葉しっかり貴方にブーメランするぞ。
そう言いたくなるが、そこを耐えて笑顔で接する。
「僕は“秋明菊の大魔導師”エメル・サフィスです。あなたは?」
僕は自己紹介しながら相手の出かたをうかがう。
すると彼女は驚いた顔をしながら、ブツブツと何か呟いている。何言ってるか全く聞き取れない。
「あの聞こえないんですけど」
僕は彼女にそう言ったら彼女は慌てて僕の顔を見て
「すみません。ちょっと混乱してました。そうかあなたが“秋明菊の大魔導師”なんですね」
「?」
「私は“菫の賢者”ヴァイオレット・リリィによって造られ、先程あなたに読まれた禁術の書です!」
「えっ!さっきの禁術の書?」
「はい!」
「マウグスの?」
「はい!」
「マジで?」
「マジです!」
「何でここに?」
「それはですね色々ワァーとありまして」
「説明が適当すぎる!」
「わかりました。ちゃんと説明しますね」
彼女がちゃんと説明しようとした時。
ぽん
彼女と僕の間に小さな魔法陣が出て来た。
彼女も僕も驚いている。
今度は何の魔法陣だ!
ニュル
何か出て来て魔法陣は消えた。
これは手紙?
手紙には『大魔導師様へ』と書いてある何が書いてあるかわからないから怖い。
手紙を開くと書いてあったのは、
『図書館勤務の根暗な大魔導師様へ。
私だ。賢者マウグスだ。私が造った禁術の書に間違えて転移魔法をかけて、そっちに行ったから連れて来て欲しい。どうせ、暇だろ?
聖人君子の心を持った賢者ヴァイオレット・リリィより』
「呪ってやる」
僕はすぐ手紙を通路に呪いの魔法を送ろうした。
その時僕は最後まで手紙を読むべきだった。
『追伸呪い返しがこの手紙にはかけてあるから呪うなよ』
数分後、僕は腹痛の呪いを送ったから、僕は猛烈な腹痛に襲われた。
チクショウ