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人生は、遠い遠い、お花畑を目指した、魂の旅だったのかもしれない?  続・小夜物語  第25話

作者: 舜風人


「あと、何年、こんな生活を続けたらいいのだろうか?」


ふと?


そんな言葉が口をついて出る晩秋の午後、


それはおそらく

後、、、、、10年?かな?

それとも20年?かな?


いや、、、

20年は持たないだろうな


そんな

栓方ない、想念が、

晩秋の柔らかい日差しが差し込む小部屋に

帰来してはまた

かき消えてゆくのだ。


秋の日差しは、あくまでも、優しくて


もうあの灼熱の猛暑の日差しの刃はない。


もうすぐ、、、冬がまた

やってくるだろう


そういえば吹く風も、

ひんやりとしてきたな


晩秋のひととき


わたしはこれまでどれほどの年月を生きてきたのだろうか?


というか


生かされてきたのだろうか?


おもえばなんと、、遠くまで来たことだろうか?


まさか

18で故郷を出たとき

こんなに遠くまでくるなんて思いもしなかったのに、


18でふるさとを出て、、それ以来

ふるさとに戻ったこともない


大学を出て、、まさかの


あんな臆病者のこのわたしが、、

その後の人生で


それから14回も引っ越しを、、するなんて


人生ってわからないものだなあ。


いま人生を振り返ってみれば

それは茫々として

霧や靄で、、果てもない。


そんな中を生きてきたんだよ。


でも?

過ぎ去ってしまえば

それもこれもみんな

まるで

無かったことのように

雲散霧消?しているんだよ、

不思議だよ、


あのとうじ


あれほどなやみ

苦しみ

歯ぎしりしたのに、

あれから幾星霜 経てみれば、、

もう、、、、、

「もうどうでもいいや」


というのが今の心境なのだ。


だって、いまさら?どうできる?

過ぎ去ったことを今、、どうできる?


どうにもできません。

思い出しても反芻しても

無駄なのです。


あの時ああすればよかった

あの時こうすればよかった


でも?

いまさらどうにもできないじゃあありませんか、

終わったことなんです

もう

どうにもできません

思い出は、、、はるかなまぼろしであり

それはいまどこにも、実在しないのですから。


ああそれにしても


わたしはあと


どれほど

生きたらいいのだろうか?



というか?


それって私の意志でどうにもなりませんよね?



それとも?

自殺ですか?

いまさら、、ここまできての、老後自殺??


若くて悩める青年じゃあないんですよ。


ここまで来たら自然に任せるのがベストでしょうね。

いまさら、、自殺なんて、、意味ないでしょう?


しぜんにそれがやってくるのを待つこと

それがベストです。


でも?

それって思いがけない時に

思いもしない形でやってくるんですよね。


わたしもこれまでいろんな人のいろんな死を見てきましたが、、、

ひとりとして同じ「死」はなかったですものね。


わたしの父母の死も、、、、、、


父は酒好きで老後は酒浸り?でした。

「酒が飲めないなら死んだ方がマシ」と、豪語してましたものね。

といってアル中ではないですよ、

制限守って飲んでましたから

でもやがて、肝硬変・肝不全になり、、

足がむくんで

腹水がたまり見るも無残な姿になり自宅静養になり、母の介護と

医師の往診を受けていましたが

蒲団から起きられなくなり


最後は半ば意識不明で、、でも意識が時々戻って飲んだり食べたりかろうじてできましたが

数週間、、、、、、、、、、、、、、、、、、

静かに?ある朝、亡くなりました



母は?

其の後10年ほど一人暮らしで、実家で生きて


訪問介護を受けて、それでも元気で、

酒は飲みませんでしたが

50歳過ぎから覚えた煙草が好きで毎日すっていましたね。


でも老化は確実に侵攻していて


やがては、妄想や幻覚が見えるようになりました。

で?

老人ホームに入所させようと探しているある日、


訪問介護士が毎日の定期訪問で行ってみると


居間で、

血を吐いて意識不明で倒れていました、

かすかな息があって病院へ搬送

大動脈瘤破裂でした。

生きてるのが不思議だといわれましたが

そのまま、意識不明で1週間後に病院で息を引き取りました。


父の死   87才

母の死   89才


友人・知人・親戚・同僚などの死まで語りだしたらきりがありません、

みんな違った死に方ですよ、若くして、亡くなった方も多いですよ、



そうして次は

この私が


ある日突然に?

そのように

また

父母とは、また、違った死を迎えるのでしょうね。



それはいつ?

どこで?

どのように?


わかりません


また

知りたくもないです。

でも確実にいつか

それは


遠くない先にやってくる


その時まで


与えられた

「生の時」


time of life



生ききるしかないでしょうね。



それが人生だからです


それが

命だからです。


みんなそうしてきたのです


わたしの父も

わたしのははも


そうして私の先祖たちも


そしていま

わたしも

そのように


生きて

死ぬのです。


ああ、、、はるかに

あたりをみわたせば

其処は

一面の


大きなきれいなお花畑が見えるなあ


ありがとう

人生

ありがとう

この世


また

来世で逢おうな



そういう思いで


いまは

満たされている私の


「心の風景」なのです、


過ぎ去ったその時は苦痛で困難で歯ぎしりして


波乱万丈の人生だったかもしれない


でも?

遠く

遠く

過ぎ去ってしまえば

そんなの、、実はよくある?平凡人生だったのかもしれないって

今はそう思えるんだよ


まあ


平凡だろうと

波乱万丈だろうと、

過ぎ去ってしまえば

それは

あなたにとっての唯一無二の

「花の人生」だったんだよ、


ほーら

よく周りを見渡してごらん

大きな

きれいな

お花畑が見えるだろう?

あれがあなたの人生だったんだよ

わかるかい?


白い

細い

一本の道を

辿ってきた

あなたの人生の


それがあなたの

たどり着いた

きれいで

大きなお花畑だったんだよ、


じゃあな


ありがとう

人生


ありがとう

この世


また


来世の、

どこかで、

どんな姿で

どんな境遇で

どんな出会いで



また、、、逢おうな


それまでは

しばらくは

サヨナラだよ


またその時には



大きな


きれいな


お花畑を

目指して

また、、歩いて行こうな


いいかい

忘れるなよ、


頼むからな、


だって


それが繰り返される


輪廻転生の


人間道の


しんじつの人生のみちだったんだからなあ































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