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友人のリクエスト短編集  作者: 秋月 椛
1/1

ロシアンルーレット《友人のリクエスト短編集より》

この作品を読もうと思って下さり

有難う御座います〜!!


平穏な学園で行われた"ゲーム"

その勝敗と罰ゲームをお見逃し無く。

登場人物は男子2人ですが

名前は記載していないので

代名詞のまま読んで頂いても構いませんし、

何かお好きな名前を当てはめて頂いて

読んで下さっても結構です。


当作品は流血表現等が御座います。

苦手な方は御遠慮下さい。


リボルバー(その他凶器も)を使って遊ぶのは

"危険"ですので良い子(悪い子でも)

絶対に真似しないで下さい。


小説は書き慣れていない故に

可笑しな部分があるかもしれませんが

温かい目で見て下さると助かります…


それでは、どうぞお楽しみ下さい。

僕と親友の彼、たった2人しかいない、

西陽の差し込む静かな放課後の教室


「ねぇ、ゲームしようよ」

ただ聞いただけでは何気ない学生の一言。

しかし、彼が僕に差し出したのは

あまりにも物騒な物だった。

「ピストル!?リボルバーだね…」

彼はいつもと変わらぬ笑みを浮かべ、

唇に人差し指を当てるだけだった。

差し出されたリボルバーを

僕は好奇心でを手に取った。



……これが、僕の人生における

大きな間違いだったのかもしれない。



「君ならそうすると思ったよ。

それじゃぁ、ゲームのルールを説明するね。」

…そうか、リボルバーに気を取られていたが

僕達はこれからゲームをするんだ。

僕はルールを聞こうと思い、

頷くだけで催促する。

「君が今、手に持っているのはリボルバーだ。

リボルバーにはシリンダーっていう

弾を込める部品があってね、

それは6発まで入れられるんだ。

今回僕が入れたのはその内の1発。

これを交互に撃ち合って、撃たれた方が負け。

…簡単なルールでしょ?」

「えっと…リボルバーに

入っている弾は実弾だよね?

撃たれたら…死んじゃうよ?」

その時、僕は少し混乱して

早口になっていたかもしれない…

「当然死ぬよ。それが罰ゲームとでも思って。」

当然のように死ぬと言われてさらに混乱した。

「まぁ、やってみた方が早いよ。

ひとまず回すね。」

彼は慣れた手つきで

僕の手の中にあるシリンダーを回転させる。

僕は仕掛けがあるのか無いのか、

全くわからなかった。


「さぁ、始めよう」

彼は笑みはずっと崩れず、

何を考えているのか、予想がつかない。

「死んでも…恨みっこなしで頼むよ。」

「もちろんだよ。それは君も同じだからね?」

「僕だって理解してるさ。それじゃ、行くよ」

シリンダーを回したのは彼だ。

俺にはいつ弾が発射されるのか分からない。

怖くて…こっそりシリンダーを

1つ分だけ右に回転させた。

そして正確に彼の頭に照準を定める。

2人しかいないこの空間に沈黙が流れた。

…撃たなければこの場は永遠に終わらない。

さぁ…撃つんだ…

自分を無理やり催促する。

そして、彼に向けて引き金を引いた。


カチャ


シリンダーが回転する音、

その他様々な音が此処に一瞬だけ響く

決して発砲した音ではなかった。

目の前の彼は、無傷で僕の前に立っている。

良かった、と素直に思った。


「ふぅ…じゃあ、僕の番だね。」

彼は緊張を全く見せない。

何故こんな事をしているのだろう。

手を出してきたから

僕は彼の手にリボルバーを置く。

余裕そうな表情で彼は

ゆっくりと僕に照準を定める。

少し間を置いて、僕が引いた時と

全く同じ音がした。


「2人とも1発目では無いようだね。」

「これ、本当に6発目までやるの?」

此処まできて、目の前の彼が

冷静になってくれる事を僕は願った。

「やめるわけないじゃん。

最後までやろうよ。」

こんな事が続く恐怖と絶望の様な、

まだリボルバーを打つことができる高揚感、

僕の心は実に微妙な感情が混ざりあっていた。


「さて、3発目に移ろうか。」

「…そうだね。次は僕か…」

彼が差し出すリボルバーを受け取り、

再び沈黙が訪れる。

初めよりは落ち着いた気持ちで彼へ照準を定め、

また引き金を引く。


今日で3回目の何も発射されていない発砲音。

安心するが、次は自分が打たれる覚悟が必要。

彼が打つ4発目の音もついさっきの僕と同じ音。


「次こそ、どちらかが撃った時に発射される。」

「そう…だね。」

もう、此処まできて彼が止めるとは

微塵も考えられない。

最後まで、やり抜く…

返事は曖昧に再び僕はリボルバーを受け取る。


そこで、僕は最初にシリンダーを1つ分

回転させた事を思い出した。

あれが吉と出るか凶と出るか…

打たれたくない、死にたくないけど…

友達を打ちたくもない…


ふと、窓の外を見る。

始まってから随分と時間が経ったようで

僕らを橙色に照らしていた西陽は

真紅に染まっている。

それが、どこか妖しげで、美しかった。


…窓の外を見ている場合ではない。

早くこの空間を、この時間を終わらせる。

ひとつ、深呼吸して目の前に

立っている彼に照準を定める。

怖い、殺人犯になるか、殺されるか…

それでも、僕はリボルバーを撃つ

好奇心に抗えなかった…

目を瞑りたい、でも…きちんと

見ていなければいけないような気がした。


ほんの数秒だったのかもしれない、

でも、僕には何十分、何時間もの時間が

流れたように感じた。

それだけ、間をおいてやっと僕の指は

リボルバーの引き金を引いた。


先程までと同じ様に回転するシリンダー、

その他様々な音、そして…

無傷の彼は相も変わらず僕の前に立っていた。


良かった、僕は彼を殺さずに済んだ!!

その思いと同時に、まだ彼が僕へと

向けて撃つ番がある事を思い出す。


「ふふ…あはは!!

君は馬鹿だねェ〜

僕が回転させただけで打てばよかったのに、

ひとつ回転させて自分で死を選ぶなんてさァ」


つい先程まで僕の前に立っていた

彼の顔に浮かんでいた優しい笑みは

言葉で表現しようのない、

不気味な笑みに変わっていた。


いつもの優しい雰囲気も消え、

狂気の沙汰で僕へリボルバーを向ける。


…嫌だ、死にたくない、

そもそもなんでこんな事をしていたのだろう。

リボルバーを目の前に

興奮していたのかもしれない。

少し、冷静になれればこんな事しなかったのに…

慌てて教室の扉へと走る。

取手に手をかけ、横にスライドさせるだけ、

それだけなのに開かない。


「そんなの予測済みだよォ〜

鍵かけて当然!!

君が言っただろ?

"死んでも恨みっこなし"ってね♪」

見たことの無い笑みを浮かべ、

ゆっくりと僕に向かって歩いてくる。


教室の角へ追い詰められ、照準を定められる。

…撃たれる!!

と思った時にはもう撃たれていた。

実弾が発射された音、

僕の頭に着弾したのだろう。

火を押し付けられているかのように熱い…

頭から生暖かい液体が流れる。

それが目に入れば開けても閉じても

深紅で満たされている。

最後にもう一度彼を見てやろうと思っても

目も、瞼すら僕の意思では動かなくなってきた。

あぁ、なんて愚かだったのだろう…

どうしてリボルバーを

手に取ってしまったのか…

今更後悔してももう遅い…

僕は諦めて瞼を閉じた。

最後までお読み下さり有難う御座いました〜!!

初めての執筆、小説家になろうにも初投稿で

色々な事にドキドキハラハラ…

ですが、最後まで読んで

いただけたのなら幸いです……


お友達からリクエストをもらって

書いているものなので

作品の更新は不定期となりますが

これからも書いていこうと思うので

今後とも宜しくお願い致します。

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