第五話 大会の始まり!
特訓の日々が過ぎて現在6月の下旬。
戦闘大会は7月の初めから1ヶ月間かけて行われるのでこの頃の訓練場はよく混んでいた。
「理奈、冷奈、どう? 訓練場は空いてそう?」
と私が2人に質問すると
「あれは無理だね。今日のところは諦めた方が良いかも」
と理奈が言った。
「大会まで残り1週間もないし、せめてあと1回くらいは特訓したいよね」
と冷奈が言った。
「そうだね。今日みたいな調子だと特訓が一度もできずに終わりそうだもんね」
と私が言った。
そうして結局、特訓できずに大会を迎えてしまったのだった。
ーー教室ーー
大会初日の朝、先生が大会について話をした。
「今回のこの大会はランダムに決められた5組ずつがバトルロイヤル形式で戦ってもらう。そうしてそのバトルロイヤルで勝ち残ったペア、計30組が決勝トーナメントに進める。そしてそのトーナメントで優勝を決めるって感じだ。大会の日程は今から配る用紙に書いてある。何か質問はあるか?」
と先生がそう言った後、分けられた用紙を見るとなんと私たちは1番最初の第1戦目だった。つまり今日である。
「そ、そんなぁ……」
最近、特訓が出来ていないのもあって私は不安しかなかった。
そして私たちは不安を抱えたまま大会に挑むこととなった。
大会会場で開会式をした後、すぐに私たちは控え室に向かった。
ーー大会会場、控え室ーー
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。多分お前はお前が思っている以上に強い」
と結崎さんが私を気遣ってくれる。
それでも私は不安を消すことはできなかった。
そしてそのまま第1戦が始まった。
ーー大会会場、戦闘場ーー
第1戦のみんなが集まると審判のような人が
「戦闘、開始!」
と叫ぶ。それと同時にみんな武器を構えてそれぞれが行動を起こそうとする。私もみんなの行動に合わせて剣に力を込める。そして結崎さんはみんなより先に動いていた。
結崎さんは爆発する糸……『爆糸』を大量に使って相手全員の行動を制限していた。
「は、速い……!」
と相手の1人がそう言った。
そんな風に相手が結崎さんの速さに圧倒されている間に私の力が溜まった。
「はあぁぁぁぁ!!」
私は精一杯叫んで剣を振り下ろす。結崎さんは私の行動を見て、巻き添えを喰らわないように高く跳ぶ。
剣を振り下ろした衝撃が会場全体に響き渡る。
その衝撃により爆糸が切れて大爆発が起こった。しばらくは煙があってよく見えなかったが時間が過ぎてくると段々と煙が消えて見えるようになってきた。すると私と結崎さん以外は全員倒れていた。
そうして私たちは第1戦を勝利した。なんだか勝利したという実感があんまり感じなかった。
その後、いろんな人に
「結崎は元々すげぇ奴だって分かってたけど、なんだよあのやべぇ衝撃波! お前すげぇな!」
と言った感じで主にクラスメイトからいろんな事を言われた。
そういういろんな事を聞いているうちになんだか自分の不安はもうなくなっていた。
しかし、どうやら自分が想定していた以上にすごい衝撃波だったらしい。もうちょっと制御出来るようにしないと……!
そうして戦いの日々は過ぎていく。
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