第一話 入学式!
ーー20XX年、ある日突然、この地球は異世界の戦争に巻き込まれてしまった!?
話によると人間と魔王軍が戦争をしていたのだがその戦争でなんと勇者が亡くなってしまったらしい。
人々は急いで異世界、つまり地球に避難したが魔王軍がここまで追いかけてきて地球の7割が魔王軍の手に堕ちてしまったのだった……!
そして現在はというと……
「えっと、忘れ物はないよね?…………ちゃんと全部ある。さて、遅れる前に行かないと」
私の名前は王木 勇華。今日から勇者学院に行くことになりました。
正直、勇者なんてRPGくらいしか分からないけど物語の主人公みたいになれたらなぁ……と思ってます。
現在では元々魔王に対抗していた異世界の人間達の協力により、魔法と科学が合わさった科学を超えた科学、『超科学』の誕生により何とか平和を保っている。
その超科学が誕生してすぐに勇者学院が設立され魔王に退行する為、これから高校に入る者たちは全員進路を勇者学院に変更されたのだ。
そして今日は入学式。遅れるわけにはいかないので駆け足で学校に向かったのだった。
ーー校庭(正門)ーー
「ここが学校かぁ……」
なんだかこの場所だけ未来感がすごいある。もう学校というよりは超巨大な最先端科学施設っぽい。
そしてすごく広い校庭。無駄に広いとはこういう事を言うのだろうか。
周りを見渡していると、とある場所に人が密集しているところを見つけた。どうやらあそこが入学式をやる体育館みたいだ。
私は駆け足でそこに向かった。
ーー体育館(入学式)ーー
やっと体育館に着いた。
予想はしていたがやはり人数が多く、物凄く混み合っている。
座る場所はとりあえず来た人から順番に座っていくとのこと。
なんか雑に扱われている感じがする……
そんな事を思いながらも椅子に座りしばらく待っていると校長先生が出てきてこの学校についてベラベラ語り出した。
ちなみにほとんどの生徒は寝ていた。やっぱ先生の話って眠くなるよね。
先生の話が終わると次は前から順に30人ずつ呼ばれて教室に案内された。
座る場所といい、クラスの決め方といいやっぱり雑だよね、これ。
ーー教室ーー
そして教室に着くと指定された席にそれぞれが座った。私は一番右側の一番前の席になった。
すると先生が教卓の所に手を置くとこう言った。
「私が担任のアレス・ティーナだ。校長先生も言っていたが先生のほとんどはお前たち視点で言うと『異世界の者』だ。慣れないことが多いがよろしく頼む」
さっきまでよく見ていなかったが今見ると凄く美人の女の先生だ。
ていうか校長先生そんな事言っていたのか。全然知らなかった。
顔が完全に日本人と変わらないからてっきり日本人とばかり思っていた。
そう思っている間に先生が色々と説明していた。
「まずお前たちに検査室に行って検査を受けてもらう。まぁ、検査と言ってもとあるチップを体につけて10分くらい眠ってもらうだけだがな。
その後、結果が出るからそれを聞いた後、訓練場に行って武器を選んでもらう。武器は色々あるから好きなものを選ぶと良い。何か質問がある者はいるか?」
すると生徒の1人が手を挙げてこう質問した。
「先生、検査ってなんの検査ですか?」
「それは口で説明するよりも行ったほうが早いだろうな。まぁ、大雑把に言うとすればお前たちに力を与える、って事だ」
先生がそう言うとクラスのみんなが少しざわついた。周りを見てみるとみんな楽しみにしている感じがよく伝わってきた。
まぁ、力を与えると言われてわくわくするのは分からないでもない。当然、私もその1人だ。
すると私は教室の一番左下、私の一番遠い距離にいる退屈そうに座っている一人の生徒が目に入った。
同じ年齢でもこういう事に興味を示さない人もいるんだなと思いながら私は先生の後に続いてみんなと一緒に検査室へと向かった。
ーー検査室ーー
検査室に着いた後小さな菱形のチップが配られた。
「そのチップを体のどこでも良いから付けろ。ただし一度つけるともう取れなくなるからふざけたりしないように」
そう先生が言った。
私は左肩あたりにチップを付けた、
その後少しの間寝て起こされた時に検査をしていた人に結果を言われた。
「貴方は弱ければ弱い程、強くなれる力、『弱体強化』の力が備わっています」
もうちょっとネーミングを考えて欲しかったな。弱体化してるのか強化してるのか分からない様な矛盾した感じになってるよ……
「それと貴方の身体能力ですが……あまり大きな変化はありませんね。強いて言うなら反射神経と勘の鋭さあたりが良くなっています」
と検査の人が言う。
このチップ、身体能力まで向上させてくれるんだ。とか思っていた私の驚きはどこかへ行き、それはもう勇者なんてなる前に死んじゃうよ……。というショックに変わっていた。
みんなの検査が終わった後、訓練場に行った。
ーー訓練場ーー
そこには大きな台があり、その上に様々な武器が並べられていた。
すると先生が言う。
「みんな、この中から好きな武器を選ぶと良い。ただし、武器は人数分しかない。
つまり…………早い者勝ちだ」
そう先生が言った瞬間、私を除いたクラスの全員が一斉に武器に向かって走っていった。
私も慌てて武器のところに走る。
みんなの足の速さは異常なまでに速かった。個人差こそあるがみんな常人とは思えない速さで走っている。
私が武器のところに着いた頃には武器は残り二つしかなかった。だがそのうちの一つも取られてしまった。それを取ったのは先程、教室で退屈そうに座っていた人だった。
その人は他の人達がどんな武器かを試しているなか、すごく興味なさそうに壁に寄りかかった。
そして私に残された武器はただ一つ。それは……
ごく普通の剣だった。
「この学校って色々最新技術を使ってるはずなのにただの剣っておかしくない?」
私は誰にも聞こえない声でそう呟いた。
ふと、先生に目を向けると私をいや、正確には私の剣を見ながら難しい顔で何か考えている。
この剣に何かあるのだろうか。
でも、何を試してもやはりただの剣だ。私の気のせいなのかな……?
「全員、自分の武器がどんなものか試せたか?試せたのなら自分についているチップに武器をかざすと武器を収納できるからそれで武器をしまってくれ」
と先生がみんなに声をかけた。
全員がしまい終わるのを先生が確認すると先生が大きな声でこう言った。
「では、これより試験を始める!」
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