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元お助けキャラ、死んだと思ったら何故か孫娘で悪役令嬢に憑依しました!?  作者: 冬野月子
第7章 黒猫

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02

(シャルロット視点)


「こんにちは」

 図書館を出て、帰ろうと門へ向かっていると声をかけられた。


「……こんにちは」

 そこに立っていたのはアドリアン殿下の従者、セベリノ様だった。

「すみません、少し話がしたいのですがいいでしょうか」

「何でしょう」

「ここでは何なので、そうですね、中庭へ移動しましょう」


 私たちはよく私とマリアンヌ様が昼食を取る中庭へとやってきた。

 ここは人目が少なく、建物に隠れるような場所にあるので秘密の話をするのにちょうど良く、ゲームでもイベントスポットとなっていた。



「先ほど、図書館にいらしたでしょう」

 ベンチに座るとセベリノ様が尋ねた。

「はい」

「司書のカイン・バシュレと何か話していましたよね。マリアンヌ様のことでしょうか?」

「見ていたんですか」

 私はセベリノ様をじっと見た。

 この人はゲームではいつもアドリアン殿下の後ろにいて、でもモブだったから見た目とかあまり意識してなかったけれど。


「……確かに似てますね」

「え?」

「カイン先生と」

 アドリアン殿下ほどではないけれど、この国では珍しい褐色の肌に目がいくから気がつかなかったけれど、その顔は確かにカイン先生とよく似ている。


「ああ。そこまでご存知なのですね」

 一瞬鋭くなる眼差しも同じだ。

「『リリアン様』のことも知っている……あなたは一体、何者なんです?」


「リリアン様の友人です」

「それだけですか」

「はい」

 満面の笑みで答える。

「秘密を共有できる間柄なんです」

「……そうなのですか」

「それで、図書館で何を話したかでしたっけ」

 共通の前世の記憶を持つなど、リリアン様も他の人には知られたくないことだろう。

 私は話題を元に戻した。


「大したことは話してませんけど、一つ分かったことがあります」

「分かったこと?」

「あのひと、元のマリアンヌ様が好きですね」

 マリアンヌ様のことを話すあの表情と口調。――あれは、特別な感情を抱いている顔だ。


「マリアンヌ様を?」

「はい」

「そうですか……」

「痴情のもつれ、というやつですかね」

「……それにしては、あの時の光……あれは大掛かりな魔術が展開された時の光だ」

 独り言のようにセベリノ様は呟いた。


(大掛かりな魔術ねえ)

 この世界の魔術がどういうものかはよく分からないけど、魔法陣とか描いたのかな。


 カイン先生が、マリアンヌ様に対して魔術を使ったとして。

「マリアンヌ様も……自分に魔術をかけられると知っていたのかもしれませんね」

 私の呟きにセベリノ様がこちらを見た。

「どうしてそう思うのです?」

「あの事件が起きる前日、マリアンヌ様に殿下とは別れるってはっきりと言われたんです。言い切るということは、殿下と別れるためにマリアンヌ様の意思で魔術を使った可能性があるんじゃないかと」

「――そのことは以前、リリアン様とも話しましたが……」

 セベリノ様は考え込むように視線を落とした。


「別れるための魔術か……」

 王侯貴族の婚約は、そう簡単に解消できないとリリアン様が言っていた。

 でも魔術を使えばどうにかなるんじゃないだろうか、それがどんな魔術かは分からないけれど。

「で、結果マリアンヌ様の魂が……消えたのか移動したのか分かりませんけれど、代わりにリリアン様の魂が入ったと」

「魂の移動」

 セベリノ様が顔を上げた。

『そうか、魂換術か』


「え?」

 聞き取れない言葉を呟いたセベリノ様に首を傾げる。

「禁術の一つで、死んだ魂を呼び出したり別の身体に移す術があるんです」

「そんなことができるんですか」

 まるでファンタジーな……ってここはファンタジーな世界なのか。


「カイン・バシュレが伯母から黒魔術を学んでいればできるでしょう」

「そうなのですか」

「ありがとうございます」

 セベリノ様は立ち上がった。

「おかげで道が見えてきました。またご協力をお願いすることもあるかと思いますので、その時はよろしくお願いします」

 そう言い残して、セベリノ様は立ち去っていった。

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