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別れと誕生
その日は普通に仕事を終えて、次の日の休日の昼まで思う存分寝ようと意気込み愛車に乗った。
地方都市では車が必須であり、私自身車の運転は好きで苦ではない。
家まであと1キロ。信号を待っていると、前から反対車線の車が減速せずに走ってくるではないか。まずい。
そう思った瞬間正面からぶつかってきた。
そこで私の意識は途切れてしまった。
なにかふわふわしたものに包まれている。
そう気づいたら、次の瞬間私はそこから飛び出していた。
「おんぎゃー、おんぎゃー」自分の泣き声だと認識した瞬間青い眼、金髪の母と思わしき女性と目があった。
「なんて、可愛らしい。あなた、見て。」
これまた、金髪でエメラルドグリーンのような目をしたイケメンと目が合い、
「あぁ、なんて愛らしいんだあ」と言っていた。
私は無意識に生まれ変わったことと、美女とイケメンの子どもであり今世は勝ち組だなぁと心の奥で思ったのだった。
助産師らしき女性の言葉を聞くまでは。
「おめでとうございます。元気な王子殿下がお生まれになりました。鳴き声も立派で王妃殿下ともにお元気です。」