第四話
今回も話の進みは微妙でございます。
だいたい勢いで書いておりますので変なところが多いかも、、、
優しい気持ちでぜひ読んでいってください。
少し開けた森の中、湧き水の流れる泉に頭からつっこんでいる人影が一つ。
「、、、んぐっ、ごくっ、、、、、ぶはっ、げほっげほっ、、ふぅ、、」
俺は川の水を盛大に飲んでいた。それはもう、まさしく浴びるように。
薄暗く少し肌寒い、そんな森の中でも数時間にわたって歩き通せば自然と体は火照り汗もかく。
そんな中で見つけた水源。
見つけた勢いのまま突っ込んで行ってもおかしくない。
しかし俺は、そんな無謀なことはしない。
川などの生水はそのまま飲んではいけないものがある。
そういったものを飲めば腹痛を引き起こしたり、場合によっては寄生虫におかされる。
と、ほんの知識で見た。しかもここは異世界だ、危険度はこちらの方が高いだろう。
そのことを意識していたおれは、まず上流に上って行った。
すると歩き始めてすぐに水源、水の発生場所に行き着いた。
それは高い岩の崖の真ん中あたりから湧き出していた。
その小さな滝の降りる根元には教室一つ分ほどの池ができていた。
そこから流れ出ていたのが、さっきの小川だった。
その池には、さまざまな草食動物らしきものが水分を補給しに来ていた。
それを見た俺は、一気に駆け出して頭から水に突っ込んで行った。
そしてさっきの場面というわけだ。
動物たちが飲んでいるのを見て安全な水だと判断してのんだが、
「今まで飲んだ水よりも十五倍はうまかったな、体調に変化はないし水に変な効果は無いな。」
異世界の湧き水ということで警戒していたが、考えすぎだったかもしれないな。
「まぁ、念のためにステータスの状態を確認しとくかなっと。」
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《ステータス》
・名称・ ユウ フタバ
・称号・ 異世界人 持たざる者
・スキル・
・魔法・
・状態・ 四肢損壊(左腕) 負傷(中) 一時的ステータスアップ(小)
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うわ、左腕の怪我が損傷から損壊になってる。
変化がよく分からないが悪化していそうだな。
傷口は多少ふさがって、血は止まっているが、傷口を洗えたりしていないしな。
しびれも一向に治らない。もしかしたらこのままってことも考えておかないとな。
後は、ステータスアップ?なんでこんなものがあるんだ?
バフ、だとは思うんだが、なぜかかってるのか分からん。
思い当たるところだとさっきの湧き水ぐらいだが。
やっぱり異世界の湧き水はそういった効果があるのか?
まぁいいか、効果が切れた後にもう一度飲んで確かめよう。
さて、飲み水も確保できたし、次はどうするか。
と、考えていると背中側のほうから光が差した。
それは朝日だった。
木々の隙間から自分の存在をこれでもかと主張しながら現れる太陽。
見え始めた朝日にかぶるように飛び上がった竜のようなものが、広大な森に響き渡るように叫びを上げた。
森からは鳥たちが一斉に飛び立ち、風が川をさかのぼってこちらに向かい吹く。
あまりにも幻想的な光景に俺は柄にも無く感動していた。そして、それとともに恐怖していた。
こんな過酷な状況で生き残れるのだろうか、また人間としての生活に戻っていけるのだろうか、と。
それに反発してだろうか、俺はあることを決意した。
「絶対に生き残ってやる。勝手につれてこられてほっぽりだされたこんな世界、自分のしたいことをし尽くさなきゃ割に合わない。本来俺は自分勝手なんだ、こっちだって勝手にやらせてもらうさ。」
そんな思いを胸に俺はまた歩き出した。
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「とはいったものの、歩き詰めでくたくただし、知らないうちに徹夜してて眠い、どうしたもんか。」
このまま眠ってしまいたいが、どんな危険があるか分からないのでうかつに野宿もできない。
「とりあえずはこの泉の近くを探索するかな。食料と仮拠点になりそうな場所をさがすかな。」
眠たさを頭に水をかぶることで振り切り探索を始める。
泉や川の場所が分からなくならない程度に歩き回る。
しばらく歩いていると、崖沿いの地面に朽ち果てた縄梯子のようなものが落ちていた。
見たところ長さは無く千切れているもののように思える。
崖の斜面の上のほうを見てみると洞穴のようなものと、そこからぶら下がるこれまた朽ち果てた縄梯子があった。
「縄梯子があるってことは誰か人がいたってことだよな。」
朽ちているので時間が大分たっていると思うが、ここら辺の情報が手に入る可能性もある。
何とかして登ることはできないか、と周りを見回してみると洞穴の入り口の横あたりにもたれかかるように倒れている大木があった。
あの木によじ登っていけば中に入れそうだが、片手しか使えない今の俺に登ることができるだろうか。
まぁ、無理そうならば他の方法を考えればいい、とりあえずやってみるか。
倒木の根元に行き上り始める。
すると驚いたことにするすると登っていける。
すべての枝を上りきって洞穴に入る。
なぜ簡単に登れたのかと考えると、さっき見たステータスアップのことを思い出した。
「小でこれだけ変化があるのか。あの水はこれからも使えそうだな、何とかして持ち歩きたい。」
と考えつつも洞穴の中を見回して行くと、中はそれなりに広い空間で、トラックの荷台ぐらいの広さがある。
その中にはさまざまな道具が散らばっていた。
さび付いたナイフや少し厚底のフライパンのようなもの、壊れているであろうランプにぼろぼろのカバン。
誰かがここで生活していたと思われるが、相当昔に出て行ったきりなのだろう。
まったく手入れされていない道具たちはこのままでは使うことはできなさそうだった。
おおきな木箱があったのであけてみるとそこにはのこぎりや鉈などの道具がたくさん入っていた。
だがこれらも手入れ等されているはずは無く、さび付いていたり刃こぼれしていたりと使い物になりそうに無かった。
諦めてふたを閉めようとしたときに、その奥のほうに銀色の輝きが見えた気がした。
俺は恐る恐る工具類をどけていった。すると、木箱のそこには真新しく見えるナイフがあった。
茶色にさび付いた金属類の中で、刃渡り二十センチほどのそれは異様な雰囲気を帯びていた。
そのナイフを手に取り、詳しく見てみようとすると、目の前に一つのウィンドウが現れた。
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・名称・ セルフリペアナイフ
・能力・ 自動修復 技術増加(小)
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名前そのまんまだな。
しかし納得だ。長いこと放置されていたはずのナイフがこんなにきれいなのは修復し続けていたからか。
このナイフはすごく便利だぞ、鍛冶屋なんて無いこの森の中では圧倒的に優れた能力だ。
技術増加というのも気になるが確認の仕様が無いのでとりあえず放置だな。
よし、どうせ誰もいないんだ、拝借して行こう。
その後も俺は物色し、この洞穴の中は安全そうだということが分かり、ここを仮拠点にすることを決めた。
まだ使えそうな縄梯子があったので新しくかけなおす。
さっき確認したところステータスアップの効果は切れていた。
時間が計れなかったのがつらいな。
片手と足でゆっくりとはしごを降りて行き次は食料を探しに行く。
さっきナイフを調べたときに出たあのウィンドウ、あれはきっと詳細表示の効果だと思う。
うまく使えば食べられるものが分かるかもしれない。
俺は食べられそうなものから、一見食べられなさそうなものまで片っ端から調べて行った。
異世界の森は危険な植物なども多いが、食べられるものも多かった。
見たこともない食べられる植物に興奮した俺は、食材集めに没頭していった。
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周囲の探索と食材集めを休み無く行いしばらくたった。
洞穴にあった布に、食べられるものや使えそうなものを包んで体に縛り、川に戻って行く。
川の中にはいろいろな生き物がいた。
魚もいれば甲殻類もいた。そのほとんどが食べられそうなものだ。
俺は荷物を置き、袖を口でくわえてまくりやる気たっぷりに川に入って行く。
水中にいるカニのようなエビのような生き物を片手で捕まえようとするがうまくできずに暴れまわる。
全身をムラ無くぬらした後に捕まえることができたのは二匹だけだった。
洞穴で見つけた使えそうな水筒に湧き水を入れ、布で荷物をひとまとめにして背負う。
気がつけば少し日が傾き始めていた。
「しまった、食料探しに夢中になりすぎた。早く洞穴に戻って夜のための準備をしないと。」
俺はあわてて仮拠点、、、にする予定の洞穴へと歩き出した。
お読みくださりありがとうございます。
次回は来週の金曜日更新になります。BBQ回(謎)を予定しております。
感想、アドバイスお待ちしております。