第一話
予定していた時間よりも大幅におくれてしまいました。
大変申し訳ありません。
次こそ、金曜日に投稿いたします。
・・・・・・まぶしい
しかし、何も見えない
俺は今、眠っているのだろうか
眠る前の記憶が曖昧だ
本当に眠っているのだろうか
自分がどんな姿勢をとっているかもわからない
深いまどろみの中にいるようでいて、意識だけははっきりとしている
これはいったいどんな状況なのだろうか
俺は、さっきまで電車で、、、そうだっ!!、魔方陣がでて、それで、
「異世界へ、ってとこだねえ。」
誰かの声が聞こえる、どっちの方向かもわからないし、やけにエコーがかかっていて声の質もわかりづらい。
男の声であることは、かろうじて認識できた。
しかし、内容はいまいちつかめない。
異世界?そんなまさか、小説の中の話じゃないんだから。
そもそも、俺はそんな場所に行くことを望んでいない。
そういうのは、真に望んでいるものが招かれるべきだ。
そう、たとえば身近なところでいうと沙耶だな、あいつならきっとよろこんで行くだろう。
「その娘なら、もう先に行ったよ。覚えてないのかい?」
先に行った?異世界に?それよりも俺は今、口に出していただろうか?
「ここは神の間だし、ボク自身神だからねえ。それくらい造作もないよ。」
なるほど、こいつは何を言っているんだ、まったくわからん。正体不明の存在が自分のことを神だといっている。
胡散臭いとしか思えないが、状況的に信じてしまう要素が強い。
「多少失礼な感じもするけど、まぁいいとしよう」
完全に心を読まれているが、それはもうおいておこう、今は詳しい説明をしてもらうのを待つべきだ。
「うんうん、話が早くて助かるよ。まず君には異世界に行って貰うよ。ちなみにこれは確定事項だし、理由とかも無いから受け入れて諦めようね」
こいつの話し方は少し癪に障る、が、いやと言わせない強さも秘めている。ここは、素直に受け入れておくしかないだろう。
「本当に君は楽だねえ、君以外の人共は文句多いし、納得まで時間かかるし、説明しても理解できないしでだいぶ長引いちゃったよ。」
ふむ、すこしわかってきたな、電車でのことも思い出してきたぞ。俺以外にもこの場所につれてこられたのか。
「そうゆうこと、そのせいで君の対応が最後になってしまったんだよ、ごめんねえ。」
そうか、確かに俺は、少しの間だが、意識が失われるのを耐えていた。それで、ご案内の順番が最後になったと。
「それで、残念なことがいくつかあってね、おこったりしないでよお、めんどうだからあ。」
内容にもよるだろうが、聞いてみないことにはな。
「えっとねえ、まず、異世界に行くにあたって、僕たちから祝福ってのが送られんだけどねえ。」
いわゆる、スキルやらチートなどと呼ばれるもののことだろうと思う。
「そおそお、それなんだけどね、、、きみにはないんだ。」
、、、ふむ、、、え?、、、まじかぁ、ちょっと期待してて恥ずかしいな。
「お、怒ったりしないんだねえ、よかったよ。まぁ、厳密には無いんじゃなくて、ボクの祝福を与える権限が切れてしまったんだけどね。」
それはつまり、俺のささやかな抵抗と、他の人たちへの対応が原因でもらえなくなってしまったと、、、わりと自業自得だな、納得するほか無いだろう。
「物分りがよくてたすかるなぁ、君は、今回の召還の中でとってもイレギュラーな存在なんだよお。」
それほどまでに俺は、異世界への拒否反応が高かったのかも知れんな。
「そうなんだよお、下手したら元の世界とこっちの世界、どちらにも弾かれて存在が消えてしまうところだったんだあ。がんばって調整したことに感謝してもらいたいなあ。」
そこまでだったとは、それは申し訳ないことをしてしまった、素直にありがとうだな。
「君はやさしいなあ、がんばったかいがあるってものだよお。でも、そんな君にもうひとつだけ、謝らなきゃいけないことがあるんだよお。」
もうひとつか、、、むこうにいってからの、言語への補正がない、とかだとだいぶつらいものがあるが、、、なんだろうか。
「言語については安心して、きちんと設定しておいたから問題はないはずだよ。ただね、あっちに送るときの転送場所がね、」
転送場所についてか、町などから遠いところだったりするのか?まぁ、仕方ないだろう、町の方向でも教えてくれれば問題ないんだが。
「そのお、場所がね、えっとねえ、、、」
急に歯切れが悪くなったな、そんなにやばい場所なのか?
「やばい場所っていうか、なんというか、、、ランダムなんだよ、完全に。」
な、なんと、ランダムと来たか、予想外だったな。だが、それなら希望もあるんじゃないいか?運よく人のいるとこにいくかもしれないだろう。
「それは無いんだよねえ、人が近くにいるところに送るとなると、複雑な設定をしなくちゃいけないんだ。君も見知らぬ村人第一号と物理的には合体したくないでしょお?」
それは、ご遠慮願いたいな。だとすると、どうなるんだ?
「送られる場所でしょ?まず、人はほとんどいないと思うよ。しばらく文化的な生活は送れないだろうねえ。それと、この転移が終わったらボクはしばらく休まないといけないんだよ、少なくとも数年間はねえ。」
なるほど、一度向こうに行ったらサバイバル生活がしばらく続くだろう、それだけでなくスキルや、チートなどといった補正もなし、
送り主の自称神様からの支援もなしになる、と。かなり厳しいだろう。
「あ、ボクからの援助は無いんだけど、同僚の女の子がね、それはあまりにもかわいそうだ、ってことで最初ちょっとだけ面倒をみてくれるってさあ。」
おお、それはありがたい、まさに女神だな。できれば元の世界に帰りたいんだが、そうはいかんのだろうな。
「うん、もうねむいからさ、正直行っちゃってほしい。けど、そうも行かないから、後は同僚の子に引き継ぐからさあ、質問とかまだあったら、そっちのほうでお願いねえ。」
理解したが、だいぶ自分勝手な感じだな。そこまで、人のこといえないがな。
「そんなわけでえ、今から同僚のとこに送るから、地面感じたら目を開けてねえ、じゃあがんばってねえ、おやすみい」
その言葉とともに、感じていた神の存在感と、まぶたの上からでもわかるほどの強い光は消えて行った。
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そして、すこし湿り気を帯びた地面を背中に感じ、俺は、目を覚ました。
そこは、女神のいる大聖堂でもなければ、おおよそもとの世界とも思えない。
そんな、いかにも異世界なおそろしげな森の中にいた。
方向もわからず、目的地も、現在地すらもわからない。
暗闇に包まれ、獣の遠吠えすら聞こえる。
途方にくれることさえ許されない世界で、
孤独に囲まれた俺は、くすんだ空気を大きく吸い込んだ。
読んでくださりありがとうございます。
感想、ご指摘、ぜひお願いします。
次話の投稿は金曜日の夜を予定しております。
しばらくお待ちください。
なろう様のシステムをきちんと把握できていなくて、日をまたいでしまいました。
つぎは、ちゃんと予告どおりに投稿します!!