プロローグ
初投稿です
処女作でもあります
見切り発車の上ぐだぐだです
突っ込みどころも多いと思いますがご容赦ください
突然だが質問だ、皆さんには行ってみたい場所はあるだろうか。
都会、田舎、海外、宇宙、夢の国、人それぞれいろいろな場所に行きたいと思っているだろうし、あげればきりがないだろう。
しかし、どこにも行きたくない、という人も中にはいるのではないだろうか。
変化を好まず、平穏なまますごしていたい、そんな人もいると思う。
だがそういった人ほどさまざまな理由でいろいろな場所に行ってしまうものなのだ。
変化を望むものは、それをなすことができたにもかかわらず、それをよしとしない者を羨むだろう、妬むだろう、怒るものもいるかもしれない。
その人たちからしたら、俺はきっとうらやましく見えるのだろう。
何せ俺は、、、おっと失礼、自己紹介が遅れてしまったな。
俺はこの物語の主人公であり、後に「両利きの最優者」と呼ばれるようになる者、名は、、、、、
「・・・ぅ君・・・優君!!・・優君ってばおきてよっ!!」
「・・・んあぁ、あと五日だけ・・・・」
「いい加減おきてよっ、クラスの子みんな帰っちゃったよ、てゆうかそこは五分じゃないの?、もう、いつまで寝てる気なの優君っ!!」
「・・・来世まで寝てるから、そっちで起こしてくれ・・・」
このまったく起きる気配のない男こそがこの俺 双橋 優 高校二年の絶賛堕落ボーイだ。
そして、俺を起こそうと声をかけてくれているこの娘は俺の幼馴染の 宮園 沙耶 学年一の美少女だ。
「そ、それって、つまり、来世まで一緒にいたいってこと!?つまりプロポーズ!?ついに優君が私のことを、、、」
「ちがうからなっ!!俺はそんなロマンチック且つまわりくどい意味不明なプロポーズはしない!」
沈み始めた日が教室をオレンジ色に染める中、机に突っ伏して寝ていた俺は、沙耶の自己解釈ストーリーを即座に否定する。
沙耶はよく俺の発言を自分で都合のいいように変換してしまう。
この問題点をのぞけば、成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗、そして学校中の男子からモテモテときたもんだ。
告白されたことは星の数、そして断った数はそれとイコールでむすばれる。
つまり男たちは全戦全敗なのである。かわいそうに。
それもそのはず、なんせ沙耶は、、、
「もう、優君は意地悪だなぁ。わたしが優君のことどう思ってるか知ってるくせに」
「そんなこと俺は知らんな。」
どうも俺のことが好きらしい。
ちなみにだが、俺はよくある鈍感系主人公ではない。もちろん沙耶の気持ちには気づいていている。
が、俺にはこのことに関してどうこうするつもりはない。
なぜかといわれれば、その答えは一つだ、、、それは、、、
「まだ俺たちは子供だからな!!」
「高校二年生で子供だから恋愛しないって、すごくめずらしいとおもうけどなぁ」
「そんなことはない!!逆に俺からすればクリスマスだバレンタインだとはしゃいでるカップルの方が異常に思えるがな。」
「はぁ、これについてはしょうがないから優君が答えてくれるまで我慢するよ」
「そうしてくれ、さぁ帰るぞ沙耶、日が暮れてしまう」
「優君がずっと寝てたからこんなに遅くなったんでしょ、勝手なんだから」
「俺が自分勝手な性格なのは沙耶も理解しているだろう?」
「そりゃぁ、幼馴染ですからっ」
誰かが聞いていれば怒りを覚えるだろう会話をしつつ、俺たちは帰路についた。
「優君、そういえば最近ラノベとか買った?」
「ああ、一昨日にな」
「ほえー、それってもしかして前貸してくれた異世界召還系のやつの新刊?」
「ああそうだぞ、まさか沙耶が異世界物にはまるとはな」
「だって面白いじゃないっ、スキルの組み合わせで最強になったり、不遇職から成り上がったり、主人公がいろんな人と成長していくのって見ていて爽快だし、すっごく憧れるの!!」
「そ、そうだな、憧れるな、うんうん。」
「そーなんだよ!!、いつか私も異世界に行ってみたいなぁ、それでね、スキル選択でねあんまり人気がないのを選んでね、うまく使って強くなってね、たくさんの困ってる人をね、
そのスキルでね、助けるんだっ!!」
「な、なるほどな、うんお前の気持ちはよくわかったぞ」
驚きだが沙耶は意外とオタク気質だ、俺もそうだがここまで異世界へのおもいは強くない。
だが、沙耶のこういった子供らしい一面をおれは好ましく思う。
そりゃあもてるわけだ、と思いながら俺たち電車に乗り込んだ。
「優君は異世界に行きたいとか思ったりしないの?」
「そうだな、俺は行きたいとは思わないな。」
「えー、どうして?優君も異世界物の小説すきでしょ?」
「読むのは好きだが、別に行きたいとは思わん。」
「そっかー、こんなにいきたいって思うのは私だけなのかな?」
「そんなことないんじゃないか、誰しも一度は思うことだろ。俺が特殊なんだと思うぞ。」
「そうかなー、まぁどうせかなわない夢だし、どっちでもいいけどねーって、なにこれ?」
突然に沙耶が会話を切り視線を向けたのは、電車の床だった。
いや注目しているのは沙耶だけではなかった、電車内の俺たちを含めたすべての人が足元をみおろしていた。
床が突然光りだしたのだ、こんな状況で気にしない者などいないだろう。
しかもただ光っているだけではない。
光の筋が幾何学的に広がり乗客全員の足元に伸びている。
この光を見てはじめにこう思う者は多いだろう、
これはまるで、まるで、、、
「魔方陣みたい。」
そう、まるで魔方陣、いや、まさしく魔方陣だ。
この状況からこれから起こりそうなことなんて古今東西一つしかないだろう。
「異世界召還だっ!!」
そうかもしれんが沙耶よ、よくこの状況で楽しそうに声が出せるな。
乗客の皆さんが唖然としていらっしゃるぞ。
と思っていると車両の前のほうからざわめきが聞こえた。
「何事だ?・・・人が、倒れてる?」
前方をよく見ると数人倒れているのが見えた。
「え、優君、これって異世界召還じゃないの!?」
「それはわからん、だが倒れている人がいるのは事実だ、っておいおいさらに増えていってるぞ、前のほうから、こっちに向かって?」
倒れていく人の波がこっちに近づいてくるにつれて、だんだんと意識が水に沈んでいくかのようにかすんでゆく。
「・・・優君、さきに、行ってるよ・・・」
「沙耶っ!!おい、しっかりしろっ!!」
沙耶はうれしそうな笑顔を浮かべたまま眠るかのように気を失った。
「くそっ、このままだと俺もやばい。」
俺は限界が来る前に動き出した。
唇を血が出るほど強くかみつつ、倒れていく人の波とは反対に駆け出した。
隣の車両へのドアをあけようとするが、なぜか硬く閉じられていて開かない。
ほかの窓なども開かないようになっていた。
「なんなんだよこれ、くそ、、もう、限界だ・・・・」
そうして、大勢の乗客を乗せた電車は、意識のあるものを一人も運ぶことなくトンネルの暗闇に包まれていった。
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