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58話 『今夜はゆっくりしていこう』

更新が遅れて申し訳ございませんでした!

次週からしっかり毎週末更新に戻ります!

 誰がどう見ても変な戦いが終了した後、私たちはマグさんに、「今夜はゆっくりしていきなされよ皆のしゅう……」と言われた。もうだいぶ暗かったから、お言葉に甘えて今日は泊めさせていただくことに。

 ちなみに私たちは建物の中にすぐ入ったが、お兄ちゃんには私が地面に張った氷を溶かさせている。

 私は館に入ってすぐ、スリルさんにプリンをお願いする。お兄ちゃんばっかりはずるいからね。

 スリルさんは軽く辞儀をして台所に直行した。水の中にある冷蔵庫の中にあるプリンを取る気持ちってどんな気持ちなんだろう。調理をする気持ちなら分からなくもないけれど……そもそも、冷蔵庫の冷気ってどこから供給してるんだろう。

 そういえば、この世界に来てから色々と不思議な事や異世界なのに嫌にシュールなものとかあったけど、現実みたいに発電所あるのかな? それとも電系統の魔法で電力を供給しているとか? まんまぴかちゅうやないか!

 と、そんなことはどうでもいいし気にしたら負けなので、私はゆっくり大部屋に入って椅子に座りながらゆっくり待つとしよう。マグさんの言葉通り。

 少し経ってから、スリルさんが紅茶とプリンを人数分持ってきた。全部で四個ずつ。プリンのおかわりはできないと言われた。端から全員分しか作っていなかったのだろう、お兄ちゃんが自分のプリンを食べたから無くなってしまったんだと私は思った。

 ……私のプリンををお兄ちゃんにあげれば、何か一つ言うことを聞いて貰えるかもしれない。そうだなぁ……可愛いペットが欲しいなぁ。

 ……うん、猫ちゃんが欲しい。猫って可愛いよね! 絶対に癒されるよね! 私家でも飼ってないからそう思うんだけど、ツイッターとかで猫ちゃんの動画見ると、めちゃんこ微笑ましくなれるんだよね!

 ま、ここでプリンをあげたところで聞いてくれそうにないし、自分の分は自分で食べてしまおう。


「プリン美味しいねー」


 メルちゃんが、プリンをスプーンで少しずつ掬って食べながら言った。


「ほっぺが蕩けちゃうね」


 私がそう言うと、メルちゃんが驚きながら大声を出した。


「ほっぺは蕩けちゃダメだよ!」

「いやいやほっぺ自体は蕩けないよ!?」


 メルちゃんには今度表現の仕方を教えてあげよう。ただし、宝石箱は無しとして。


「帰ったぞー。疲れたぞー」


 それから時間がだいぶ流れ、二十一時頃、やっとお兄ちゃんが帰ってきた。腰に手を当てながら帰ってきた。低い洗い場で汚い雑巾を水で洗ってきたかのような疲労感なのだろうか。それとも長時間イスに座らせられた後の疲労感なのだろうか。

 大袈裟に扉を開けたかと思いきや、静かに扉を閉めて、私と反対側の席に座った。その直後にスリルさんが紅茶を持ってきて、お兄ちゃんの前に置いた。長年の従事職の成果なのか、タイミングがバッチリだ。まさか、この数日だけでお兄ちゃんの行動力の低さを見抜いてしまうとは。もしかして天才なのかな?


「あ、お帰り。お疲れ……ご苦労様でした」

「全くとんでもない仕事させたのに、何で若干上から目線なんだ。というか言い直すなよ」

「そりゃあ自己責任ですし……何か色々魔法使ったから疲れちゃってさ。丁度お兄ちゃんに魔力回復薬渡していたからいいかなって思って」

「よくないよくない」


 マグさんは私たちの会話を聞きながら笑顔で紅茶を飲んでいる。メルちゃんとマグさんは動き疲れてしまって眠いのか、さっきから頭をカクっとさせたり、目を少しの間閉じたりとしている。

 確かに、主に動いていたのは魔法を斬って消滅させていたカグラさんと、特攻隊長メルちゃそだから無理もないだろう。


「メルとカグラさんはもうお風呂に入って寝た方がいいんじゃない? 明日は早い出になりそうだし」


 マグさんが苦笑いをしながら言うと、メルちゃんとカグラさんは静かに頷いて立ち上がり、体をぶらぶらさせながら部屋を出て行った。

 私たちは寝させてくれないんだ……もしかしたら話したいことがあるのかもしれない。


「で、お二人さん。少し話したい事と聞きたい事があるんだけど、どっちからがいい?」


 どっちも同じなんじゃないの……?


「どっちからでもいいです」


 お兄ちゃんが言った。


「じゃあ聞きたい事から話すわ」

次話も宜しくお願い致します!

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