表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/232

54話 『現実味』

更新が遅れてしまい申し訳ございませんでした!


 マグさんがカードを五枚また解き放った。


「お兄ちゃん! 右上!」

「おうよ!」


 お兄ちゃんがファイヤでカードを速攻で焼く。さすがエイムだけは素晴らしい!

 私も続いて、覚えたてのアクアーでカードを消す。

 魔法使いのはずのメルちゃんにも手伝ってもらいたいところだけど、メルちゃんの魔法は火力が足りないから、正直使っても全く意味が無い。それにマグさんの近くに杖が置きっぱなしだから、対処法が何にも……。うーん、とりあえずメルちゃんは守るしかないか!

 カグラさんはカードから放たれた魔法を持っている剣でぶった切ったり跳ね返したり、忙しい。

 私は一応機転を利かせて、光魔法か闇魔法の発動される、紫や淡い黄色のカードを水で消す。


「まさか私の魔法製紙の弱点を知っているなんて……なかなかやるわね!」


 マグさんはとんがり帽のつばを掴みながら、目を半開きにしてふふっと笑った。

 この人が何を言っているのか、今の私には分からない。

 どう考えても、分からない。

 マグさんが自分の才能とは言わずに魔法製紙という理由が気になって仕方がない。


「いやだから、さっき自分から……」

「はいはい、私になんて気を取られてると死ぬわよ!」


 私の近くに氷の刃が飛んできた。それは地面に突き刺さり、すぐに砕け散って消えた。

 恐らくわざと外したのだとは思うが、あの速さは本気で殺しにきている。話を変えるのが下手ではある。

 マグさんは次々に持っているカードを五枚ずつ四方八方に放す。防御は最大の攻撃とは言うが、防御だけしてては埒が明かない。

 マグさんがカードを放す瞬間に魔法を一発……!

 私はマグさんがカードを飛ばした瞬間に、瞬間速度の速い、サンダを一発マグさんの方に放った。

 しかし、マグさんは山札からカードを何枚かすぐさま取り出し、盾として私が使った魔法を打ち消した。

 早い……! これが歴戦の結果というものか! ステータスほぼ無いはずなのに!


「まだまだ未熟……でも、覚えたての魔法の割にはなかなかセンスあるわ!」


 あれ……? 何で私が魔法覚えたてなのを知っているんだろう。マグさんはあの時出掛けていたはずだから、私が修練している様子を見ていないと思うのだけど……

 もはや私にはこの戦闘の意味が理解できなくなっていた。

 そして、防御防御を繰り返していくうち、ついに、マグさんの山札が切れた。


「また作り直しか……! ほんっとめんどくさ!」


 マグさんは長めのため息を吐き、今度は集中してカードを作り始めた。

 自分でもめんどくさいって分かってて使ってたのね……

 私は、今だ! と思い、カグラさんに指示を出す。


「カグラさん、マグさんにカードを作らせる暇を与えないように突っ込んでいただけませんか!」

「わっち!」


 カグラさんはよく分からない返事をしてマグさん相手に刀を振る。

 この光景を現実で見たら、私は怖くなって、速攻百当番通報をする前に逃げてしまう気がする。

 マグさん視点で見たらどんな感じになるのだろうか……


「ぬわっ、ちょっ、危ない! 銃刀法違反または殺人未遂、当たったら傷害罪でパミル警備課に訴えるわよ!」


 マグさんは突然斬りかかってきたカグラさんに驚き、カードの生成をやめ、刀を必死に避ける。

 何でそこだけ異様な現実味を帯びているのかはよく分からないけれども、一応押しているみたいだ!

 ここから一気にたたみかけてしまおう!


「お兄ちゃん! 容赦はしちゃいけないよ、マグさんにファイヤを撃ちまくってやろう! 一応魔力回復薬はたっぷり持っているし、ほぼ無くなることはないからなんぼでも撃てるよ!」


 お兄ちゃんは、「おう!」と言ってマグさんに魔法を撃ち始めた。

お兄ちゃんの口数をとことん減らしてみました。

もっとお兄ちゃんに良いタレント持たせれば良かったなぁ…なんて思いません。

次話もよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ