50話 『裏の裏は裏』
やっと新しいの更新できました…長い1分でしたね。
『ま、まさかこの世界での1分は、現実での720時間(約1か月)なのではーーっ!?』と、これ考えている間……何故だか、とても疲れましたヽ(´ー`)ノ 何というか、アh(ry
また、来年の4月まで、1週間に1話ずつ更新にします! 改めてよろしくお願いします!
「さあ、戦いを始めるわよ!」
マグさんが自分の杖を片手に持ち、私たちの方に杖の先端を向けて、大声で言った。
ついに戦いが始まる。
だけど、いきなり始めるとか言われても、いざ勝負となると思考が止まってしまう。
例えるのであれば……学校の試験の直前とか……緊張か、もしくは直前になって色々考えちゃうからなのか……
って、いつの間にかマグさんの姿が無い! まさかステルスでもうどこかに消えた!?
数秒前まで確実に目の前にいたはずのマグさんが、消えていた。
私が元世にいた時、アニメを見たり、ゲームをしたりして、いつも思っていたのだけれど、緊迫したシーン、あと数秒で殺される的な場面の時、主人公の心の中でもう数秒で殺されるというのに、呑気に走馬灯だとか何とかって言って、二、三分くらい回想シーンが入るけど、あれ実際になると、やっていられな……
「もう何十秒か経っちゃってるけどどうすればいいの?」
メルちゃんが杖を構えながら私に訊いてきた。
ほらやっぱり! 私の心の中での話くらい数秒くらいで片づけてくれたっていいじゃない!
「とりあえず、マグさんのステルスが時間悔過で解けて、山札が全部作られた瞬間に行動しよう」
私がそう言うと、カグラさんが空を見上げながら刀を構えて、「どうやら相手は待ってくれないらしいぞ」と言った。
カグラさんが見ている所を見ると、いつの間にか三枚のカードが浮かんでいた。
……私自らフラグを建ててしまったのではないだろうか。変な事思わなければよかった。
「あれ、お母さんカード作りながらカード使えるようになったんだね」
メルちゃんが両手を口の前で拡声器の様に広げて、大きい声でマグさんを呼ぶように話した。
「そうなのメル! すごいでしょメル! 結構練習したんだよメル!」
屋敷側からマグさんの声が聞こえた。
語尾全てにメルが付くってどんな症状なの……
というか、あれ……? 何で長机が花壇の前に置かれているんだろう……それにスリルさんとセナさんがイスに座って……ん!?
そういえばセナさん今までどこ行ってたの!? ご飯は!?
「お母様そこかぁぁぁ!」
メルちゃんが物凄い剣幕でマグさんがいるであろう方向へと物凄い勢いで、杖で殴りかかりに行った。
ちょっ、当初の私の計画はっ!?
ああもう、色々とゴチャゴチャになってしまった。
しかし……見事な誘導尋問だ。
「ちょっ、メル!? それズルくない!?」
マグさんのステルス状態が終わったらしく、やっと姿を現した。
メルちゃんは杖を縦横無尽に振りまくって攻撃をする。その杖をマグさんは華麗に避けている。
まるで全てを見切っているようだ。これは、年の功……なのかな?
まあでも、魔法を発動する暇ができなくなっているみたいだし、これはこれで結果オーライということにしておこう。
……というか、一体何なんだ、この変な真剣勝負。
ああ、それもそうだけど、もう一つきにしなきゃいけないことがあった。
唖然としているお兄ちゃんとカグラさんを置いて、椅子に座っている二人に近寄った。スリルさんはため息をついていたが、なぜかその隣にいたセナさんは、机の上に充電式のマイクをスタンドの上に置いて、今から実況を始めるかのような準備をしている。
「あの、セナさん。今までどこ行ってたんですか? それと何準備しているんですか?」
セナさんはせっせと準備をしながら私に答えた。
「気づかれないように、スッと図書室にワープして、勉強してました」
「……何で?」
「そういえばここマグの住処じゃん、って思って」
ああ、そういえば、精神的なトラウマがあったんだっけか。
ウサギのぬいぐるみでありながらも、セナさんの苦笑いが本人が前にいるように、繊細なまでにリアルに聞こえる。
「……それじゃあご飯は?」
ぬいぐるみの口元が少し汚れている。私はこれを見て、「あ、こいつコッソリ食ったな」と思った。
「なつめさんたちが修練している間、コッソリ台所で余り物を頂戴したよ」
「やっぱり」
セナさんは頭を小さな手で掻きながらまた苦笑した。
「大体分かったけど、じゃあ今準備しているものは何?」
セナさんは掻いていた手をいきなり自分の前に出し、丸い手でガッツポーズをした。耳はピンと経っていて、やる気に満ち溢れているような感じがした。
「そりゃもちろん、こういう熱い戦いっていうのは実況欲しいでしょ? だから持ってきた! ほら、某ゲームでも『〇〇が△△に何ダメージ!』的なのあるでしょ? あとは、サッカーとか、バスケとか、実況って場を盛り上げて熱くしてくれるじゃない? だから私もやってみたくなって!」
どこから発生している光かは分からないが、光はぬいぐるみを照らし、目にキラキラとしたハイライトを作った。
「普通にナレーションで良くない?」
「……マジレス」
……うざ。
私は振り返って、マグさんとメルちゃんの戦況を見た。
メルちゃんが若干押しているらしい。どんどん隅っこの方にマグさんが追いやられている。
しかし、メルちゃんは少しずつ疲れているらしく、杖の振りが段々と遅くなってきた。そして、今まで華麗にメルちゃんの攻撃を避けていたマグさんがにやりと笑った。
「メル、あなた、もう疲れているでしょう?ちゃんと自分の力量を知ってから、自分よりも強いものに立ち向かわないと、これから苦労するわよ?」
メルちゃんは最後に大きく杖を振り下ろして、息を上げた。かなり疲れているらしく、汗が大量に出ている上に、杖に全体重を乗せて何とか立っているように見える。
——まさか、これを狙っていたというの……?
(マグはまだまだ本気でない模様…?)




