148話 『再会』
再開します!
やっと再開できます!(`・ω・´)
これからは9月中旬まで毎日更新でやっていきますね! 遅れた分を取り戻すのです!
――目が開けられない。
目は覚めたのだけど、目が開けられない。
私が倒れてからどのくらいの時間が経ったのかな。
それに、無事の辿り着けたのかな。
そんなことを考えていると、左耳から誰かの声が聞こえた。
「……聞こえますか……聞こえますか……あの、これで3004回目なのですけど」
以前、というか昨日、シルスさんが話しかけてきた時みたいだ。
この耳を柔らかな手で撫でてくれるような優しい声。
「……聞こえますか……聞こえますか……3005回目です」
ちょっと面白そうだから、まだ返事をするのはやめておこう。
「聞こえますか、聞こえてます? あの、3006回目ですよ? そろそろ起きるってあの人たちが言っていたのですけど、なんで一日中普通に呼びかけても起きないんですか?」
今の私に質問されても困る。
そもそも、一日も寝ていられるほど疲れていたんだ。
あれだけで……。
「うーん、シーゼルの身体も休ませないといけないし、私も寝ましょうかね……」
そう言い、しばらくしてから、完全にシルスの独り言は全く聞こえなくなった。
「すぅー、すぅー」
隣から寝息が聞こえる。
どうやら本当に寝てしまったらしい。
私は重たい瞼を少しだけ開いた。
見た先には、シルスが布団をかぶって、気持ちよさそうに寝ている姿と、時折滑らかに動く壁、そして、木箱や毛布などの荷物が地面に積み重なって地面に置いてあるのが見えた。
この景色、あの夜に出かける前にも見たことがある。
あのテントに帰ってきたんだ。
あの、えーと、うーんと、そう、シルエさん!
エミさんとか、ガイザーさんとか、あとは……あの双子!
名前なんだったかな、結構一週間以上も経つと、あんまり喋っていない人のことは忘れちゃうな。
マミさんとかは凄い印象深く残っているんだけどなぁ。
なんでだろう。
セナさんは存在自体を忘れるし。
そういえば、お兄ちゃんは大丈夫かな。私がいなくなって、謎の自責の念で自分自身を押し潰していたり、また引籠ってたりしてないかな。
私は瞼を降ろし、ため息を吐いた。
お兄ちゃんは毎回、自分のせいでもないのに、何故か自分のせいのように考えて勝手に落ち込んで、暗い思想観念やら妙な被害妄想をずらずらと言葉で並べて、周りの雰囲気まで暗くする。
ここではそうなってないといいけれど……。
そろそろ起きようかと思い、身体を動かそうとすると、多大なが電気が一気に体に流れてきたかのような激しい痛みが襲ってきた。
「……!」
声は出せなかったが、今まで重かった瞼が一気に開いた。
私は痛みのせいで動けず、結局目を開けずにはいられなくなり、そのまま時が流れて行った。
このまま何もできないという、インフルエンザにかかって熱が引いた後に布団にずっと入って休み続けている気分。
ただ今回の場合は、関節痛とかそういうレベルじゃなく、筋肉が悲鳴を上げている。
本当に何で一日で起きるって算段を……いや、もしや、目が覚めても筋肉痛で移動できないという意味を込めての「起きる」、だった……とか?
なんで私にこの一番重要なことを伝えてくれなかったのか。
「あ、目が覚めましたか」
マミさんの声がした。
いつからいたのだろう。
「有志、見ていました。お疲れさまです。私も手を貸したかったのですが……そのエルフの子が捕らえられていたとは思ってもみませんでした」
見ていた……。マミさんならできるかも。
「では、これだけ置いておきますね。筋肉痛に即効く『ラクナミン』です。エルフの子には別の薬をあげたので、後で1000ギフいただきます」
押し売りだ……。
「では、これからもよろしくお願いいたしますね」
私の目の前に一つのビンが、光と共に現れた。
丁寧にカタカナでラクナミンと書いてある。
背後にいた、マミさんの気配は一瞬のうちに消え、どこかに行ってしまった。
筋肉痛のせいで動かせないんだから、飲ませてくれたっていいじゃん。
超ドSじゃん。性格悪いなぁ。
文句言ってでも仕方ないし、少し筋肉痛がおさまったら飲ませてもらう事にしよう。
次話もよろしくお願いいたします!
そして、ありきたりな設定かもしれませんが、新たな小説も投稿予定です……!
ちょっと言っておくと、異世界転移系のお話です。魔女の話で、割と展開が早い物語なので、この話よりかは読みにくくはないと思います。
この話は流れが遅すぎて酷いので……笑
そろそろ流れを早くしていきたいところですね。
書き溜めが少しあるので、これと同時に更新できると思います。これからもよろしくお願いいたしますねー!




