144話 『大きな勘違い』
今回文章酷いので、今度から集中して書ける環境で只管に書こうと思います。
そうだ、なんか私の創った魔法全部消す的なことされてた。
ちょっと待ってよ。それじゃあ私の良い所ほぼ無くなるじゃん!
本当に回復魔法しか使えないんじゃ、ただのヒーラーじゃん……。
まぁ本職なんだけど……。
こうなったら融合魔法で決着をつけるしかない。
それも、シルスさんに被害を与えないようにする魔法の融合を……。
風風+火火はダメ。
あれだと、今あのでっかい怪物惹きつけてる三人とシルスさん含む地面に生えている枯草と転がってる石を焦がしてしまう可能性がある。
また構成を考えなきゃ。
とりあえず、まず考えるべきはシルスさんを離させること。
シルスさんに被害を加えない上で、手に直接ダメージを与える……。
一番良いのは水。アクアーとアクアーの組み合わせ。
ただ、それだけだとダメージなんて与えられない。アクアーと何かを併用して……。
……そうだ、ファイヤを組み合わせれば――!
「姉貴!」
「ねえちゃん!」
「あねさん」
『頼むから早くしてくれ!』
三人が戦いながら息を合わせて私に言った。
やるしかない。
威力を増させるためには、ながーい詠唱があった方が良いって、どっかの魔法使いが言ってた気がするけど、今はそんなのしてる暇ない。
エルフの一人と純粋な女神さまの命がかかってる。
「アクアー! ファイヤ!」
魔法玉の作り方はもう慣れた。
魔力も完全に回復してるから融合魔法は使用可能。少なくても十分なんだけど。
アクアーの必要MPは3、ファイヤも同じで3……。
融合魔法はどれくらいの倍率で使用する魔力が増大するんだっけかな。
大体13倍だったかな、いやそれはアクスフィーナ家の一歳だっけ。
いや今はそんなことはどうでもいい。私は今、やるべきことをやらないといけない。
中でメラメラと燃え滾る炎が入っている珠と、世界の綺麗な海にありそうな、青く澄んだ水が半分くらい入った珠を、神経を集中させてゆっくりと繋ぎ合わせる。
……球は青く輝きを放ち、一つになった。
水の中で炎が燃え盛っている。
なんて幻想的なんだろう。
最近、水の中でも消えない大量の線香花火を、一人で黙々と作業をするかのようにやってた夢を見たから、やけに意識して見れる。
さて、使い方は知らないけど、とりあえず、使っちゃおう!
私は球を掌に載せて翳した。
「お湯発動!」
珠を強く握ると、砕け散り、粉々になった後、ポットのようなアイテムが現れた。
……!?
な、なにこれ。
新アイテムというか新発見というかなんとも言えない感じが……。
と、ともかく使ってみよう!
私は宙に浮く銀のポットを手に取って、左右へと揺らしてみた。
中に液体が入ってるみたい。たぶん、水かお湯か……まぁ今までの過程的に考えてお湯でしょうけど。
えー、これを下に向けると……。
お湯が出る。
……。
違うでしょ! そうじゃないでしょ!
もっとこう、お湯を高圧洗浄機みたいにババーッと出す感じじゃなかったの!?
こうなったらこれを直接アレにぶつけるしかない! というか、今はそれしか使い道がない!
私は大きく振りかぶって、そのポットを全力で、怪物めがけて投げた。
案外直線的に飛んでいったそのポットは、運良く怪物の手に当たり、鏡が割れるようなパキーンという音を鳴らして、中にあったお湯が一気に溢れ出た。
と思ったら、私の顔程の大きさだったあの小さいポットから、湯煙と共に大量のお湯が辺りに飛び散った。
『ガァァァァァァァ!』
怪物は耳を劈くような叫び声をあげ、手からシーゼル(シルス)を放した。
効いてる! もしかしたら、熱湯に弱いのかもしれない。
「あつい! あついですー!」
シルスさんにも熱湯がかかってしまった。
でもこれは事故。
あとで慰謝料請求されても、このシステムのせいだから、私は知らない。
いうならセナさんに言ってもらうように後で伝えておこう。
他の三人組は、素早く熱湯を避けたらしい。
シーゼル(シルス)は涙を浮かべて走ってきて、私の後ろにすぐ隠れた。
次話もよろしくお願いいたします!




