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109話 『カフェテリア』

更新が大幅に遅れて申し訳ございませんでした〜!

パソコンが壊れデータが紛失、悪夢ですよ、あれ。外付けハードディスク買ってきたので、今度からはそれにデータを入れておくようにしようと思ってます。あ、今はスマホからの更新です! 少しの間そうなるかもですが、よろしくお願いします!

町はこれでもかという程の賑わいを見せていた。町の入り口から出口が見えるから、小さな町というのは間違いではないのだろう。しかし、小さな町という割には人が多く行き交い、栄えているように見える。もしかしたら、この町は、高速道路でいう、パーキングエリアのような休憩所かもしれない。


「わー、小さな町なのに、相変わらず賑わってます」


マミさんが辺りを見回しながら、そう言った。


「相変わらず……って、マミさんここに来たことが?」


マミさんは私の顔を見て二度頷いた。


「ここは、パミルに来る前に寄った町なんです。あ、そうそう、散歩がてら、私のオススメのお店に行きましょう」


私が話す間も無く、マミさんに今後の動向を決められてしまった。ただでさえお金がなくなってきてるというのに、何ということを……。私の分まで支払っていただけるというのであれば、そのご厚意に甘えたいけど。お金のことは特にガメツイからなぁ、この人。絶対払ってはくれないだろうな。


「そういえば、マミさんって、探偵なんでしたっけ?」


私がそう訊くと、マミさんは立ち止まり、目を点にして私の顔をまじまじと見てきた。

あれ、私なんかおかしいこと言ったかな。


「なつめさん……。今更ですか? 私をなんだと思ってたんですか!」


マミさんは突然怒り出し、ポーチの中から様々な道具を取り出して、私に見せてきた。


「真実が見える虫眼鏡! 事件丸わかりブック! 透かしメガネ! 個人情報印刷機! それに、私のこの格好! 他にもまだまだありますよ!」


まだまだ道具は出てくる。国民的人気アニメのように適当に出てくる。たしかに、鹿追帽や、目の下に片方だけつける小さいメガネみたいなアレもあるから、そこは探偵に見えなくもないし、カメラも足音が消える靴も、尾行に向いてるし調査にも向いているから強ち間違いではないんだけど、知らない人が見たら、ストーカーが持ちそうな道具一覧にしか見えないだろう。


「分かりました、分かりましたから。確認で聞いただけですよ」


マミさんは黙り込み、顔を赤くして「それならそうと早く言ってくださいよー」と、右手をひらひらさせながら言った。それから、出した道具を全てポーチにしまい込み、立ち上がった。


「さて、私のオススメのお店、すぐそこなので、早く行きましょう! そこで話しましょう!」


マミさんは私の手を引っ張って走り出した。


「ちょ——」


私のことは御構い無しに、多くの観葉植物が店前に飾ってある、カフェに辿り着いた。そして、そのままの勢いで店内に入っていった。店の名前は、看板があったものの、見ることができなかった。


「いらっしゃいませ、何名様ですか?」


息切れする私の手を離し、その手で指を二本立てた。


「かしこまりました。では、こちらにどうぞ」


マミさんは私を置いて歩いていった。どこまで自由人なんだろう。

店員さんの服は、緑色のエプロンにワンピースのように長くて白い服。他の店員さんも女性しかおらず、全員同じ格好。ということは、これが制服なのだろう。後ろには大きなリボンが付いていて、とても可愛らしい。

それにしても、ここの店員さん、みんな耳が鋭く長い人が多い気がする。もしやエルフ? 可愛い人多いし、みんな清楚な感じで、とても良さげな雰囲気。


「申し訳ございません。カウンター席でよろしいでしょうか?」


マミさんは落ち着いた様子で「はい」と答え、席についた。


「お冷やを持ってきますので、そちらのメニュー表をご覧になっていてください。また、お決まりになりましたら、お声をお掛けくださいますよう、お願いいたします」


私も席につき、『お品書き』と書かれた紙が付けてある、堅くて軽い木製のメニュー表を手に取り、紙を一枚ずつめくった。


「私はこの『ヤーセパフェ』と、オレンジジュースにしようかな……」


マミさんにメニュー表を渡そうとすると、受け取ったものの、すぐにメニュー表を元の位置に置いた。


「私はもう決まってるので」


そしてすぐに、店員さんがやってきて、お水を木製のトレーを乗せてやってきた。


「ご注文はお決まりですか?」


眼鏡をかけた、先ほど案内をしてくれた店員さんが、メモ帳とペンを取り出して私達を見た。

おそらくこの人、私達が注文を決めてから来たのだろう。眼鏡をかけて、注文が決まっているかも分からない状態でメモを取り出すあたり、それが証拠である。


「えっと、私はこのヤーセパフェとオレンジジュースでお願いします」

「私は『トゥルケーキ』でお願いします」


店員さんは慣れたペン裁きで文字を書き起こし、すぐにメモを取り終えた。


「かしこまりました。すぐにご用意いたしますので、少々お待ちください」


店員さんは、意味ありげにその場で垂らしていた長髪をゴムで後ろに結び、足早に去っていった。

……あなたが作るのか……。


「ここ、店員さんの対応が非常に面白いんですよね。エルフはとても頭の良い種族なのですが、絶妙にズレてるところが多くて、好きです。見えないものに縛られていない感じで」


なるほど……。これがマミさんの気にいる理由の一つか。私もこういうのは嫌いじゃないので、結構気に入っている。


「それじゃあ話しましょうか。私のお話を」

次話もよろしくお願いします!

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