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引きニートの兄を更生させるために異世界転生  作者: 桜木はる
第1-1章 【妹の救済とバイト】
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6話 『レベルとスキル!』

☆5話のあらすじ☆

新しく仲間になったメルと共になつめを救いに【フィレスの森】へ!



※ここからは第1章の1番目のストーリーです。なので第1-1章。

(マ◯オでいう1つのマップの1ステージ目という風に捉えてください。分かりづらくてスミマセン(。-∀-))

 やっと町の外に出てきたが、どんだけ広いんだこの町は。外に出るまで、あのパン屋から歩いて十分もかかるとは……

 町から出て、俺は初めて広大な平原を目にする。

 奥を見渡すと、ちょこんとフィレスの森らしいものがあるくらいで、他に周りには何もない。地平線が見えるくらい何もない平野だった。

 そういや、イリアさんからスキルの事について教えられたが、俺はどんなスキルを使えるようになるのだろうか。しかし皆無となると本当に何もないとかありそうだが……


「ここらでレベリングをしよう!」


 ウサギが言った。


「フィレスの森はこの平野よりも少し強い魔物が出てくるから、3レベルくらいにはしておかないとキツくなる」


 確かにオーガという強い奴がいる森なら強い魔物はいるだろう。だったら尚更レベル三でいけるのだろうか。


「どうやってレベル上げるんだ? 俺は武器ないし」

「メルさんお願いね」


 メルはうんうんと頷く。何かウキウキしているように見えるのは気のせいか……

 まぁ旅を始めたばかりの頃はこんなもんだよな。俺は現実世界でRPG系統をたっぷりやっていたから、こういう旅の始まりっぽいのは慣れている。

 ただ、実際に自分の体で戦闘をするとなるとなかなか緊張はする。

 殺されてしまったらどうしようとかある。


 ……この世界には蘇生魔法的なものはあるのだろうか。


 というのも、いつもゲームをしてて思うのだが、死んだ後に蘇生して復活させるゲームって、途中モブキャラとかが病気とかで死んだとしても復活させる事ができるんじゃないか? 

 大体のゲームは主人公たち以外死んだら終わりみたいなものなのに、主人公たちは何で死んでも蘇生が効く。そういう主人公補正なのか、もしくは主人公以外のモブキャラには蘇生が効かないのか。

 まぁそんな事言っちゃうと死って何だろうなって思っちゃうんだけども。


「あのゴブリンの群れを倒しましょうか!」


 ウサギが指差す方向を見ると、ゴブリンの群れがある。上半身裸だし、体緑色だし、変な帽子かぶってるし、背中には棍棒背負ってるし。


「いやいや、あれはさすがにメルだけじゃ……」

「やりますやってみせます倒します!」


 あの群れ……大体十匹くらいだぞ。

 俺らレベル低いし人数的にも敵わないのに勝てるのか……? 


「私が惹きつけるから、ここに来た瞬間に攻撃してくださいね!」

「り!」


 メルは例の如くパワーアップを何回も何回も自分に唱える。


 ウサギはゴブリンの群れに突っ込んで惹きつける。その間メルはMPが尽きるまでパワーアップを唱える。そして攻撃。

 作戦は簡易的だ。


「強化完了です!」


 メルが大声でそう言うと、ウサギが耳をハート型に変えてこちらに向かってくる。

 恐らくハート型にするのがウサギなりのOKサインなのだろう。


「今!」


 ウサギが惹きつけたゴブリンたちを、メルが「ぶっとべー!」と大声で言いながら、次々と杖で打撃を与える。

 これが通常攻撃ですか。ゴブリン全員が遥か彼方に飛んで行きましたけど。


「いやー吹っ飛んだねー。大体四十二キロメートルくらいはぶっ飛んだねー」


 フルマラソンかよ。


「やった! 初めて魔物を倒した!」


 初めて……? 

 じゃあ何で元々レベルが二だったんだ?

 普通はレベル一から始まるもんじゃないのか? 


「なぁ、メル。初めて倒したって言ってたけど何で最初から二レベルだったんだ? 普通モンスターを倒さなきゃレベルは上がらないはずだろう」


「ザトールに来る途中に、ゴブリンにいきなり襲われて、危なかったところを助けてもらったの。凄い強くて美人な女剣士さんにね。その時倒してくれてレベルが上がったってこと。でも名前は聞けなかったなぁ。すぐどこかに行っちゃったし」


 ほぅ……女剣士なんているのか。様々なゲームをして来ている俺でも、女剣士は正直あまり見たことはない。この世界でも珍しい方なのだろうか。


 ——あれ? そういやレベル上がったのか? 

 あまり変化を感じないのだが……あの、某キャラが顔を変えた時みたいに元気百パーセントになんてならないし……ステータスとかが上がるとかそういう分かりやすい演出はないのか? 

 いや、そういえば、ブックがあった。ステータス表示で見てみよう。

 ステータス表示のアイコンをタッチする。

 目の前に自分のステータスがすらっと現れる。


「ステータス……レベル三に上がったのにあまり変わってないんだけど……」


 物理攻撃力は+三、魔法攻撃力は+二、防御は+四と、微妙すぎる上がりようだ……


「まぁ最初はそんなもんよ。で、スキルは覚えてないの?」


 そうだ。スキルだ。俺が一番見たかったのはスキルだった。

 スキルは……スキルは……ん? 

 ステータス表示の右下の方を見るとスキルの事が書いてあった。


《新しく覚えたスキル》

 ・マイマインドエフェクト


 ——


 な、何だ……このヘンテコな名前の長いスキルは……? 


 「これは……自分の心の状態を相手に伝えるスキル……とても珍しかったはず……何故このスキルをカナタさんが?」


 知るかよ。俺自身でさえ知らないんだから。

 首を振って分からないと伝えた。そして、何となくメルを見た。


「そうだ、メルはどうだ?」


 メルの方を見ると、メルは嬉しそうにそわそわしているのが見える。そんなに良いスキルでも覚えたのだろうか? でもメルのタレントは必中。名前からしてそこまで凄いスキルを覚えそうにないのだが……

 メルのステータス表示の新しく覚えたスキルの欄をひょいと覗いてみると、衝撃的なスキル名が書いてあった。


《新しく覚えたスキル》

 ・サイレント

 ・暗殺(常時)


 ——


 見た瞬間驚きのあまり「えっ!」と声を出してしまった。

 はっ! 魔法使いというかまるでアサシンじゃねぇか! こえーよ! てかなんでそんなにウキウキしてるんだ!? 


「私やりました! これで皆さんのお役に……!」


 立つ、必ず立つとともう。だが……

 タレントに徹するとはいえ、必中に暗殺って相性グンバツすぎるだろう。

 そういやサイレントって、


「なぁ、サイレントってどんなスキルだ?」

「サイレントは確か、自分の気配を完全に消すスキルかな」


 そうウサギが答えた。

 ……アサシンだ。まるでとかじゃなく、完全にアサシンと化している。

 って——メルはどこに行った!? まさか早速サイレントを使ってしまったのか?


「カナタ〜うしろだよ!」

「わっ! こわっ!」


 メルは嬉しそうにニコッと笑う。


「ふふ、これで敵に近づくときと完璧だね」


 まぁ、使えるは使えるかもしれないけど、仲間に対してはあまり使わないでほしいな……怖いし。

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