表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/23

変わり果てたララポット

「おい!お前!なんてことしてくれるんだ!死んでたかもしれないんだぞ!」

暁さんの手を握り返そうとしたが、信二がその手を払いのけ、胸ぐらをつかむ

「おっと。これは血気盛んなことだ。」

やれやれという感じに、暁さんは首を振った。

「何言ってるんだ。お前もわかってんだろ?この世界は弱肉強食。弱きものは文字通り食べられるってな。」

「くっ。」

信二はくっと唇を噛む。言い返されないのだ。それが真実だから。ついでにいうとこの世界では、正義の味方こそ先にゾンビになる。教室でもそうだった。友達を助けようと向かっていったものから死んだのだ。


「暁さん…。椿玲奈といいます。私達は塚山大学の学生です。今まで隠れて過ごしていました。でも、武器がなくて、ここまできました。もし良かったらここで生活したいと思ってます。」

私は頭を下げる。何故かわからないが、わかったのだ。この人は強者だと。ジャージ姿にボサボサの頭。パンデミックが起こる前までは、絶対に関わろうとは思わなかった人物に頭を下げる。生き残らなくちゃいけないから。信二とともに。


「そっちは?」

「小倉信二だ。信二でいい。」

ぶっきらぼうにそういうと信二はそっぽを向く。嫌い…なのかな?

「玲奈に信二か。改めてララポット対策本部隊長、暁源次郎だ。」

「本部とか隊長って?」

「 別にそんなに重要なもんじゃねーよ。ただのリーダーさ。」

暁さんはふっと肩を竦めてわらう。

「なあ、そろそろ教えてもらおうか。音楽なんかかけてゾンビをおびき寄せた理由を!」

「まあまあ、そうあせんなって。ちゃんと話してやるよ。ここを案内しながら…な。」

「物がいっぱい倒れてる…。」

キレイだなと思っていた植木鉢や、くつろぐためのソファーはゆがみ、ファッションブランドのお店はぐちゃぐちゃ。まるで、台風でも通ったかのようにひどい有様だった。

「ここには、24人の人間がいる。しかも、女子供ばっかだ。その中で、男性は俺を含めて6人。」

「6人?えらく少ないな。」

「パンデミック発生当時はまだいたんだ。そうだな、15名くらいか?平日の昼間だったから、少なかったが、従業員はいたしな。」

「出ていったか…。」

「そうだ、っと着いた。お前らはここで寝てくれ。開放的で悪いが。」

そこは有名なファッション店の中。そこに、敷布団が二つ置いてある。掃除はしたのだろう。床はキレイだが、ここで寝るとなるとかなり抵抗がある。でも…

「ありがとうございます。」

「玲奈、嫌だろうが、布団があるだけマシだと思おう。それより続きだ。」

「あ、そうだった。続きだったな。そうだなー。まずは俺がここに来た時から話した方がいいだろう。」

そう言って、暁さんは話し出した。あの日、9/13日にここで、何が起こったのかを。

少し短かったですね。

明日の7時には続き更新します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ