ララポット奪還2 アカツキ編
アカツキ視点
「くそっ。最低だ、俺は。」
俺はある決断を下さなければならない絶望的状況に追い込まれていた。
「で、具体的にはどうします?」
ララポットから西へ徒歩15分。森の手前にある古びた倉庫では、作戦会議がなされていた。
「知性あるゾンビは、恐らく声というか、
超音波が届く範囲のゾンビを操ってるのでしょう。でなければ、世界中のゾンビを操ることが出来るってことですからね。」
俺は、一つうなづく。もし、世界中のゾンビを操ることが可能なら、既に生存者は存在してない。
「俺、思ったんですけど、やっぱりそいつが俺らの存在に気づいて、わざと送り込んだんですよね?」
今井が、参加してきていう。
「そうだ。俺たちはできる限り、音も出さないようにし、最低限の光で過ごしていた。恐らく周囲のゾンビを狩っていたのが裏目に出たんだ…。」
俺は今更ながら後悔をする。屋根にスピーカーを設置し、ゾンビを狩っていたのは増えるのを止めるためだ。いつ、この辺りのゾンビが増えるか分からない。今のうちにと思っていた。
あいつらゾンビには知性がなかったから。
「知性のあるゾンビの居場所さえ分かれば…。せめて、体格が2倍あるとか、角が生えてるとかならいーのに。」
主婦の人が、かなり無茶をいってる。魔物じゃないんだぞ?知性あるってだけで魔王扱いかよ。だが、知性あるゾンビが分からないっていうのは厄介だ。
「向こうから出てきてもらったら、どうです?」
元カメラマンの女性が、地図を広げる。
「ララポットから、半径100m、ここに、星上に人を配置します。恐らく、たまっていたゾンビは一番近くでなっている音に集まろうとするでしょう。そして、知性あるゾンビは、その行動を…。」
「超音波で持ってやめさせようとする…。」
ポツリとつぶやき、彼女は一つうなづく。確かにこの方法だったら…。だが、全員が危険にさらされることとなる。
「どっちにしろ、ここにいても、餓死するだけです。一か八かやりませんか?」
俺はうなづき、片手をみんなの方向へ向ける。
「全員武器を持て!今からララポットを奪還する!」
「「はい!」」
こうして後戻りができない戦いが始まった。
「アカツキさんが、知性あるゾンビを倒してくれるそうよ!頑張りましょう!」
「俺がみんなを守るから。できれば武器を手に取ってほしい。」
「大丈夫だ。あいつらは人間じゃない。これは正当防衛だ。」
「私たちは美礼ちゃんのように強くはありません。でも、子どものためなら頑張れる。そうでしょ?」
「アカツキさんが、何とかするまでの時間かせぎ、いっちょやってやらー。」
それぞれが、違う意思をもって、戦おうとしている。きっとパンデミックがなければ、話すこともなかった人たち。俺らは生きる。ぜってーあきらめねー。
「それぞれ20分で指定の位置へ移動しろ。20分したら…何が何でもこれを鳴らすんだ。」
俺は一つのグループに2つずつ、防犯ブザーを渡していく。これは危険だ。もしかしたら、二度と会えない人が出てくるかもしれない。しかも結構な確率で。
「頼むぞ、お前ら。生きてまた会おうな。」
それしかいえない事がはがゆい。
「いくぞ。」
これほど長いと思った20分はない。俺は待機してる場所でうろうろする。音を鳴らす前に見つかって襲われることだって。
唐突に、びー と音が鳴る。よし、いくか。成功させる、絶対に。
「おりゃ。」
俺は近くにあるゾンビどもを一掃し、ララポットまではしる。既に、ゾンビは、散っており、そして、その真ん中には、吠えるような格好で、ただずむゾンビの姿が。
あれか!俺は水平に、金属バッドを振るった。
「はっ、避けた…だと!?」
ありえねー。今まで、さけられたことはなかった。
服を掴まれそうになり、逃げる。その間にも、超音波をだしており、周囲から集まってくる。銃に手を伸ばすが、それをしたら更に集まる…。
何度も何度も殴るが、その度に邪魔される上、普通のゾンビが邪魔して、前へ進めない。
「アカツキさん!」
気をひいてくれていた、5つのグループが、超音波によっておびきよせれたゾンビを追って集まってくる。
「来るな!」
「くそっ。」
俺は叫び、銃をとると、かまえた。
その動きは敵ながら見事だった。近くにいた、子どもを抱きかかえ、首に今にも歯を持っていきそうにする。
「あっ…。」
声を失った。マジかよ。その動きは、人質をとるという行動で…人間と変わらなかった。
「たけるー。」
お母さんが泣き叫ぶのを、周囲の奴がとめる。抑えられているのか、ゾンビどもが襲ってくることは無い。
まるで、ここで引けば、許してやると言われているみたいだった。
「なめやがって…。」
口ではそう言うが、俺は悟っていた。完敗だった。完敗。ゾンビ相手に負けたのだ。手を引くからと言って、ゾンビは子どもを返してくれるのか…?いや、絶望的だ。
唯一これを打開する方法は、これを投げること。俺は、ずっと持っているものを、そっと触る。手榴弾。
投げればここ一帯を一掃できる。
ゾンビになって死ねないくらいなら。
「そう、sing、sing、sing」
絶望的状況の中歌が聞こえた…。
ゾンビどもがそちらへ移動する。
「おっそいですわー。」
「はあ、美礼、はしゃぎすぎ…」
「やってやるっすね!」
「またつまらぬものを切ってしまった……。」
「智秋さん?それはパクリというらしいですわよ?」
懐かしの美礼、信二、仁志、それと女の子が。だとしたらこの歌は、玲奈だ。
「おりゃー。」
思いもよらぬ人物の登場に、驚いたのか、呆気に取られた様子の、知性あるゾンビをなぐり、子どもを解放する。
「アカツキおじちゃん。」
泣きわめくのを、抑え、母親にわたす。
「とどめ…さす。」
女の子が、知性あるゾンビの頭を切ると、完全に絶命した。
「みんな、ララポットの中へ!」
俺は、みんなを誘導し、中へ入らす。
玲奈の声に反応してくれてるおかげで、あとのゾンビを倒すのは楽だった。
美礼たちとともに、戦えるものは、ぶきをとり、一掃する。美礼たちが強いおかげで、なんとかなり、ゾンビの数は減った。しかも、知性あるゾンビが消えたおかげで、ここに呼ばれたゾンビどもはそれぞれ散っていった。
「終わりましたわね。」
「ゾンビ…玲奈に夢中……。」
信二がOKサインを出すと、音楽がやむ。
「たすかった。」
俺は素直に頭を下げる。こいつらがいなければ、恐らく…。
「いいっすよ。俺らも、アカツキさんに助けられたんで。」
仁志がそういう。
「そーいえば、お前らはどうしてここに?」
「ゾンビどもが移動してたんで、なんか、あると思って。」
信二が答え、納得する。知性あるゾンビが、呼んだのだ。
「玲奈もサンキューな。」
「いえ、アカツキさんが無事でよかったです。」
玲奈はニコリと笑う。
「あ、この子は、智秋ちゃんっていって、すごく強いんですよ。」
「ああ、見てた。驚いた。刀を扱えるんだな。」
「刀は…大事なもの。だから、大丈夫…。」
「俺は暁。よろしく。」
俺ちは握手をかわす。それだけで、こいつは、強いと思った。こいつの手は刀を持つ手だ。
「アカツキさんに、つたえたいことがある。」
信二が、ふっーと息を吐きだし、
「俺たちは東京にいく。」
と言った。
「おい、おい、マジかよ!?」
続きを言おうとして、口をつぐむ。都市部の方がゾンビが多い。まあ、人口が多いのだから当たり前だ。
言ってはなんだが、死ににいくようなものだ。
「わざわざ何故?」
「みんながやりたいことがある。俺は、日本におけることの始まり、青山病院を調べたいと思う。リベルテについてはある程度から、情報が集まらないからな。そのリベルテを追うたった一つの、情報も東京にある。」
俺は一つうなづく。確かにこいつら全員やりたいことがありそうだ。
なら言うべきことはひとつ。
「達者でな。頑張れよ。」
1人1人とこぶしをあわせた。
そろそろキャラ紹介でも入れよーかなと思ってます。次の話でS&D公開します!
可愛い曲に仕上がりました




