プロローグ
初投稿です。軽めのテイストになっていますので、ライトな気持ちで読んでいただけると嬉しいです。
(どうやら俺は、俗に言う「主人公」というやつになれなかったらしい)
俺の名前は描來悠真、自他共に認める、どこにでもいる高校生だ。
それはなぜか、まず個性というものに欠けている。最初は、自分のことを個性的だと思っていたが、時が経つにつれ、自分はどこにでもいる平凡な人間だと気づいてしまった。小学校でも中学校でも、そして高校でも、クラスの中心にはなれなくて、浮いた話もなく、ただ学校というものを満喫していた。
夢はあった、絵を描いてコンクールに入賞して立派な画家になってやると。でもそれも叶わなかった。中学のときは確かにコンクールに入賞した、銀賞だったけど。でもいろいろあって、今やただのモブになってしまった。やることもなく、そこらへんをフラついている。
(そうだ、図書室に寄っていこう……)
俺がなぜ、ゲーセンにもカラオケでも家でもなく、図書室なんぞに寄っていくのか、話は簡単だ。仲のいい友達から、ある本のうわさを聞いたからだ。なんでも開いたが最後、あの世へ連れていくという曰く付きの、呪いの本らしい。
バカバカしい、そんな本なんてさっさと処分してしまえばいいんだ。とは思うものの、あんだけ大仰に話されたら気にならないほうがおかしい。
(まあ、サクッと見て家でゲームでもしますかねぇ)
俺は少しだけ緊張しながら、図書室へと足を踏み入れた。
(どうやら私は、俗に言う「ヒロイン」というのになれなかったらしい)
私の名前は朝吹芽衣、自他共に認める、どこにでもいる高校生だ。私は、格好も地味だし目立つような行動ができない。だって緊張しちゃうし、それに失敗したらいろいろと言われちゃうかもしれない。
かといって、いじめられてるわけでもない。普通に友達はいるし、休み時間にいっしょにお弁当を食べたりもしている。ただ、親友と呼べるものはいない。小学校とか中学校で仲良くなった友達は、みんな別の高校に進学した。
だから私は、一人なのか違うのか、よく分からない位置に立っている。私が図書館にいるのも、家に帰ってもすることないし、かといって帰りに遊ぶような友達もいないし、暇だし、そんな理由でしかない。
(あ、そういえば、前に曰く付きの本があるって聞いたような……)
ここは私のホームグラウンドなのに、私が知らないうわさがあったなんて……、なぜか知らないけど負けた気分になる。
(下校時間までまだ少しあるし……、ちょっと読んでみたいな)
私は、その本を探すべく、椅子から立ち上がった。




