第8話 毒殺?〜レインサイド〜
ハルがアンドレアを探しに行った。そして、ハルは僕にイヴァンの検視を任せてくれた。だから僕は…….
「やっぱり致命傷がない」
エヴァがよく探しなさいよと喚く。僕だってこんなことやりたくない。普通は死体を調べるなんてやったことなんてないし、これからもそんなことをやる予定は勿論ない。
「ん?」
イヴァンの腕に何か小さい穴が開いていた。
「まさか、ここから毒薬を…」
毒なら致命傷もありえるが…犯人はまだ姿を現していない2人になる。でも何故イヴァンが殺されてエヴァは殺されていないのかが気になる。あと、
「もし毒ならどこで入手したのか?」
それが分からない限り犯人は2人にしぼられる。でも何かが引っかかる。なんだろう…
「もう行っていいよね?」
エヴァがイライラしながら、
「検視終わったようなもんでしょ?」
「そうだけど……」
「それにこんなところに長くはいたくないの」
「イヴァンが死んだのによくそんな態度がとれるね」
「ハァ?」
「行きたきゃさっさと行けよ。僕、エヴァの顔なんて見たくない!」
「あっそう」
そうしてエヴァは部屋を出た。
「僕は何てことを言ってしまったのだろう」
僕は物凄く後悔した。それがエヴァに言った最後の言葉だ。
「今は助け合わなければいけない時なのに」
そう僕は思った。そして、イヴァンの死体をまた調べた。すると、ズボンの右のポケットにイヴァンの物らしきケータイがあった。開けてみると新着メールが1件あった。
「イヴァン、ごめん」
僕はそう言ってその新着メールを開けてみた。そのメールの題名には
「10年前の真相」
どういうことだ?と僕は思いメールを開けようとした。その時、急に背後から鈍器のようなもので殴られて僕は気を失った。消えゆく意識の中で声が聞こえてきた。
「ハルを殺した」