第7話 致命傷〜ハルサイド〜
「この死体なんか変だよ」
レインがそう言った。何処が変なのか全くわからない。すると、
「死体触って調べるとかよく出来るわね」
エヴァが後ろでワーワー言ってる。そんなエヴァはほっといてイヴァンの死体を確認する。
「しかしこの死体…」
「どうした?」
「この死体、何処にも傷なんてないんだ」
「えっ?」
「だから、致命傷が分からないってこと」
「だったら何故死んでるんだよ?」
「分からない…」
致命傷がなくて人間が死ぬなんて毒殺ぐらいしか考えつかない。でも誰が毒を……そんなこと出来るのはエヴァしかいないよな・・・だとするとあの泣いていたのは演技か?でもあの泣き方は尋常じゃなかったしなぁ。
「そういえばアンドレアは?」
エヴァが唐突に言った。その言葉に俺達は驚いた。エヴァが続けて
「アンドレアだってこいつみたいになる可能性だってあるでしょ?」
やばい。完全に忘れてた。目の前のこの現状だけで精一杯だった。エヴァの言う通りこれはゲームなんだから犠牲者は増える可能性もある。それに俺達の知らない2人もいることだ。余計に心配だ。
「俺はアンドレアを探してくるよ」
「エヴァ、レイン後は任せたぞ」
「うん」
「分かったわ」
そう言って生気がないイヴァンを後にして俺はアンドレアを探しに行った。