第5話 最初の犠牲者〜エヴァサイド〜
大きな鐘の音がした。私はその音で目を覚ました。また電気が消えてるようだ。
「うっ」
まだ頭が痛む。そうか、私は急に頭痛を感じて気絶したんだ。でも・・・
「気絶する前に聞こえたあの声は?」
そう思いながらゆっくりと体を起こした。そして、電気をつけた。次第に目が明かりに慣れてきた。すると、右手に見覚えのないものがあった。
「赤い絵の具?」
いや、そんな筈はない。だってここには絵の具なんてなかった。目の前に赤い絵の具が溜まっている。ふいに自分の手に付いていた赤いのを匂ってみた。
「うっ…生臭い…」
その赤く溜まっている水は何処からできたのか?そう考えていると・・・
「ピチャ………ピチャ……」
水が落ちる音が聞こえた。
「この水が私の手を赤くしたのね」
そう思った私は水がどうやって落ちてくるか気になったので水が落ちてくる上を見上げた。そこにあったものは、
「イヴァン?」
それが何かを認識した時には私は無意識に
「キャーーーーーー」
私は力一杯叫んだ。なぜって?それは、変わり果てたイヴァンの姿が天井に貼り付けられていたからだ。
「どうして?なんでイヴァンが死んでるのよ?」
すると、ドアからドンドンと言う音が聞こえた。私は怖くなって耳を塞いだ。そして、ドアが勢いよく倒れた。そして、倒れたドアから部屋に入ってきたのはレインとハルだった。