第1話 ここは何処?〜ハルサイド〜
眼が覚めると仰向けに手足を縄で縛られて寝ていた。何も見えない真っ暗な部屋のようだ。それにとても生臭い。俺はどうしてこんな所にいるのだろうか? 確か俺は学校の友人達と肝試しで古い洋館に入ったはずなのだが入ってからの記憶がない。 みんなは何処に行ったのだろうか?とりあえずこの場からの脱出を求め周辺を探ってみる。
「ガタッ」
音を立て俺の手に当たったのはカッターだった。良かった〜これで縄を切れるはずだ。
「サクッ」
俺を縛っていた両足の縄は困難だったがなんとか切れた。 そしてすぐ立ち上がり部屋を探索を始めた。
壁を辿っていくと何かにぶつかったりしたがスイッチがあったので押した。それと同時に部屋が明るくなった。 真っ暗だったからか急に明るくなったので目が暫く見えなかった。
徐々に目が明るさに慣れて見えるようになってきたが
完璧に見えるようになった時俺は目を疑った。
「これはなんだ・・・」
部屋は全てが真っ白だったが部屋の中央が赤く染まっていた。
「これは・・・血だ・・」
俺は先ほど暗闇の臭いの意味が分かった。 さっきの臭いは血の臭いだったのだ。まさか俺と一緒に肝試し行っている奴らも同じ目にあっているのか?俺は急いで部屋を探索した。部屋から出られる道を探すために。 ドアはあるのだが鍵がない。鍵を探しながら俺は
「どうして俺はこんな目にあっているんだ?」
「他のみんなはどうなっているんだ?」
この2つの事しか考えが回らなかった。やっとの事で鍵を見つけ出した俺はすぐに部屋を出た。 みんなの無事を祈りながら。