第16話 「笑っていた」〜ハルサイド→イヴァンサイド〜
どのくらい泣いたのだろうか?それすらもわからないぐらい俺は泣いた。
アンドレアは体をバラバラにされて死んでいた。部屋を見渡すとバラバラにされたアンドレアのパーツが転がっていた。
でも、こんな時にアンドレアはきっと、
「なよなよするな!それでも男か?」
って絶対言うはずだ。もうこの言葉も聞けなくなるのか…… でも俺はアンドレアを殺した犯人を絶対に許さない。そして、最後にお前のところに戻ってくるから…
俺はそう思い部屋の出入り口と思われるドアに手をかけアンドレアの死体が転がる部屋を後にした。
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「グサッ」
「え…イヴァン?」
俺の方を見てそう言うとエヴァが倒れた。俺がハサミで刺したんだ。
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数分前に話は遡る。
俺は目覚めたら部屋のようは場所にいた。辺りを見渡すとエヴァがいた。エヴァを起こすと俺達は何がどうなったのかお互いに知っていることを話し合った。
そして俺は全てを思い出した。Sacrificeのゲームのこと。前のゲームで俺は殺されたこと。そして、このゲームで生き残るためには誰かを殺さないといけないということを。
そして、目の前にエヴァがいる。今こいつを殺さないと俺がこいつに殺される。
俺はこいつを殺すと決めて狂気のような物がないか探した。
そして、エヴァを起こした近くにハサミみたいなものがあった。
俺はそれを拾い刃先を向けエヴァに思いっきり刺した。
「グサッ」
「え…イヴァン?」
俺の方を見てそう言うとエヴァが倒れた。俺がハサミで刺したんだ。エヴァが最後に振り返った時にあいつは……あいつの表情は……
「笑っていた」