2 初めての魔法
「ふわぁぁ~おはよ~フィア~」
《おはようございます、マスターっ!》
「よし、さっそくだけど異世界に行こうか!昨日寝る前に気になってしょうがなかったんだよね~」
《早すぎませんか!? う~んでもその気持ちは分かるので、了解です!準備はいいですか?》
「ああ、準備は寝る前に確認したからね!」
《ああ・・・幼稚園児の遠足前夜みたいでしたもんね、あれ・・・》
「うっ、なんだかフィアの俺に対しての扱いが酷い気がするんだけど・・・?」
《気のせいですよっ!きっと!》
「う~ん、まあいいか・・・それより!異世界に行こう!」
《では!始めます!・・・》
そう言うとフィアは黙り込み・・・
≪ただいまより、プログラム『空間湾曲・次元間移動』の起動シークエンスを開始致します≫
この言葉の直後目の前の何もない空間が突如歪んだ
≪10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5≫
カウントダウンが進むたび歪みが大きくなっていく
≪・・・4・・・3・・・2≫
そして歪みは僕一人が通れるまでに広がった
≪・・・1・・・0≫
そして俺は歪みに飲み込まれるようにして
未知の世界、こことは異なる世界・・・異世界へと旅立った
こちらを覗いていた視線に気付かずに・・・
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side???
「んなっ!?ば、馬鹿な!あ、ありえん!人の身で・・・しかも召喚に巻き込まれたわけでもないのに世界を渡るものがおるとはッ!」
わしはいまとんでもないものを見てしまった・・・
数日前に異世界に勇者として召喚されたものが居た街をなんとなく覗いておったら召喚魔法の魔法陣が展開された付近の民家から召喚魔法に似た時空の歪みを検知した
こんな短期間で二度もわしの世界から魂を持っていく気か!と憤慨し、それを阻止してやろうと向かったがそこで見たのは魔法陣ではなく、男が掛けた眼鏡から発せられる空間と次元に干渉する電波と、発生した空間の歪みの前に嬉々として立つ男じゃった・・・
見えた光景に一瞬理解が出来ずにわしはただ、呆然と男が空間の歪みに飲み込まれるのを見ていることしか出来なかった
・・・しかしいったいなんだったんじゃろうかあやつは・・・たぶんじゃが眼鏡から発せられていた電波はあやつが組んだプログラムか何かなのじゃろう・・・だがどんな情報を基盤としたのじゃ?空間に作用する技術は地球にはなかった筈じゃし、そもそも未来にもそんな技術存在する予定はないぞ・・・いやまて、わしがここに来たもともとの理由は召喚された勇者の街を見に来たんじゃ。そしてあやつが住んでいたのは魔法陣が展開された座標の付近・・・これは偶然かの?いや、それはないじゃろう
つまりはあやつはたまたま付近で起こった魔法による空間の歪みをおそらく機械で観測し、そのデータを基にし次元間の移動を可能とするプログラムを組み立てた。ということなのじゃろうな・・・
まったくもって超人・・・いや怪物じゃの・・・
あやつは地球に生まれていい存在じゃないのう・・・あやつのようなトップクラスのレベルを持つ魂にそう何回も世界を移動されては2つの世界が両方とも壊れてしまうわい
ほれ、既に地球のあちこちで津波やら風速100メートルに迫る巨大ハリケーンなんかが起こっておるわい・・・
次にあやつが世界を渡ったときはおそらく・・・いや確実に人類は滅び、悪ければ地球が寿命を迎えてそのまま超新星爆発までいってその爆発により太陽の超新星爆発を誘発し第一宇宙ごと・・・下手すれば第二宇宙を巻き込んで消し飛ぶじゃろうな・・・
あまり人の努力を無に帰すのはしたくないんじゃがこれも宇宙のためじゃ・・・あのプログラムは封印するしかないじゃろう
しかしそれではあまりにもかわいそうじゃ・・・
だから餞別として、そして世界の法則を捻じ曲げたことに敬意を表して創造のスキルとわしの加護を送ろうか。ついでにあやつが今から行く世界の創造神にもあやつに加護を与えさせておくかのぅ
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side一斎
「ん・・・?」
俺はけだるげな感じとともに意識が覚醒した
微かに草の匂いが鼻腔をくすぐる。
匂いと体全体で感じる感触からしてどうやら俺は草原に倒れているようだ。
ふと周りの景色が気になり目を開け、立ち上がった
「お・・・おお~!」
俺の目の前には辺り一面草で覆われた何百キロにも及ぶ水平線ならぬ草平線ともいうべきものが見える広大な草原が広がっていた
俺の後ろの方には森も見えるがそれでも何十キロも離れている・・・といえば俺が立っている草原の広大さが伝わるだろうか
研究者として日々引き籠っていた俺だがこれでも昔は一通り武術を収めた身でもあるのでこのさわやかな天気の中修行の型をおさらいするのも悪くないかもしれないな・・・
そんな活発な少年がなぜ引き籠ることになったのかは自分でも甚だ疑問に思っている
・・・ん?そういえば何か忘れて・・・あ
「おーいフィア~」
《やっと呼びましたね!「あ」ってなんですか、「あ」って、こっちは呼ばれるのをずっと待っていたのに~!ひどいですよマスター!》
「うぅすまんな・・・この光景につい圧倒されてな」
《まあわからなくはないですが・・・ん?なんでしょう・・か・・・・え?え?どゆこと?・・・》
「ど、どうした突然。なんかあったのか?」
《え、ええありましたよ。とびっきり嫌な報告が。とりあえず聞きますが良い報告と悪い報告があるんですがどっちから聞きたいですか?》
「げ、まじか・・・う~んじゃあ悪い報告からで」
《了解です。マスターは地球に帰ることが出来なくなりました》
「・・・・・マジ?」
《マジマジ超マジ》
「うっそん」
《うそやないねん。ほんまやねん》
「どんな根拠があってそんなことが言えるんだ?」
《地球の神様からメールを受信しています》
「えっ・・・なんで?」
《なんでも、君のような強力な魂が次に時空を渡ったら地球がドカーンして太陽が誘発されてドカーンして宇宙が二個ぐらい消し飛ぶんだそうですよ》
「うはぁ、スケールがデカいな・・・てか俺スゲェ」
《マスターは計算で私とタメ張れてる時点で人じゃありませんよ・・・これでもスパコンより性能いいんですけどね・・・》
「えっと・・・じゃあいい報告は?」
《良い報告は地球の神様が「世界の法則を捻じ曲げたことに敬意を表し私の加護と【創造】のスキルを与えよう」ってことらしいですよ!》
「ふむ。スキル、そして加護か・・・ステータスオープン!」
《わわっいきなりなんですか、そんな大声で叫んで。幸い100キロ圏内に人がいなかったからよかったものの、突然ステータスオープンなんて叫んだら警察に直行でs・・・「フィ、フィア・・・ステータス出たわ・・・」・・・え?ええ!?ホントに出てる!どういう仕組みなんですか・・・これ・・・?》
「さ、さあ・・・?魔法でどうにかしてるんじゃないのか?それに異世界なんだし気にしたら負けだぞ」
《そういうことにしておきます・・・ん~それにしても何が書いてあるんでしょう?》
「どれどれ?」
***
名前・桔梗一斎
種族・現人神
レベル1
攻・500
防・500
敏・500
魔攻・500
魔防・500
魔力・10000
『スキル』・異世界言語・剣術Lv5・槍術Lv5・刀術Lv10・格闘術Lv8・弓術Lv10・特殊武器Lv5・調合Lv10・加工Lv10・研究Lv5・鍛冶Lv8
『特殊スキル』・神眼Lv--・高速演算Lv--・武術の達人Lv--
『ユニークスキル』・努力は必ず報われるLv--・創造Lv--
『固有魔法』【?】≪ロック中≫
属性
全・固有魔法(特殊)
加護
《始源神の加護》《創造神の加護》
称号
《奇鬼天の才》《異世界人》《現人神》《異世界到達者》《次元を切り開く者》
***
***
名前・フィア
種族・機械神
レベル1
攻・0
防・0
敏・0
魔攻・99999
魔防・99999
魔力・99999
『スキル』無し
『特殊スキル』・譲渡Lv--・魔法Lv1・高速演算Lv--
『ユニークスキル』・完全解析Lv--・解析結果限定習得(魔法系のみ)Lv--・記憶データ閲覧Lv--
属性
解析魔法(特殊)
加護《始源神の加護》《魔法神の興味》
称号《異世界の機械》《次元を切り裂いた者》《機械神》
***
「うわ〜なんか凄いな・・・」
《え?読めるんですか?マスター》
「え?読めねえの?」
《はい・・・ただの図形かなんかにしか見えませんね・・・》
「う~んたぶんこの異世界言語ってのが関係してるんだろうな・・・ってそうだなんでフィアのステータスまで表示されるんだ?それとも物にもステータスがあるのかな?」
《さあ?どうなんでしょうか》
「まあいいや。もっと重大なことがあったし」
《重大なこと・・・ですか?》
「ああ、俺とフィアが神になってたんだよ」
《ふぁあ!?神!?神ってあのビ〇ス様とかスーパーサ〇ヤ人ゴットとかみたいなあの神ですか?》
「あ、ああ・・・俺が現人神ってやつで、フィアが機械神ってやつだな」
《!デ、デウス・エクス・マキナ・・・な、なんかかっこいいぃ!》
「うお!?どうした・・・?そんなに嬉しかったのか?」
《それはもう嬉しいに決まっているじゃないですか。なにせ私は地球では機械に過ぎなかったのにここでは神になれたんですよ!》
「いわれてみれば確かにそうだな・・・よかったな!」
《はいっ》
「さて・・・ここからどうする?フィア」
《どうしましょうか・・・ん?56.3キロ後ろの森から生命反応・・・あれ?熱源感知に引っかからないのに動いているし探知できてる?なんででしょうか?》
「あれじゃないか?魔力探知的な」
《そのようなものですかね?それではこれを魔力探知と命名します。魔力探知によると魔力反応が一つ森から出ようとしてますよ》
「魔力探知か~俺もできたらいいが・・・にしてもふ~む、来てさっそく実践はきついな・・・ま、いいや50キロぐらい距離が開いてるならバレることもないだろう。そんなことより魔力の操作とか魔法とかについて今のうちに練習しておいた方がいいだろう」
《了解です、マスター》
「といっても魔力か・・・小説では丹田辺りに暖かいものがあるっていうのがテンプレなんだけどな・・・」
そういいながら丹田の辺りを意識しながら昔やった修行の感覚で自分の内側に意識を向ける
すると自分の体の中に今までにはなかった不定形の塊が感じられた
「多分これだろうな、魔力ってのは。なんだか自分の中に底なしの沼が広がっているみたいで変な気持ちだな・・・」
《そんなものがあったんですか?私は特に・・・いえこれはバッテリーの部分でしょうか?先ほど森の方向で感じられた魔力反応より大きな反応を感じることが出来ました》
突然フィアから威圧が放たれだした。すると体にナニカが纏わり付いたように動きずらくなった
結構邪魔なのでその威圧を受け流しながら突然の威圧について考え始めた。
この威圧からは少なくとも自分より格上だと感じられた。俺が作ったとはいえ眼鏡型のAIにだ
これはさすがにあり得ないので別の要因を考えてみる
おそらくステータスは自分の現状のできることを表示されたものだと思われるのでフィアが俺を超えていたものを考える
確かフィアは約10倍ほど俺よりも魔力が多かったはずなのでそれが関連してるのではないか?と考えた
「これが魔力なのか?すると魔力は質量を持った触ることのできないもの、という感じか?」
と、仮説を立てながら自分も魔力を周りに広げるように放出してみた
フィアの魔力と相殺することはできなかったが減衰はさせることができたようだ
フィアが魔力を引っ込めようとしたがそのままにしておくように言っておく
俺は一旦魔力を放つのをやめて今度はいつも気を練る時のように魔力を練って密度を高めていく
練り終わった後、そのまま放出すると今度はフィアの魔力を相殺することができた
つまり魔力は元の世界でいうところの気と同じだと分かった
これが分かれば後は簡単だ
小説にあったことを参考にし丹田辺りから魔力を引っ張ってきて魔力を練るのと同時に腕に集めていく
そして集めた魔力を取りあえずよくあるファイヤーボールが飛んでいき破裂するところをイメージして放出する
するとバレーボールぐらいの火の塊が手のひら近くにでき、そのまま直進していき何もない空中で小爆発が起きた
「よしっ成功だ!」
《すごいですマスターっ!異世界に来てすぐに魔法を習得するなんて!》
「まあな。魔力が気と同じで助かった」
《いや地球で気を扱える人なんてそうそういませんよ・・・?》
俺は初めて魔法を使うことができた
これから魔法の特徴について研究していこうか・・・
主人公のステータスに鍛冶があるのは主人公が昔刀を一振り鍛えたことがあるためです。
こちらにもちゃんとその刀を持ってきています。
あと、武術を一通り収めたのに剣術などがレベル5なのかといいますとたとえば剣術といっても剣道を師範代までとっただけですのであまり戦闘では役に立たない型が多いというのを考え、それでも基礎は高い基準でできているのでレベル5になった・・・というわけです
今後もよろしくお願いします




