突然の訪問者(2)
そんなこんなで家に恋というものを入れることにしました。
そして、偉大な魔術師ユーリというものの話を聞くことに。
昔、約1000年ほど前です。
リードヒッへ家はその時からの血筋です。
つい、500年ほど昔の頃に一人の女性がいました。
彼女の名前はユーリ・フラウ・リードヒッへ。
彼女はリードヒッへの秘宝と言われるほど頭が良く、美しく、そして、魔術が使える完璧な女性でした。
そんな彼女は、人と違ったところがありました。
それは、人より時の進みが遅いということ。
それを彼女は悩み、ある時、リードヒッへ家をでて旅に出ます。
そして、彼女の行方はわからなくなりました。
それから、200年後が立ったとき。
彼女が戻ってきました。
そして、「私は輪廻に戻る。いつの時かわからないけど、私はこの家系のどこかに産まれてくるでしょうね。」
という言葉を残して死んでしまいました。
夢中で魔術師ユーリの話を聞いていた、私は現実に戻されます。
疑問に思ったことを口にします。
「でも、なんで私なんですか?だって、女の子は私以外にもいるでしょ」
そうです、母から聞いたいとこ達だけでも10人はいたはずです。
恋さんは困った顔をしてます。
「それは私にも聞いてないのでわかりません。」
え?今なんと?
私がぽかーんとしていたのか、恋さんは慌てて付け加えました。
「当主様、つまり、琴葉様のおじい様がそうおっしゃっていたのです」
「では、なぜおじいさんはわかるのですか」
「リードヒッへ家は有名魔術師を多く輩出する家の当主だからです。」
あら、そんなすごい家系とは。
って、え?魔術師を輩出すると?
意味がわからない・・・。
でも、理由が答えられていないような。
「私もどうしてわかるのかは当主だからとしか答えられません。
そのためにも、おじい様に会いませんといけません」
そんなこと言われても困る。
いくら夏休みでも宿題や色々調べたいことがたくさんある。
それに、友達との約束もある。
「あの、嫌だって言ったらどうなりますか」
突然、恋さんは笑顔になりました。
でも、恋さんの目が笑ってない。
これは怖い・・・
「ダメです。命令は絶対です」
なんですか、王様ゲームですか。
ここで嫌だっと言って一緒に行かなければ、なんかとてつもなく怖いです。
しょうがない、一緒に行こうではないか、いざ、リードヒッへ家へ!
「分かりました。一緒に行きます。
でも、その前にお母さんとお父さんに電話入れてもいいですか?」
「いえ、その必要はありません。既にリンゼ様が本家にいらっしゃり、伝えていらっしゃいます」
行動が早い。
そうですよね、あんな名家で働いているような人で重要な役目をしているなら、気が回り裏切らない人ですよね。
はははは、これから大変な日が始まりそうな予感です。