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叶わぬ恋  作者: 玖々廼馳 蒼
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始まり

私は椎名さき。

桜川高校に通う高校2年生。

今は、学校に登校中。桜川高校は駅から学校まで30分歩いた所にある。


私は、いつも通りイヤホンをつけながら音楽を聴いていた。

椎名:「あぁ今日もどうせつまんないんだろうなぁ」 そう思いながらゆっくりと歩いていた。

私が学校に着いた時、後ろから1台の車が走ってきた。 相川先生の車だった。


相川先生は私のクラスの担任の先生で、女子の人気者でめんどくさがりやだけどとても頼りになる先生だ。

私は少し右にずれて相川先生の車を見ていた。

私が先生を見ていたことに気づいた相川先生は、車を降りながら私にこう言った。

相川:「おぅ 椎名! おはよう」

椎名:「あっおはようございます」 少し緊張ぎみで返事をした。


しばらくして緊張がとけたころ昇降口に行き、上履きに履き替えた。

教室に着いたら、隣のクラスの池田さんが声をかけてきた。どうやらさっきの場面を見ていたらしい。


池田さんは、1年生の時体育の授業でペアを組んでから仲良くなった。


池田:「おはよう さっき相川先生と何話してたの?」

椎名:「何も話してないよ、ただあいさつしただけ」

池田:「ふーん」 池田さんはつまんなそうに返事をした。


1時限目から3時限目まで、ただノートを写しているだけの授業 正直言ってダルかった。

4時限目は、数学 相川先生の授業だ。


「キーンコーンカーンコーン」


チャイムが鳴り終わった時、がらがら、という音がして相川先生が教室に入ってきた。

あんなにも騒がしかった教室は、あっという間に静まりかえる。


相川:「はい、今日は授業を始める前に11月の文化祭の出し物について話したいと思います。」


私は少しほっとしながら先生の話を聞いていた。


相川:「文化祭なんだけど、めんどくさいからバザーでいいよね?あっ言い忘れてたけど俺のクラスは毎年焼きそばやってるから今年 もやるからね。」

みんな:「はーい」


どっちをやりたいかワクワクしながら話は役割分担にはいった。


相川:「まず焼きそばは午前と午後の交代制で、男女5人ずつ、バザーも同じで、5人ずつあとは自由時間!じゃあ男子は男子、女子は女子で話し合って」


女子は教室の後ろに集まって女子のリーダー的存在の佐藤さんを中心に話し合った。


佐藤:「どうする?みんな何やりたい?」


その言葉をはじめに、どんどん役割が決まっていった。

私は、クラスの中で一番仲のいい酒井さんと伊藤さんと佐藤さんと緑川さんと中村さんで焼きそばをやることにした。

4時限目の授業は文化祭の出し物を決めて終わった。


授業が終わって放課後になった頃、今まで青かった空もキレイな赤色に染まりかかっていた。


みんなが帰り始めた頃、相川先生が私に近づいてきた。


相川:「椎名!ちょっといいか?今暇?」

椎名:「まぁ暇ですけど・・・」

嘘だ、本当はこの後部活があったが今日はサボりたい気分だった。

相川:「そっか!じゃあこっちに来て俺の手伝いしてくれない?」


相川先生が向かった先には、出し物で使う焼きそばの道具がずらりと並べてあった。


相川:「この道具を全部外に運んで欲しいんだ!できる?」

椎名:「えっこれ全部ですか?・・・まぁ頑張ります。」


予想外の仕事の多さに驚いたが、二人で運んで荷物が少なくなるにつれて気持ちが

すっきりしていった。そして、鉄板を運び終わった時、辺りは暗くなっていた。 


相川:「よし!終わった ありがとう椎名 お疲れ様でした。」


そういって先生は敬礼をした。

先生の手伝いを終えて私が帰ろうとした時、後ろから先生の声が聞こえた。


相川:「椎名 よかったまだ帰ってなかった」

椎名:「何ですか先生?」

相川:「ちょときて」

椎名:「はい」

先生についていった先には先生方専用のロッカールームだった。


相川:「これあげる 手伝ってくれたご褒美」

椎名:「えっいいんですか?ありがとうございます。」


先生から渡されたものは小さな袋に入ったお菓子だった。

私はとても嬉しかった。お菓子をもらったからではない、なぜか分からないが心の底から

何かがこみ上げてくるそれくらい嬉しかったからだ。


相川:「もう遅いから帰り気をつけてね、最近このあたり不審者が多いから」

椎名:「はい・・・わかりました。さようなら」

相川:「さようなら」

この時の先生の声は、いつもと違った優しい声のような気がした。


帰り道、先生からもらったお菓子を食べながら、先生がいった言葉を思い出していた。


「さようなら」


あんな優しい声今まで聞いたことがない。その瞬間、また心の中から嬉しさがこみ上げてくる,それと同時に少しだけ鼓動が早くなった。


まさかとは思いながら私は家に帰って行った。


これが恋の始まりだとも知らずに・・・。









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