夢
今回はソフィア回です。
私は、目を覚ますと真っ白な空間に居た。
「ここは?私は確か・・・」
霞がかった記憶が鮮明になっていき・・・そして、思いだした。目の前で、大量の人間が死んで行った事を・・・
「ヒッ・・・」
短く悲鳴をあげた。いくら、魔物を狩っていたといっても日本人だから目の前で人が血飛沫をあげて死ねば恐怖を感じてしまうのだ。
私は、速まる心臓の鼓動を無理やり収まらせ記憶に蓋をする。
数十分ぐらい経つとようやく落ち着いてくる。
「・・・ふぅ」
短く息を吐いて落ち着く。そして、辺りを見渡す。
「ここは確か神とあったところ・・・」
何故ここに居るんだろう?
「まさか死んだ?」
「そんな訳ないでしょう」
私は、後ろから声がかかったのですぐに距離をとった。
しかし、声をかけてきた人の姿を見た瞬間驚くほか無かった。
「え?ア、アリシアさん!?」
「ええ、そうよ」
「え?でも何でここに?」
「言っとくけど、この空間は私が魔法を駆使して作った空間よ」
「そうですか...」
自分が死んでないとわかり、ほっと胸を撫で下ろす。
「あなたは、経験が少な過ぎたから人間が爆散したのを見て気絶してしまったのね...」
私は、脳裏に浮かびかけた記憶を無理矢理押さえ込んだ。そうでもしないと、また発狂してしまいそうだからだ。
「うーん、貴女がずっとグロに体勢がなかったら困るわねぇ…」
確かにそうだと思う。多分、今は魔物の血を見るのも恐怖に感じてしまうかも知れないし、そうなってしまうと戦闘などできる筈がない。
「仕方ない、私の加護を増やすことにしましょうか」
「へ?加護?」
「ちょっと、じっとしててね」
そう言い、アリシアさんが私の額に人指し指を当てて呪文を呟いた。
「我が名は魔王アリシア。我の名に従い、カノ者に『魔王の加護』と『暗黒精霊の加護』を与えよ!」
アリシアさんが呟いた瞬間、私の中に何かが流れて来るように感じた。
「これは?それと、アリシアさん魔王だったんですか...」
「ふふふ、そうよ。私が、第99台魔王アリシア=F=アリュセイルよ」
初めて聞く名前だった。
「ごめんなさいね、騙してて...」
「いえ、いいです」
「なら良かったわ。...そろそろ、目覚める時間ね」
アリシアさんがそう言うと、視界が少しずつ暗くなっていき最後には意識が暗転した。
「ふふ、頑張ってね、次期魔王候補のソフィアちゃん」
そう言い彼女は、この空間を去った。その後、空間はガラガラと音を立てて崩れた。




