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第5章:栃木県『宇都宮動物園』(5):事前警告「お食事中の方・・・ご注意を!!」

 「・・・やっぱりな。おとうちゃんの言ったとおりになったわい。」


 ソレが、その事件を目撃したときの、ぼくの正直な感想でした。

 

 ・・・これからお話しますけど、


 気をつけないと、


 「やる」んですよ、彼らは(笑)。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 皆さんが小学校のときにも、


 クラス内での「派閥はばつ」「グループ」みたいな小集団があったと思います。


 ぼくは、


 ぼく(= くりじ)、川上くん(= かわじ)、長島くん(= ながし)、金田くん(= かねやん)、五十嵐くん(= いがじ)、


 柴田くん(= しばじ)、赤羽くん(= あかじ)のメンバーで構成される、


 もっとも人数が多く、スタンダードな性格のグループに属していました。


 そのほか、


 印南くん(= いんけん)、浜岡くん(= はまじ)、村上くん(= むらじ)、江面くんの4人グループも控えておりましたね。


 渡辺くん(= はろちゃん)、松本くん(= まっけん)、大島くん(= おおし)、伊藤くんなんかのグループも。


 ・・・女子にも、基本、そんなものはありましたね。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・小学校内では、


 拙作『たからもの』のように、孤独な日々だったり、


 美絵子ちゃんや美絵子グループの女の子と悪ふざけしたり、


 ときには、上級生のお姉さんにちょっかい出そうとしてみたり・・・


 けっこうぼくは、


 「気が多い少年」だったといえよう。


 だから、この動物園への遠足でも、


 グループの派閥に関係なく、いろいろなクラスメートと仲良く交流してはいた。


 だが・・・


 「あそこ」にだけは、ごいっしょしなかったんだ。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 「おい、次は、チンパンジー・コーナー行こうぜ。」


 ぼくが遠巻きに観察する中、


 五十嵐くん、川上くん、長島くんの3人が、類人猿コーナーの金網の前へ。


 でも・・・


 どうも、オリの中のおサルさんたちの様子が、どこかおかしい。


 地面に両手をついたまま、


 じーっと3人の男子児童を黙ってにらみつけている・・・らしかった。


 少なくとも、あとから聞いた彼らの証言によれば、


 けっして来訪者を「歓迎」するような態度・表情ではなかったらしい。


 「・・・おい、野郎、自分の足元の『クソ』を握ってコネてるみたいだぜ。」


 「まさか、俺たちに投げるつもりじゃねぇだろうな・・・」


 「いや・・・まさか・・・そのまさかじゃねぇのか・・・これって・・・きゃー!!」


 猛スピードでくるりと振り向いて逃げた彼らではあったが・・・どんなに走って逃げたところで、


 やはり、投げつけられた「うんこの速さ」には勝てません。


 命中率33%の確率で、


 見事、川上くんの大切なジャンパーが、


 「チンちゃんのオリジナル・ロゴマーク・プリント❤️」のエジキに。

 

 それからの彼は・・・


 すっかり「おサルさん嫌い」になりましたとさ。


 ちゃんちゃん♪


 追伸:


 どうも、チンパンジー様は、


 憎くて投げたんじゃなくて、親しみをこめてやったらしいんです。


 でもね、


 いくら心境としてはそうであっても、


 好きな相手に向けて、「うんこ」投げ放ってくるオトモダチなんて・・・。

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