表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/63

第54章:国井そろばん塾(9)

 ・・・まぁ、前章のようなことは、


 その後はいっさい、起こりませんでした。


 例の「カレ」も、ニ度とそろばん塾エリアには姿を見せなかったので、ぼくも、そんなくだらないことは忘れてしまいました。


 アレは、もちろん、いきなりケンカふっかけたぼくが一方的に悪かったんですけどね(笑)。


 ・・・髪の毛がちょっと「巻き毛」で、実にイヤミな野郎でした。


 「ハンサム」からは程遠い、そばかすだらけでブサイクでスカした、面長おもながの、にくったらしい面構つらがまえ。


 きっと皆さんだって、あんな不愉快なヤツとは友達にはなれなかったと思いますよ。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 そろばんの授業・・・というのか、「ノルマ」は、本当に苦痛でいやなものでしたが、


 塾が始まる前の時間や、ノルマのあと・・・そして、塾がやってない日の平日の放課後、美絵子ちゃんと下校時に仲良く別れてからの、広場や、そろばん塾周辺での夕方のひととき。


 ・・・実に楽しくて、味わい深いものがありました。


 当時の広場の風景も、ありありと・・・鮮明に脳内に記録されてます。


 広場に入ると、正面には、いまもある木幡西公民館でしょ。


 そんで、右手に滝本さんち。


 左手には、滝本さんの長男さんの土建関係の資材置き場。


 裏には、しのが生い茂るやぶ


 道路側には、いまはない、ゴミステーション。


 公民館のすぐ手前には、プレハブのそろばん塾。


 公民館の裏手にも、篠の藪があって、金網のフェンスの向こうには、小さな川が。


 そのあたりからは、美絵子ちゃんが暮らしていた、山口セツさんの家の裏の様子も見えました。


 田んぼがあって、畑もあって・・・。


 菅谷なおき君や遠藤君、田中ゆりこさんの家の裏側も見えましたね。


 線路の土手。


 毛の短い、両耳の垂れた大きな黒い洋犬ようけん飼ってた、いまは取り壊されてなくなった老夫婦の藤長さんち・・・令和のいま、もうとっくにいないですけど。


 そろばん塾生が、誰もいなくなった夕闇ゆうやみの中・・・


 藤長さんのおじいちゃんといっしょに、彼の家の前で「き火」しながら、ゆらゆらとゆらめく炎を、無言で、そろってぼんやりと眺めていたこともありましたっけね。


 そばには、例の黒い犬が座っていて、


 軍手はめたおじいちゃんが犬の頭をなでると、焚き火の熱であっためられたせいか、


 軍手にしみついた、おじいちゃんの体臭と、


 こうばしい「犬のにおい」がいりまじって、あたりに広がりました。


 ・・・そこから100mほど向こうでは、


 美絵子ちゃんが、セツさんの家の中で、リアルタイムで過ごしています。


 ヨネちゃんの駄菓子屋、チイちゃんち・・・。


 そうそう。


 大越かっさんのゲーセンもありました。


 なつかしくって、たまんないですよ。


 最後に、


 『神山文房具店』のエピソードで、


 この『美絵子メモ・パート3』をシメたいと思います。


 m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ