第17章:挿入チャプター
・・・今回の「美絵子メモ」においては、
ぼくと彼女のナマナマしい想い出は、ほぼほぼ書かない予定でいた。
しかしながら・・・
それでは、読者の皆様も納得しないだろうし、
ぼくも、気持ちが悪い。
まだまだ、
「吐き出しきれていない思い」も、たくさん残っているのだ・・・。
なによりも、当の美絵子ちゃん本人が、
「しげおくん。あたし・・・謝罪されても、まだ完全には納得してないよ。あの『魔物事件』の、もっと詳しいいきさつ・真相や、その後のあなたの行動・考えなんかを、もう一度、きちんと、ごまかさないで聞かせてください。」
と、心中、ひそかにお考えになっていることは、
ぼくもわかっている。
・・・つらい。
それは、ぼくにとっても、
美絵子ちゃんにとっても、
「傷口に塩をなすりつけるような行為」なのだから・・・。
ぼくの「表現力」には、おのずと限界がある。
本当は、
当時の良い感覚も、悪い感覚も・・・すべて、ぼくがこの目で見て、
感じた、そのまんまを、少しの「誤差」もないように、皆さんや美絵子ちゃんにも感じ・・・
そして、味わってほしい。
でも、ぼくは皆さんじゃないし、
皆さんも、ぼくじゃない。
・・・ここに、「作者」と「読者」の間に横たわる、
「永遠の溝」がある。
・・・「表現の限界」がある。
それでもぼくは、伝えていきたい。
『ナマの人生史の迫力と臨場感』を、ね。
m(_ _)m




