第15章:大越かっさんのゲーセン(9)
・・・かっさんのゲーセンが、なぜ、これほど児童に人気があったのか。
いちばん大きな要因は、
「子供のサイフにも優しかったから」。
ほかのゲーム屋のアーケード・ゲームが、
「ワンプレイあたり100円」が基本だったのに対し・・・
ここでは、半額の50円だったのだ。
単純に、
2倍、プレイできることになる。
・・・コレは、けっこう大きい。
ぼくは当時、「月、1000円」の小遣いだったが、
「お菓子を取るか、ゲームを取るか」となったときに、ゲームを選ぶときのハードルが、半分に下がってくれたからだ。
それに、さきにも書いたように、
学校側や保護者やPTAの心配をよそに・・・店内の治安も、思いのほか良かったので、
ほかのプレーヤーが楽しみ、夢中になるゲーム画面を無料で立ち見していても、
「おい、おめー、なに見てんだよ。気が散るわ。あっちいけったら。しっしっ。」
なんて、ツレないことをほざく者もいなかった。
・・・小遣いが少ない小学生にとって、
他のゲーム小僧の「お手本プレイ」は、
またとない、サイコーの「デモ画面」である。
実際に自分がプレイしてみて、
「・・・なんだ、つまんねぇ。やるんじゃなかった!」とならぬよう、
無料で「予習」させてもらえたのだから、
こんなにコスパのいい「事前講習」も、そうはあるまいて♪
・・・今回は、ちょっとクドい内容でしたかな?
m(_ _)m




