第12章:大越かっさんのゲーセン(6)
・・・おそらく、「転機」となったのは、
先に紹介したような、1978年の、
「インベーダー・ブーム」であろう。
日本どころか、世界中に飛び火した、アーケード・ゲーム史における・・・「一大事件」だったからだ。
もともと、入り口はせまいし、
地味な、暗い印象の店舗ではあったが、ゲームセンターを経営してからは、
学校や、近所からもあまり「いい顔」はされなかったので、ますます、入りづらい雰囲気の店になっていった。
インベーダー・ゲームが、まだまだ幅を利かせていたころは・・・
「インベーダー・ハウス」なる、このシューティング・ゲーム・オンリーの喫茶店なんかも、都会には存在していたらしい。
ちょうど、ゲーム機そのものが、テーブルも兼ねられる構造だったということも手伝い、
そのガラス台の上に、喫茶店内で注文した食事やジュースをのっけて、
もぐもぐ・ゴクゴクやって、
しょーもない、くだらんハナシを仲間や恋人とダベりながら、スペース・インベーダーに興じていたわけである。
ぼくが、
「ゲーセン」として生まれ変わった、かっさんの店に再入店したのは・・・はたして、いつのことだったか。
おそらく、
美絵子ちゃんと初めてあってから、
かなり時間がたったころだったように思う。




