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甘やかし上手なお姫様に骨抜きにされた

作者:夏野涼月
来栖優陽のクラスにはお姫様と呼ばれる学校一の美少女・七瀬茉白がいる。文武両道で容姿端麗。
 特に関わり合いのない二人は、ある時茉白を優陽が助けた事で誰にも言えない関係が始まる。
 一度夕飯を作ってもらったがもう関わることがないと思っていた矢先、優陽の家に茉白が訪ねてきた。
 何をしに来たかと思えば、「お礼です」と言われ、再び食事を振る舞われ、頼んでもいないのに掃除やら身の回りのお世話を焼く日々を送る茉白を優陽は不思議に思っていた。
 ある日なぜ自分の世話を焼くのか茉白に聞いた。
「お礼です」やはりそう言う茉白。別に恩を売ったつもりもないし、これを気にあわよくば、などという気持ちもない優陽。お礼にお礼で返されるとキリがないと言うと「じゃあ、お礼の延長、私のお節介という事で受け入れてください」そう言い放った茉白に困惑する優陽。
 お節介を焼く茉白と過ごしていく日々に次第に彼女を受け入れ、自分の中で少しずつ日常が変化していき、自分自身も変わっていることに気づいた。
 時折見せる茉白の笑顔や、温もりに触れ、一歩ずつ距離を縮めていく二人。
 誰にも言えない秘密の関係。茉白は胸に秘めた想いは優陽には口にしないまま、ただ優陽を甘やかしていく。そして優陽の中で茉白の存在は徐々に大きくなっていって……
(絶対に教えてあげないですけどね)
 これはお互いの想いを口にしないまま惹かれていく二人の物語
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