早速の発覚
2話目となります
「あまり驚かないのね」
「え、」
最初に目覚めた退廃的な近未来都市のビル群を、20分ほど前から案内されて歩き出してから、初めての会話だ
そもそも、こっちに来て20分まともな説明無しな方が驚きだが
「まぁ、俺みたいなやつは、授業中にテロリストが襲ってくいるのに加えて、
最近は異世界転生する妄想もバッチリだからな」
「異世界転生?」
あぁ、異世界転生という言葉で表現しているのは、あくまで俺だけか
というか、こんなファンタジー感のない異世界とは妄想していなかったな、、
「まぁ自信があるのはいいけれど、これから必要になってくるのは生半可な好奇心ではどうにもならないことだから」
「それにしては、説明不足だと思うのですが、」
というかよく考えてみると、元の世界ではどういう事になっているのだろう、自慢ではないが家族には愛されてるほうだと思うし、数少ない友達は突然姿を消した俺をどう思うのだろう、
「確かに、それについてはごめんなさい、あなたに来てもらった理由はこの先の場所でしか話せないのだけど、それ以外のことなら私のできる範囲で答えるわ」
「じゃあ、とりあえず、俺のいた場所というか世界がどうなっているのか教えてくれないか、」
「それに関しては心配なく、あなたにしたのは場所の変化に加えて時間の変化よ、もう一度同じことをすれば、あなたにとって元通りになるわ」
「なるほど、じゃあそうであることを信じるよ」
「あら、理解が早くてありがたいわ」
そういって見せた彼女の笑顔は、ただのオタクならすべてを差し出すに相応しいものだった
ま、まぁ、俺のような、女性とも問題なく世間話できる、最新型のオタクには通じないがな
「どうしたの?顔が赤いわよ」
そう言って俺の顔を覗き込んだら俺の顔はもっと赤くなってしまうだろうっ
「こ、これだから、美男美女はもっと自分の一挙手一投足が人々を惑わせることを自覚しろッ!!」
「あ、あるぇ~~?、もしかしてドキッとしちゃった?ここに来る前は癖が強いとか言っていたのにぃ?さっきまで冷静に会話してたのにぃ?はぁ~~~私って罪な女、こうしてまた一人決して抜けられない沼に落としていくのね、でも安心して、私は誰のものにもならないから、それが私の役目ってちゃんと私わかってるからっ」キャピーンッ
なんだかなぁ、まぁ、完璧な人はいないからな、神様が本当にいるとするならよく考えて作っているんだなぁ
「なによぅ、黙り込んじゃって、まぁいいわ、もうすぐ到着だから」
「到着って、歩きはじめてからずっと人気がないんだが本当にもうすぐなのか?」
「"地上"はね、すぐに分かるわ」
もうずっとこんな光景だが、彼女が言うには目的地もうすぐらしい
彼女、そういえば名前をまだ知らないな、
こういうことってたまにあるよね、ないか
ということはつまり、今は異常事態だ、まずは名前を聞かないとだな
「到着よ」
今まで見てきたのと変わらない近未来的なビル、しかし到着というのだからなにか仕掛けがあるのか?これは面白くなる予感がするぜ、
じゃなくて名前だな、名前を聞かないといけないよな、しかし、今明らかにイベントが進み出している、これは俺には中々ハードなミッションだぞ、さり気なく、それとなく聞くんだ、タイミングを間違えるなよ兄弟、、、、
「あなたのことは既に登録済みだから、ぼうっとしてないで、このカードを使って中にはいって」
「あ、あぁ」
そうして渡されたカードに"佐藤系"(さとうけい)と書いてあった、読み仮名はあっているが、漢字の名前が間違っている、名前が間違っている、、名前、、、
ここかッ!!
「こ、このカード、読み仮名はあっているけど漢字での名前が、間違っているよー
そ、それと、名前で言えばまだアンタの名前を知らなかったよな、な、なんていう名前なんだ?」
よ、よし、若干の気色悪さを抜きにしたら、タイミング、さり気なさは完璧だ
「あぁ、そうねまだ名乗ってなかったわね私はドーシィ言いにくいだろうけどよろしくね」
「じゃあ改めてよろしく、ドーシィ」
「えぇ、こちらこそ、佐藤系さん」
そう言ってお互い握手をした、
完璧だ、やればできるんだね俺
「そんなことより漢字が違ったのよね、ってそんな事あるわけないじゃない、あなたもわかっているだろうけど、これは偶然じゃなくて計画して行われたことよ、冗談が好きな方とは訊いていたけど今はそういうときじゃないわ、若かりしときの天才科学者である佐藤系さん、あなたはおそらく、学生であるこの頃からとてつもない天才だったのよね?」
「て、天才科学者?俺は特に天才でもない普通の高校に通っている凡人の佐藤計だぞ、まぁ確かに、理系ではあるし科学は得意科目だし、定期的に自分の高校の偏差値をサイトで見たりしていて最近50から55に変わっていてテンション上がったけど、あくまでその年の偏差値の話だから俺の偏差値が50であることに変わりはないぞ?」
「え?」
2話目となりました
ありがとうございま↓