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真似

作者: このび

僕は幼いころからずっと「相手の気持ちを考えて行動すること」 そう言い聞かされてきました。

パパとママは僕に口癖のようにそう言い聞かせ、僕自身もそれが正しいと思っています。

常に相手の事を考えて行動に移すため、周りからは気づかいのできる優しくていい子と称されて

きました。

パパとママは時々激しい口論をします。パパはたまにママをぶったりします。

僕はぶたれたら痛いしとても悲しい気持ちになります。でもパパはママをぶちます。

そんな言い争いを見ていて僕は、パパはぶたれても痛くないし、嫌な気持ちにもならないんだと

思いました。

今日もパパとママは言い争いをしています。僕はその様子を部屋の隅で見守っています。

大人は喧嘩しても悲しい気持ちにならないんだと僕はとても悲しい気持ちになりました。

パパが包丁でママを刺しました。パパは凄く動揺していました。

その様子を不思議そうに見ていた僕を見つめてパパは、今日はもう眠りなさいと言いました。

僕は教えに従ってベッドの中に潜り込みました。

でも僕はさっきの事が頭から離れずに眠ることができませんでした。

パパはもう眠りについたようです。包丁で人を刺すとどんな気持ちになるんだろう。

僕はその事で頭がいっぱいでした。その気持ちを解明するために僕はさっきのパパと同じように

寝ているパパの喉に包丁を刺してみました。

ママと同じように沢山の血が出て、パパはうめき声をあげたと思ったらすぐに動かなくなりました。

しばらくパパを見つめていましたが、特にこれといった感情は沸きませんでした。

今度は包丁で刺されたらどんな気持ちになるか知りたくなりました。

僕は自分の喉元に包丁を突き刺してみました。とても痛くて泣きたくなりました。

僕はパパと同じように唸り声を上げて動かなくなりました。

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