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太陽が落ちる!? 


敵、メルテリア艦隊との有意義な交渉!?が終わり一段落するコトナ。

心置きなく・・戦争継続ができる。

もともと停戦などする気がないので・・・予定の行動でもあった。



さてさて・・・忙しくなりそうだ!

出撃させる艦隊などの準備やらなにやら・・・・と思ったら、

ハクア首相を始めとした閣僚たちによって すでに準備は終了していた。

いつでも艦隊の出撃は可能である。

 

「仕事が早い!! 出来るヒューマノイドは ひと味違う!?

というか今は戦争の真っ只中!! いまさら準備もないだろう」


そんなわけで コトナの自室に完了済みの事後報告書だけがおくられてきていた。

戦時体制時に いちいち姫公キコウの承諾なんてしていられないというわけである。

素早い動きが重要!!



コトナは 書類に目を通して国璽の判を押す。

出撃させる艦隊関係の書類であった。

事後報告なので すでに実行しているのだろうけど とりあえず姫公キコウとして国璽の判を押した!!



ちなみに この時代の書類は3D疑似映像書類となっており 紙に判を押しているわけではなく・・

・・・・いわゆる電子署名的なものである!?



しかし・・・・

この判を押すのも2600年ぶりってことか~と しみじみと物思いにふけっていたら、とんでもないことを思い出した。 

・・・もしかして 冷凍睡眠していた間、2600年分の報告書やら書類が 山のようにたまってるのじゃないのか!?

ごくり・・・!!



コトナは 端末を操作し・・・公国管理コンピューターへとアクセスした。

管理コンピューターの保存ファイルに 姫公キコウ行きの書類データーが溜まっているはずである。

そして・・・その溜まった書類を一挙に表示させたのであった。 



すると 自室の部屋が白く輝きだし・・・とんでもない光景が目の前に溢れかえることになる。


コトナの目の前には 山のように積み重なった書類!!

・・・書類によって自室がうまってしまったのである。

ずばりいうとゴミ屋敷ならぬ・・・書類屋敷である!!


自室だけではなく外の廊下にまで書類がはみだし積み重なっていた!!

「ちょっと・・・これは!!」

コトナ・・・思わず真っ白になる!!



この書類の山は・・・コトナが冷凍睡眠で気持ちよくお寝んねしていた2600年分の書類であった。

しかし・・・安心してほしい!!

この書類は3D映像で投影された疑似映像なので・・・実物として存在しているわけではない。

公国管理コンピューター内の保存ファイルにある書類を投影しているだけであった。


「これ・・・!? 目を通さないとだめなのかな!?

めんどくさ~い! そうだ!! 見なかったことにする!!」


コトナは すばやく・・・3D投影装置のスイッチを切り、書類の山を消去したのであった。

「2600年間・・・ほったらかしても 何の問題にもならなかったのだから・・・急いで処理する必要もないのよね!!」

コトナは 自分で自分を納得させるのであった。



実際のところ・・・ハクア首相をはじめとした閣僚たちによってカツラギ公国が運営されてるため・・

この書類は 2600年の間におこなわれた政策とその結果に関する書類が大半だったのである。

いわゆる・・・事後報告書

そして姫公キコウであるコトナがいなくても カツラギ公国が運営できるという恐るべき真実でもあったww




◆◇◆◇◆◇◆


・・・書類処理のお仕事を 早々に放棄したコトナは 寝椅子に深く腰かけ・・・

ペットのウサミミンの頭をなでていると・・・ドアをノックする音がした!!


コトナは 許可を与えると・・・・軍服を着用した成人女性型ヒューマノイドが自室に入ってきた。

「あっ! ルリさんだ 2600年ぶりだね!! 古参のヒューマノイド機体なので心配してたのだよ 元気にしてたのかな!?」


『はい おかげさまで2600年間故障もなく・・・というか! 今は緊急事態です。

陛下!! 敵がミサイルらしきものを一発、こちらに向けて放ってきたようです。古典的な兵器なのですが・・おそらく水爆です!!』


「水爆!?」

コトナは すぐさま寝椅子から起き上がり・・ルリへと顔を向けた。


『敵が放ったミサイルは一発のみ・・・・情報部の解析ではおそらく核融合弾、すなわち水爆です

もし・・・地面に落下すれば 100km四方に重大な損害が発生します』


「地球時代の古典的兵器でも・・・地上で使えば恐ろしいことになる!! 迎撃はできるのよね!?」


『現在、惑星防衛システムを2600年ぶりに稼働させました。今のところ異常なしです』


「了解!!  ミサイルの一発程度なら 心配するほどのことでもないか!」




この惑星へと落下してくる核融合ミサイルのリアルタイム中継映像を 

自室の壁に埋め込まれている巨大ディスプレイに表示させた。

核弾頭関連の各種数値も同時に表示されている。


ルリの話では・・・この数値は情報部からの推定値らしい。


その様子を見ながら コトナは寝椅子に腰を下ろし・・・ペットのウサミミンを抱きながら、ディスプレイを眺めた。

・・・・なにやらアナウンサー的な人物(ヒューマノイド)が登場し・・核融合ミサイルの解説を始めた。

「テレビ番組方式なのだな!!」


そのうちCMがはいり 別番組が始まった。

どうやら討論番組のようである。

有識者らしき人達(ヒューマノイド)たちが 核弾頭に関しての討論を始めた。

そのうちに討論はエキサイティングな口調となり・・・そして、ついに拳で語りだし乱闘騒ぎへ・・・

討論番組から ボクシング番組へと変更されたのかな!?

ニュース番組というより・・バラエティ番組か!?


番組名は --朝まで拳で語る--



◆◇◆◇◆◇◆




惑星テイラに向かって突き進む核融合ミサイル・・・

このまま直進すると カツラギ公王宮殿北部山岳地帯に落下するだろう。

そうなれば・・・おそらく公王宮殿も無傷では済まされない。


ついに その核融合ミサイルが惑星上空1000km付近に達した時・・・ミサイルの挙動がおかしくなり始めた。

まっすぐ落下するはずのミサイルの軌道がずれだし・・・あらぬ方向へと進みだしたのだ。

どうやら・・・ミサイルはUターンをして・・元来た道へと戻りだしたようである!?


そんなミサイルの状況をディスプレイごしにみていたコトナは・・・急に立ち上がり中二病的な顔となってポーズをとった。

「銀河帝国の科学力は最強だぁぁ」


その様子を側で見ていたヒューマノイドのルリの目は生暖かかった。

ウサミミンは床の上で ころがりながら笑っている。




この第三惑星テイラには・・・星全体を守る惑星防衛システム・・いわゆる、時空間防御システムが組み込まれていたのだ!!

そうです!! この時空間防御システムによって周囲の空間を捻じ曲げ この惑星に到来する異物を あらぬ方向にはじき飛ばす!!

大量の攻撃兵器による飽和攻撃では 防御しきれない可能性があるのだが・・・一発程度のミサイルなら 軽々と対応できるのであった。



そして今!! この星に飛来する核融合ミサイルは・・・惑星に落下することなく いきなり方向転換して・・・元いた場所へともどっていく。

これは時空間防御のなせる業であり、ミサイルの進行方向の空間をひん曲げ、元来た道にもどしたのであった。


…元来た場所・・・そこはメルテリア共和国艦隊!!

核融合ミサイルは ミサイルを放ったはずの艦隊へと・・帰っていく!! 帰っていく!!  




◆◇◆◇◆◇◆


共和国艦隊司令室のディスプレイに緊急警報の文字が点滅していた。

「なんと!!」

艦隊司令官デルスデル提督にとっては信じられない状況だったが 即座に対処しなければならない!!

Uターンして戻ってくる核融合ミサイルを迎撃せよ!!



命令は即座に実行され 多数の戦列艦から放たれた対空レーザーによって 核融合ミサイルは破壊された。

そして 破壊された衝撃によって核融合反応が発生し・・巨大な火の玉が宇宙の深淵に花開く。

核融合の輝きによって メルテリア艦隊は明るく照らされた。



この核爆発が遠距離だったということもあり・・・メルテリア艦隊自体には被害がでなかったのだが・・・

デルスデル提督やその他参謀たちは 突如としたミサイルのUターン現象に頭をひねるのであった。




◆◇◆◇◆◇◆



公王宮殿内、コトナの自室・・・等身大ぬいぐるみが・・なぜか目立っていたりする。ちょっとあれな自室。

広さ15畳ほどの部屋でベットに横になりつつ・・

部屋の壁いっぱいにはめ込まれたディスプレイをコトナは 眺めていた。


このディスプレイには、報道特集もどきの番組が映し出されており、

飛来した核融合ミサイルを みごとに撃ち返し 敵艦隊に返却したというような報道がなされていた。


「あたりまえよ・・うちらは なんたってカツラギ公国なのだから」

勝ち誇るコトナ・・・


そんな寝転がるコトナの横で・・・コタツに入りながらミカンを口の中に放り込むルリ。

ヒューマノイドでも・・コタツに入ったりミカンを食べたりできるのである!!

『あんな水爆一つで脅せるとでも思ったのかしら・・このミカンみたいにあまく見られたものですね』


「うちが骨董品好きだから・・・水爆をプレゼントされてたりして・・

でもいくら地球時代の骨董品でも あんな危険物は扱いにくいのよね」


『アハ~ 水爆どころか・・あのメルテリア艦隊自体が骨董品のような艦隊ですよ

銀河帝国建国以前の艦艇にそっくり!!  まるで4000年前の骨董品』


「彼らは・・・あれで最新鋭艦とかいってたもんね~

うちが2600年間、眠っている間・・外の世界の技術って進歩するどころか・・・

うちの大好きな古き良き時代に戻ってしまったのね」


『間違いなく退化してますね・・骨董品艦隊になってしまってます』


「でも・・・うちは ああいう古い形態の艦艇って大好き!! わび、さびというか!! なんか古代のロマンがあふれてるじゃないの」


『それで・・・ あのメルテリアの何とかいう提督に 艦隊がほしいっていったのですよね』


「うん・・・ほしいよね!! できるだけ無傷で拿捕とかできたら いいんだけど・・」


『できるだけ 無傷で拿捕するようにと 艦隊司令部に伝えておきます』


「うん 拿捕することができれば乗組員を・・・敵とはいえ あまり死人はだして欲しくないし 捕虜にすれば後々の交渉材料になるのよね」


『了解です』


ルリはコタツのミカンを全て食べつくしてから 姫公キコウの自室から退出したのであった。


「・・・・ヒューマノイドロボットのはずなのに ミカンを食べるのですか!!!」





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