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人に忘れられたとき(仮)  作者: ゲヒルン
1/1

【1】


「ようこそ、王都へ」


 衛兵から通行許可証を受け取りながら優に100人の人間が横一列に並んで入れるくらいに大きい門をくぐると自分が生まれ育った村がまるでおままごとのように感じるほどに大きな建物が立ち並んだ都市が眼前に広がっていた。


「すげぇ」


思わず出てしまった言葉に一瞬遅れて気づくも周りの人に生暖かいものを見るような目で見られながらクスクスと小さな声で笑われ、少し恥ずかしい思いをした。ほんのりと赤くなった顔をごまかすために小さな声で、よしっと気合を入れて本来の目的地である冒険者ギルドへと向かうのだった。。


 ギルドまでの道のりは門をくぐるときに衛兵に聞いておいたので教えてもらった通りに行けば迷うことはないだろう。

 

 そうして、門から続く大通りを歩いていると自分の正面でソフトクリームを持った一人の少女が母親と思われる女性と一緒に歩いてくるのが見えた。少女はソフトクリームを買ってもらったのがよほど嬉しかったのか満面の笑みでその場をくるくると回っていた。そんな光景を微笑ましく眺めていると「あっ」という声とともに少女がバランスを崩しその場で転んでしまった。転んだ拍子に膝を擦りむいてしまったようだ。少女は膝の痛みとせっかく買ってもらったソフトクリームを落としてしまったショックでその場でワンワンと大きな声で泣き出してしまった。その様子を見て、いてもたってもいられず思わず声をかけてしまった。


「お嬢ちゃん、大丈夫?」と声をかけると「いたいよぉ」と少女は言う。母親も「ほら立って、またソフトクリームも買ってあげるから。お家に帰って痛いの直しましょうね」と優しく声をかける。周りの大人たちが見て見ぬふりをする中、少女に声をかけた自分はいささか周囲の注意を引いてしまったようだ。こんなところで注目を浴びるのは本意ではないし、早く少女を何とかしてあげたかったのもあり、僕は体内の魔力を使い一つの魔法を使う。


「オブリビオン」


僕が呪文を唱えると少女の膝からは傷がなくなり、落としたはずのソフトクリームは少女の手に握られていた。


()()()()()()()()()()()()()()


そして少女の母親は突然目の前に現れ少女の前にしゃがみこんでいる僕を見て「何ですか!?あなた?」と少女を自分の後ろに隠しながら今にも大きな声を出そうとする。

僕は慌てて立ち上がり「すいません!何でもないです」と言って急いでその場を離れるのであった。




一人の青年が大通りから慌てて離れていくのを少し離れたところから見ていた女性が一人。

「今の魔法は一体?なぜ私は彼が魔法を使う前のことが思い出せない?」

ひとしきり考えた後、結局結論は出ず「彼の向かった方向にあるのは………冒険者ギルドか…………」

と青年の後を追いかけていった。


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