大日本帝国近未来技術研究課
よろしくお願いします
「これより 平行世界線への移動実験を始める!
では 龍堂上等兵!頼んだ!」
「はっ! 了解いたしました!」
「あぁ!よろしく頼む!
これより準備に入る!
技術班!頼んだ!」
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「了解した!!次の段階・・最終段階に移る!
『時空座標固定流動体の注入を開始!』」
『了解!完了まで約27秒!』
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8
『龍堂上等兵!
これがこの世界線との最後となる!
何かあるか!?』
7
6
5
『私がこの私が
天皇陛下の国家の技術発展に
役立てることを光栄に思えます』
4
『そうか・・・・・それだけか?』
3
『一つ・・・私の部屋にいる小娘に伝えておいてください
強く生きろと・・・』
2
『あぁ わかった
行ってこい』
1
『・・・・・・・・・はい』
0
龍堂の視界は次第に
核エネルギーによる世界線脱出によって
白く塗りつぶされていく
20秒ほど経っただろうか・・・
龍堂は足に帝国の道路と同じような感覚の
アスファルトを感じる
「ここ・・・は・・・?」
龍堂は今 現代日本の路地裏に来ていた
「危ないな・・・
路地裏か・・・・賊が出るかもな・・・
早く出なければ
出たいんだが・・・
ここはどこだ?」
龍堂は入り組んだ路地裏を
やみくもに探索していくと
10分ほどで大きな道に出る
「なんだ?ここは・・・・」
龍堂は困惑する
それは当たり前だろう
元世界線とその光景は様変わりしてしまっている
自然は殆どない
いや 全くないと言ってもいいだろう
大通りの間に植林している
それは人間の傲慢さがにじみ出ている
そう龍堂は感じ
困惑の後から出てくる虚しさが脳内を支配する
だが そうは言ってられないと
気合を入れ直し
まずはこの世界線の歴史を学ばなければと
近場にある図書館を探して入ってみる
入ってみると
その開放感のある作りに感心し
子供が電子機器を使っている姿を見て
龍堂は情報戦略の教育を早期からやっているのだと感じ
これもまた感心することになる
歴史本を探していると
多くの思想本が見受けられる
思想の自由は大切なのだろう
龍堂は習ったことのある
典型的な民主主義の姿だと感じ
この世界の日本は民主主義のイデオロギーだと感じる
元世界ではなまじ日本が戦争に勝ってしまったため
民主主義 全体主義 共産・社会主義の
三つ巴の冷戦がまだ続いてる
だが 龍堂は反日思想の本をみると
眉をひそめてしまう
やはり 頭で思想の多様性を理解していても
反日思想は嫌っているのだろう
そうこうしているうちに
歴史本を見つけたので
5、6冊を持ち
机に持っていく
それぞれの本が
重点を置いているところは違っているが
変わらないところは
戦争に負けたということだ
なにやら 筆者の考えを描いてある場所があるが
一様に戦争はやってはいけないと
同じようなことしか書いていない
もう少し書くことはないのかと
思ってしまう龍堂だが
思い直し 外の状況を見てみようと
図書館から出て行く
そして これからの生活のために
仕事をしなければと思い
元世界線から持ってきていたものを取り出した
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龍堂が旧世界線から持ってきていた
完全没入型仮想世界空間技術の
設計図を投資家に売り込んだところ
高値で売れ
会社も作ることができた
龍堂はこれによって
一躍有名になった
時々暗殺者のような
刺客がやってくるが
元々が軍人だったこともあり
楽に相手することができた
だが やはり 経営者として
世界の裏側を見ていると
龍堂の性として耐えられなくなっていったのだろう
今 龍堂は政治家として日本を変えようとしている
ここまで読んでいただきありがとうございます
よければブクマ 評価などよろしくお願いします