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僕らの奏でる百鬼夜行  作者: 玉響
8/14

8、カマラ一家

 レオン一行は、森で助けた少女カマラとともに、ラムタイ王国へ向かっていた。


「そういえば、自己紹介がまだだったね。俺の名前はレオン。このクールなやつがレイモンド、ヘラヘラしてるやつがアトモス。君の名前は?」

「私はカマラです。国の法により2年間国の兵士として働いています」


「君のように女性も兵役の義務があるのかい?」

「はい、ラムタイ王国は戦争の少ない国ですが、それでも軍事力が乏しすぎるので、女性も兵として戦わなければ国が守れないらしいので」

「なるほど。それは大変だな」

「そうですね。早く戦争のない平和な世界になってほしいです」


 4人が歩いて10分ほど経つと、国の城壁に着いた。門番から、怪しいものを見るような目線を向けられるが、カマラと一緒にいるところを見ると、特に何も言われずラムタイ王国内に入ることができた。


「これほどとは思ってなかったな」

「そうですね。私も驚きました。やはり聞くのと見るとのでは、ずいぶん印象が違いますね。」


 ラムタイ王国は、しっかりした城壁に整備された道や建物、そして王の住む宮殿も豪華なものだった。

 来る前のレイモンド情報では、16小国の中でも最も小さく、乏しい国だと聞いていたが、賑やかさ以外は我がクレセント鬼国よりも優れていた。

 腐っても世界に名を轟かせる国のようだ。


 そこで、レオン一行は,作戦通りにバラバラに行動することにした。

 レイモンドは、国の図書館などで他国の歴史や場所などの情報収集。アトモスは、酒場などでラムタイ王国についての情報収集。

 作戦では、レオンもアトモスとともに行動する予定だったが、森で出会ったカマラに是非ともお礼がしたいと言われたので、レオンはカマラの家に向かった。


カマラの家は、大通りから少し離れたところにある、なんのへんてつも無い家だった。


 家に入ると、中には5歳くらいの女の子と母親らしき人物がいた。

「カマラ、その男性はどなた?」

 女性は、怪訝な視線をレオンに向ける。

(まぁ、娘が知らん男を連れてきたら、そんな対応するよな)


「母さん、この人はレオンさん。森でグランドウルフの群れに襲われた時、助けてもらったの」

「あらそうだったの」

 カマラの母親がそう呟くと、近寄り、少し涙目で深々と頭を下げる。


「娘の危ないところを助けていただきありがとうございます。この恩は、一生忘れません」

 夫を失い、女手ひとつで育ててきた娘まで失うところだったと考えると、この反応は別に大げさでもないだろう。


 少し、カマラ一家と打ち解けた後、レオンは任務である情報収集を開始するのだった。

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