表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの奏でる百鬼夜行  作者: 玉響
5/14

5、会議

 興奮している部下たちはさておき、レオンが話しを進めていく。

 

「だが攻めるにしても俺たちは、周辺諸国の情勢などに関する情報が欠如している。とりあえず俺たちは人間のままの姿で過ごしたほうがこれからの動きが楽になる。トモエ、薬の精度を上げてくれ」

 

 トモエは、俗にいう天才である。常に白衣のようなものを着ており、髪はあまり長くない。クールな見た目をしているが、性格は明るく、面倒見もいい。戦闘スタイルは、自分の作りだした兵器を自由に取り出して戦う、オールラウンド型である。

 他の幹部よりは戦闘能力で劣る分、仲間の手当てや鍛冶、作戦立案などすべてを担う、最強のサポーターである。

 

 今回幹部たちが服用している人間に擬態するくすりは、1日が限度であり、身体能力も半分以下に落ちてしまう。

 それでも、1人1人が5大国のいずれかと戦っても、勝てるほどの実力がある。だが、それは規格外の連中や世界に13個しかない魔具の存在を考慮しなければの話だ。だからこそ慎重に行動しなければならない。

 

「了解。だけど一週間は欲しい」

「たった一週間でいいのか?」

 レオンは驚きながら尋ねる。

「それぐらいあれば十分。私は天才だからね」

 誇らしげにトモエが答える。やはり持つべきは優秀な部下だ。


「ではこれから私が仕切らしていただきます」

 そこで、今までじっとしていたレイモンドが席を立ちながら話し始める。

「此度の作戦の指揮を執りますレイモンドです。異論のある方は挙手をお願いします」

 レイモンドは周りを見るが、手は上がらなかった。

 王直属執行部隊の序列1位レイモンド。強さも幹部の中でも1,2番を争うほどの実力であり、世界的に見ても敵なしであるレオンの相棒と言われるほどの強さを持ち、国の参謀を任されるほどの智謀、そしていついかなる時もあせらない冷静さ。これほど信頼に足るものはいないだろう。


「ないようなので本題に進めましょう。先ほどレオン様もおっしゃられた通り、我々はまず情報を得るところから始めなくてはなりません。そこで、この付近にあり、比較的に情報を持っていると思われるラムタイ王国を目標にしたいと思います」


「ところでメンバーはどうするんだい?」

 というウルティアの質問に、レイモンドは、

「そこは、レオン様に決めていただきましょう」


(えっ、そこで俺に振ってくんの?まぁ全部レイモンドに任せてもあいつの負担が大きくなるし、みんなで助け合ったほうがいいもんな。)


 レオンは椅子から立ち上がり、幹部たちに問う。

「では、ラムタイ王国の行き方がわかるもの」

 その問いに、アトモスとトモエが手を挙げる。

「よし、トモエには擬態薬の改良を命じたから、ラムタイ王国にはアトモス、レイモンドそして俺が向かう」

「りょうか~い」

「かしこまりました」

 

 2人の返事を確認したレオンは満足気にうなずき椅子に座りなおした。

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ