1-6冒険者チーム
〇赤光の挑戦団
団長:ロト・ミカエラ
メンバー数:146(達人102.マスター31.エメラルド10.オリハルコン3)
〇眼光の追撃団
団長:ガン・プロスー
メンバー数:152(達人103.マスター35.エメラルド12.オリハルコン2)
○測光の知恵団
団長:メータ・サイエン
メンバー数:161(達人110.マスター28.エメラルド16.オリハルコン5.ダイヤモンド2)
○月光の暗闇団
団長:常闇・ムー
メンバー数:168(達人119.マスター32.エメラルド12.オリハルコン4.ダイヤモンド1)
○日光の白熱団
団長:サン・ハート
メンバー数:174(達人107.マスター43.エメラルド14.オリハルコン9.ダイヤモンド1)
「あーあ。つまんないの。」
ボロボロな帽子にボロボロな服。分かりやすく言うならばホームレスみたいな格好だ。
雪が深々と降る中この男の周りのみ別空間のように暖かいいや熱いと言ったほうがいいのだろうか。
「お、前、は、一、体……。」
「言っただろう?俺は七色の聖騎士団のロト・パープリングこのギルド名は異世界でとても有名な名前だったんだぞ。お前も覚えときな、ってもう死んでるか。。」
青白く光る鱗のそのドラゴンは死の確認が済んだ後数秒してから光となって消えていった。
まるでゲームで敵モンスターを倒したみたいに。
(こいつもクリエーションから来た敵モンスターなのか?)
その消えゆく姿にふとそのような疑問が浮かび上がった。
しかしその疑問はすぐに消えた。
何故なら
「っまかんけーねーや。」
だからだ。
パープリングは雪で真っ白な世界になったこの場を離れる。
その歩く姿は少し寂しそうなしかし嬉しそうでもある。その真意はまだわからない。
最終試験が終わりやっと冒険者になるものが決まる。
コトコトと下駄を履いている時になる様な音を立てながらアルスがこちらに向かって来る。
「さて、皆おつかれじゃったのぉ〜。今の試合を見てここに居る5人の各団長が欲しい者の名前を呼ぶ。呼ばれなかった者は失格、呼ばれた者は自体かそのチームに入るか選ぶまた複数から選ばれた者はどのチームに入るか選ぶ事が出来る。っまそう言う感じかの。」
アルスの説明が終わり1人ずつ名前が呼ばれていく。
「「「「「アン・ノウンが欲しい。」」」」」
5つのチームから名が呼ばれた。そして周りからはどよめきが。
それもそのはずだろう、5つのチームから呼ばれるなど前代未聞なのだから。
「さぁー、どうするのか?」
アルスの爺さんが煽って来る。
正直どこでもいいが成る可く高収入なところがいい。
まだ考えはある。しかしそれはまだ早い、時期やろうじゃないか。
「日光の白熱団で頼む。」
「良かろう、では次じゃ。」
「紫原慎之介が欲しい。」
言い出したのは日光の白熱団だ。
恐らくはunknownが行ったので確実に行くと思ったのだろう。
「オッケ〜。」
それを難なく了承する紫原。
こうして今回264名中5人が試験に合格すると言う結果になった。
試験終了後unknownと紫原は日光の白熱団の拠点王都グレイスの南にあるこの建物はとても立派だ。
まるで遺跡が作られた当時の姿に戻った様な感じ、そこには感動しかなかった。
その一部はアルルのローマの遺跡の様だ。
anknown達はサン団長に誘導されるがままチーム拠点の中に入る。
中は外見から来るイメージのまんま豪華だ。貴族が住んでいるような__王族や公爵程ではないが__感じだ。
チーム拠点の中には個々の部屋が設けられており複数人でも対応している__まあ普通は複数なのだが。
玄関と呼ぶといいのだろうか、そこでサン団長に手で止められチームメンバーがこちらに注目する。
「今年の新人だ、お前たちの殆どの奴よりも強いからな決して侮るんじゃないぞ。」
それだけ言ってサン団長は自分の個室に戻る。
そのままanknown達も戻ろうとするが。
「おいおい、何も言わずにどっかにいくのかよ。」
体は細いがオーラは感じる。恐らくは魔法剣士という奴なのだろう。
後ろにいた紫原が軽く鼻笑いをした。
その声が聞こえたのか__聞こえるように言ったのだろうが__その男が舌打ちをし
「言い度胸じゃねーか。団長が強いとか言っていたが所詮はマスター級位だろうよ。俺からしちゃー大したことはねー。」
少し___少しどころではないが___怒った声で言ってきそのままanknownに向かって殴りかかる。
(いや、なんで俺なんだ?)
そんな言い分を言う間もなく男の拳が降りかかって来る。
anknownからしたら避けずとも物理攻撃無効でノーダメージなのだがそうなると後々面倒なことになりそうなのでゆっくりと避ける。
だが、その必要はなかったようだ。
anknownとその男の間にものすごいスピードで__anknownからしたらそれほどではないが___割ってきた。
「その辺にしろ、俺たちの実力も知らない尼ちゃんじゃないか。」
その言葉に少しイラッとしたがそこは抑えておく。
(場を抑えるための言い分に過ぎないからな。)
「あん?でもよう今のうちに知らしめておかないとまた調子に乗るぜ。」
「そんな事は仕事で知らしめたらいいだろう。」
とその後も2人は口論をしたが後者の者が最終的に説得させた。
「お前たちもだぞ。試験でどれだけいい結果を出したか知らないけどここにはお前たちの上は沢山いるからな、調子にのらないことだ。」
「おう、分かった。忠告有難う。ちなみに俺はアン・ノウンだよろしく。後ろは紫原。」
紫原は名前が呼ばれると同時にニコッと笑い手を振った。
「おう、よろしく。俺はダイヤモンド級の冒険者のヤルバ・ダウトだよろしく。」
流石はダイヤモンド級冒険者だ。体つきもよく装備品もよい。
そのまま先ほどの出来事は嘘だったかのように日光の白熱団の殆どの者と仲良くなれた。anknownは。
夜中の12時程だろうか。この日は晴天だったため月が、しかも満月が空の中に独りぼっちでいた。
この世界は平民と貴族で街が分かれており、夜は高価な魔法道具でしか光をともせないため平民はもう寝ており街は静かで真っ暗だ。
そんな中コトコトと足音が聞こえる。
悪魔だ。暗闇の中を得意とする悪魔は夜中に行動し人を食う。
亞人、特に喰種も同等だ。
「お前は悪魔だろ?何で同種をやるんだ?」
「いやー、ある人を探していてね。お前はこの街について詳しんだろう?」
尋ねられた悪魔の中の一般人Aみたいなそいつはこれから何が起きようとするか察しながら唾をのむ。
「ああ、その通り魔王の存在から人間のことまで事細かく知っている。」
「じゃ、anknowって奴知ってる?」
何を言っているか分からなかった。いや恐らくは分かっているのだろう、しかしその存在が誰?何?か分からず頭が混乱しているのだろう。
ここで使えないと思われると待っているのは死だ。
「わかんないの?それじゃー」
と発せられた瞬間死を覚悟したのだが。
一般人Aに待っていたのは死ではなかった。
「俺について来い。」
「…………。」
何も言えなかった。
それもそのはずだろう、どのパターンでも死が一番近いゴールだったはずだ。
しかも質問に答えられないとなると一番近いではなく確定だ。
「なぜ、、生かすのですか?」
思わず口にしてしまったがこれは確実に聞かなくてはならなかった。
「気まぐれだな、探すのに時間掛かりそうだから話し相手もいるし。」
何とも納得がいかない理由だったが殺されないだけマシだろう。
「俺はネテロだ。宜しくな。」
「知ってると思うが私はセリアス、宜しく。」
こうしてこの街に新たな勢力が生まれることになる。
anknownが入団してから1カ月がたった。
今日は日光の白熱団のマスター級以上の者が会議室に集まっている。
anknownは階級を一気に上げ今やオリハルコン級の冒険者となっている。
このことに関してインチキだの言われ一部の者には嫌われているがそれも本の一部に過ぎない。
殆どの者がanknownのことを認め尊敬している。
「今回皆に集まってきてもらったのは化け物組織と魔法王国の竜族を倒した者の2つの件についてだ。我らの団は今回この王国に大きく関わるこの件をいただいた……」
日光の白熱団は2つに分かれて1件1件を解決するらしいがanknownは正直1人で行動したい。
と言うのも竜族を倒したと言う男は七色の聖騎士団のメンバーの一人の名と同じだからだ。
「魔法王国の件は俺、、いや此奴との2人だけに任せてくれないか。」
「何を言っている、今回ばかりは卑怯な真似は出来ないのだぞ。」
anknowを嫌っている者の一人がそういう。
団長もこちらに目を向けて何か言いたそうだが無視だ。
「いや、恐らくは雑魚が集まっても無駄なだけだ。」
「だからこそお前みたいなインチキオリハルコンじゃあ駄目だって言ってんだ。」
言い忘れていたがanknownを嫌っている奴は皆オリハルコン以上だ勿論ダイヤモンドもいる。
そいつ等のイライラが段々こみあげて来た時やっと団長が動いた。
「お前ら静かにしろ!!!」
一瞬で静かになった。
「ノウン等の単独行動を許可する。そして何が望みだ。」
周りからの驚きの顔は当然だが一向に戻ろうとしない。
数人の顔は起きれたようなものだが……。
「階級をエ・ライトにしてもらえればと思います。」
「ふざけるな、そんな力もわからない奴と戦ってそこまで上げれるか。」
一部の者___嫌っている者たち___の表情が戻った。
飛び交うのは愚痴ばかりだ、これに団長が自らの声で塗り替える。
「許可する。しかし失敗すれば下げるどころではないからな。」
「いや、でも団長……」
皆再び驚き唖然としているが1人の男だけは違った。
「じゃあ、俺が監視しときます。不正しないようにね。」
声の発せられる方向を見るとそこには入ってきて初めて会った男だ。
フッと鼻で笑いanknownは返事をする。
「殺されるかもしれないがいいのかな?」
「馬鹿にしてんのか、そんなの始めから覚悟しとるわ!!」
こうして、anknown・紫原・最初に会った男ロンの3人で任務に努めることになった?
「騙したな!!!!」
ロンが暴れて言う。
よく見れば首だけ残されている。
死んでいないのは第7位魔法の根気強ク生キルの効果だ。
ロンの目の前には紫原。
「何言ってんの?殺されるかもしれないって言ったじゃん~。」
「殺されるってまさかあんとき言ってたのは……。」
「ピンポーン、僕たちでしたー。じゃあネタバレもしたし。」
スパッ
綺麗に切られた顔面だがその絵は良いものとは言えなかった。
「さて、そこの男の始末は終わったかな?」
「ああ、じゃあ始めようぜロト・パープリング。」
「おう、anknown。」
anknownが踏み出そうとしたしかしそれよりも先にパープリングが来た。
「遅いな、、」
ズサっ
刀がanknownの胸に刺さった。
バタ…。
呼吸はない。脈もない。死んだ。