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七色の聖騎士団  作者: 高梨恋夢
冒険者編
5/7

1-5 unknown対紫原慎之介

プレイヤー名〔ガリウス〕レベル〔1250〕

種族〔悪魔族〕系統〔死霊魔術師〕

職業〔エスパー〕称号〔魔王〕

ステータス_限界値が100とする

HP 100

MP 320

攻撃98

防御113

回復 89

魅力 0

魔法

第5位魔法:אלה שנראו לשטן(召喚魔法)

第8位魔法:קסם|תאכל את הלב שלך(即死魔法)

概要:魔法国王ガローによって創造された悪魔。基本的には異世界の魔法を使うがクリエイションの魔法も時々使う。基本的に魔法は得意ではないが相手を操ることが出来る。


プレイヤー名〔ガロー〕レベル〔4380〕

種族〔魔神族〕系統〔大魔導〕

職業〔コレクター〕称号〔大魔導王〕

ステータス_限界値が100とする

HP 120__|__

MP 630__|____________

攻撃125__|_

防御210__|___

回復 300__|____

魅力 0

魔法

第9位魔法:יצירת שד גבוה דרגה(召喚魔法)

第9位魔法:השבת הכל והעברה(転移魔法)

第9位魔法:我ガ名ニ置イテ平伏セ(精神魔法)

第10位魔法:אין שם בלתי אפשרי בשמנו(強化魔法)

概要:魔法国の王。魔神族でありながら人間と亞人の国を支配している。絶対の支配者であり今のところは敵なしだ。魔法を得意とし魔法だけでの勝負となればunknownでも勝機は見えないだろう。

プシュー、プシュー、プシュー………。

雪が降る中、青白い物体がそんな音を立てて動いている。

その正体は雪が降りすぎてよくわからなかった。だが近づくにつれてはっきりしていった。

ドラゴンだ。

「ガロー様のためにプレイヤーたる者を捕獲しなければ。お前達には周囲の探索に行ってもらう。」

「「「「はっっ。」」」」

そのドラゴンはガローが作成した5体のアンデットに命令を下し、アンデットたちはその命令通り放たれる。

しかしそのアンデットはすぐさま動きを止めた。いや止めさせられた。

1人の男によって与えられた死__もともと死んではいるが__によって。


「何者だ⁉︎」

これにもドラゴンは動揺を隠せなかった。

それもそのはずだろう。このアンデットは上位アンデット暗黒界ノ骨王(ダークスケルトンロード)であり1体でも1つの都市を破壊できると言われているモンスターなのだから。

グッグッと足音をならせ現れたのは人間?の男だった。

「俺はロト・パープリング。お前と同じ竜種族だ。まぁ、格は俺の方が上だがな。」

「何を言っているのか、愚かな者め。死ぬがよい。」

突然現れた男にドラゴンは動揺を隠せない。

パープリングはふぅ、と息を吐きそれから一拍おいて魔法を唱えた。

「第10位魔法全テハ炎ニヨッテ地獄ト化ス(オール・ファイヤー・ジ・ワールド)」

辺り一面真っ赤に染まった。

先程までの雪は嘘のように振らなくなり地面は地を削られ、熱せられ一部が赤くなっている。

半径1キロ程だろうかそこには1人の生命体しか居ない。

勿論パープリングだ。

その他の者は恐らくは細かい炭になったのだろう。

「そろそろ使いこなせそうなんだけどなー、気を。」

パープリングは自分の手を見て険しい顔をした。その表情には悔しさがあったのだろう。






第1次試験を合格した者達は次なる試験会場に行くために走っていた。

通路はまっすぐなのに終わりが見えない。このことからこの道がかなり長いことがわかる。

タッタッタッタッタッ……。

走っている者の足音が響き渡る。

今走っている場所は大きなパイプの中。試験会場からのこの通路は微妙に下に下がっており今試験者たちは気づかないうちに地下に行っている。

unknownたちもゆっくりとしかし1㎞3分のペースで歩を進める。本気を出せば転移した直後のようなスピードは出せるもののこの通路がどこまであるかわからない以上真剣に行くしかなかった。



走り始めて2時間が経過した。1時間経過してから少しペースを上げたので今45㎞くらい走った。

そしてここで全体に異変が起きた。

ほとんどのものが息を切らし汗も大量にかいている。酷いものは脱水症状まで出ている。

通路がパイプなので熱がこもっていることもあるのだろう。

途中倒れる者もいたがほっておくしかない。

今回の試験全体で人の手を借りればお互いが失格になるのだから。

タッタッタッタッタッ

先程と比べて数は減ったがまだ集団と呼べる人数はいる。


走り始めて6時間。140㎞程経過しただろうか。

先頭集団はもう10人と少ししかいない。あとは倒れたか遅れているかだ。

「良かったな、最初からとばさないで。」

「まぁ〜ね。でもとばしたらとばしたで途中休憩したら良かっただけだけど。」

そんな会話がunknown、紫原から聞こえる。

この会話には周りの者全員が驚いた。

しかし表情に出さずだが。

もう先頭集団のほとんど、いや2人以外は皆息を切らし後は気力で行くしかないと言う時にこの2人は余裕で会話をしている。

更にこの2人は全く本気ではないという。

そんな周りからの驚きをよそに2人は会話を続ける。

「しかし、この試験までの道、プレイヤーでもこんな感じなのにやばいんじゃないか。」

「そーだね。でもこの世界に転移してから思ったけどステータスに現実世界の己の能力が追加されていたと思うよ。」

つまりだ、現実世界で体力が無ければこの世界でもある程度はつぐがそれでしかないという事になっているらしい。

unknownは水泳、紫原は歌手と2人とも体力が必要な事をしていたので異世界では余裕に長い距離を走る事が出来た。


今まで電球の光しかなかったこの通路から強い光が入ってきた。

「ゴールだ……。」

何処から聞こえたかはわからないが確かにそんな声がした。

先頭集団の殆どの者が限界に近く猫背になり、目は垂れ目になっていた。

それはゴールがいつまでも見えないという精神的な苦痛、10時間走りっぱなしというか肉体的な苦痛その2つの苦痛が試験者をボロボロにした。

中にはそんな状態でもまだやる気を見せている者もいるが殆どの者がゴールを目前としても試験を諦めかけている。


残すは200m程か、そんな時2人の人物が猛スピードでゴールに向かっていく。

それは勿論unknownと紫原だ。

猛スピードと言ったがこの表現は間違っていただろう。

もう彼らはゴールについているのだ。それはスピードと言って良いのかわからない。

これには各団長達も驚いている。


「確かに、じーさんの言う通りかもしれねーな。彼奴らはすげー。でもまだ俺たち互角はたまたそれ以上っていう感覚わかねー。」

「と、言うかあれは本当に走ったのですか?転移魔法という線もあるじゃないですか。」

2人の団長は称賛はするがそこまでの存在ではないと言う。

その言葉を聞きながら組合長は確信する。

(この2人は当然だが、先頭集団の殆どが団長クラスに匹敵する。)

組合長には見えていたのだ、2人が走っている姿を。短い時間ではあったがその2人は楽しんでいた。周りの者にとっては一瞬だったかもしれないがあの2人にとっては3分程だったのだろう。



「お疲れ様です、皆さん。私が第3次試験の担当をいたしますグルメと申します。」

今の発言で皆気付いた。これは試験だったのだと。

はぁはぁとまだ息を切らしているものがいる。

先頭がゴールしてから1時間が経過し集まっているのは72名。これは最終的に第2次試験合格者となった。



「では、第3次試験の説明をいたします。こちらをご覧下さい。」

グルメが手を向けた方には巨大妖精(ギガントトロール)が20体。

これはグルメが召喚したものと見られる。その証拠に巨大妖精(ギガントトロール)の首元に十字の印がある。

これは召喚獣の証拠だ。

この巨大妖精(ギガントトロール)を見た瞬間、喉を鳴らす者が数人いた。

「皆さんには5人1組になってこのモンスターと戦ってもらいます。だだし組はこちらで決めさせてもらいます。」

一瞬unknownと紫原の方を皆見たが組は自分たちで決められないとわかるとすぐに目を離した。


この試験は全く苦戦はしなかった。と言うかunknown達にとっては埃が落ちて来たと言った感覚だった。

他の者たちも息を切らしながらも流石プレイヤーだ、楽々と巨大妖精を倒していた。

そしてここで20人まで絞られた。

例年ならば2次試験で合格者0人だっただろう。



「皆さんお疲れ様です。では次が最終試験となりますので私についてきて下さい。」

言われるがままついていく。

そこには冒険者組合の軍事用飛行機が。

この世界の飛行機は魔法の飛行機なので見た目よりも中は広い。



「ほ、ほ、ほ、ほ。皆今日はお疲れ様じゃの。」

中は闘技場になっておりそこには組合長が立ち上の方には各団長が囲って座っている。

unknown達も組合長の存在は知っていたのですぐ目の前の人が組合長とわかった。

「儂は冒険者組合、組合長のアルスじゃ。これから君たちにはここで1対1で戦ってもらう。そしてその戦いを見て団長が冒険者になる者を選抜するっと言った感じじゃ。」


トーナメント方式で勝ったものほどアピールができると言う仕組みだ。

勿論組み合わせも組合側が決める。

「では組み合せを発表するぞ、1組目…………7組目unknownと紫原慎之介……。」

2人の名前が出た時、この場にいる全員が驚きと少しの興味を抱いた。

何故興味が少しだけか、それは興味と同時に恐怖が出てきたからだ。2人の名前が呼ばれた時の殺気それは尋常じゃなかった。

自分に向けられてはいない、それはわかっているが今自分が殺ると体が判断している。

それにより恐怖が興味を上回ってしまっているのだ。

その様子に気付いたのか組合長は焦って口を動かした。

「殺したらそこで失格じゃ。故意的なものと判断したら今後の試験に出れなくなるから注意じゃぞい。」


(unknownとの久しぶりの戦い、ゾクゾクするよ〜)

紫原はかなりの興奮状態、個人の戦いは3年ぶりとなる。

unknown討伐戦の時も最初に全員の動きを止めてもらい戦ったがunknownは本気じゃなかった。

「開いて久しぶりだな、。」

「あ〜、この日を待ち遠しかったよ〜。そして今はゾクゾクしているよ〜。」

そして今までとは比べ物にならないくらいの殺気を放つこれには組合長も少し反応した。

しかしその程度に過ぎなかった。組合長はこの2人を高く評価していたがそこまで高く評価はしていなかった。

(あれは、化け物じゃの……。)

実際のところを言うのならば紫原より組合長の方が強いだろう、しかし組合長は紫原の殺気に少し押された。

組合長は友人の言葉を思い出す「人は気持ちで負けると実力差があっても敗北してしまう。」ふっと笑いがもれた。


そして2人が戦う時が来た。

「それでは、はじめ‼︎」

ズバッッ

unknownの頭が飛んだ。




驚いきはずっと続くしかしunknownの頭が飛んだのにではない。それはほんの一瞬の驚きでしかない。

unknownは生きていたからだ。その驚きは幻術を知らない者は皆同じだ。

「いいパフォーマンスだね〜。そう言うとこスゥキッ‼︎」

紫原が走るしかしそれは走ってと言える速さではない。

unknownの背後に来て肘で首を狙う。

しかし気付いた頃には紫原が飛ばされている。

右頬にわずかな痛みそして瞬時に察したビンタだと。

(これは完全に舐められてるね。さてあっちの方がステータスは完全に上だ、どうする……。)

流石の紫原も今回に限っては真面目な様子だ。

そしそ詠唱できる体制に整え

「禁忌魔法:最後ニ笑ウ(ダイ・クロリング・ザ)ノハ小丑(・クロウン・ロウ))」

「第10位魔法:神ヨ降(ゾーズ・フー・ノット)リルナ(・アクプット・デス))」

空かさずunknownが魔法で対抗する。

これには舌打ちをするしかなかった紫原。

「世界ノ能力:God to force death to force⦅ :神は強制的に死を与えた⦆」

そしてunknownも即死魔法をかけるこれは防ぎようがなかった、何故なら詠唱までの間に蹴り飛ばされたからだ。

紫原は死んだが即死無効化アイテムを所持していたため助かった。

「珍しいなお前がそんなアイテムを持ってるなんて。」

「まぁ〜もうちょっと楽しみたいからね〜。」

unknownの前では余裕を見せているが心の中では余裕がない。

「第8位魔法:小丑ノ(バット・キャリオ)悪足(ルティ・オブ)掻キ(・クラウンス))」

この魔法は消費MPこそ多いものの全体のステータスがかなり上がりunknownにほぼステータスが同じなる。

魔法詠唱後直ぐにunknownへ近づく。

1回、目の前に止まり少しフェイントをかけ頭上から両手を握りunknownの頭に拳をぶつける。

しかしunknownは落ちない。

「済まない、1つ言い忘れていた。俺ステータスこの世界に来てから段々と戻って来てるんだよね。」

これは予想外だった。unknownはレベルが高すぎてステータスを強制的に下げられていた。

それはゲーム上にレベルを創造できる者がunknownしかいなくて実力差がかなり開くからだ。

「まだ完全には戻ってないが大体………3000かな。」

これを聞いた瞬間勝ち目はないと思った。しかしそれと同時にunknownへの興味がより一層湧いた。

(これこそが神、なのか。いいね〜これには耐えきれないよ〜)

そんなことを思い再びunknownに攻撃を仕掛ける紫原。

しかしそれを軽く回避しunknownがとどめの拳を与えた。



「そこまで‼︎勝者アン・ノウン。」


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